ChromebookからiPad Airへの買い替え

iPad Air 第5世代を買った。
購入にあたってはApple大好きYouTuberのみなさんの批評を参考にしたが、Apple目線で述べられているので、Chromebookから乗り換えた経験を交えて気がづいたことを記録したい。

Chromebookの限界

最近はChromebookも数多く店頭表示されるようになった。わたしが最初にChromebookを購入したときは多くて3機種程度だった。
GIGAスクール構想により、多くの安価な端末が求められているからだと思うが、子供の学習向けパソコンについても展示面積ではWindowsといい勝負をしていたのが印象的だった。
以前と比べてGoogleはウィルスに感染しないことを謳った刺激的なテレビコマーシャルを控えめにしているものの、OSが自動アップデートされるなど利点は引き続き多い。
ただし、現行機でも搭載内蔵メモリーは4GBが中心。Chrome OSが軽いので動画を眺めているくらいであれば問題ないが、例えば外部モニターにつなげようとすると何度も画面がちらつくなどして安定するまでに時間がかかる。高性能機は機種の選択が限られるし、同じ値段でiPadWindowsノートが買えてしまうので、あえてChromebookを選ぶ意義を失ってしまう。
Microsoftが提供するサービスとの相性が悪い。Windowsファイルサーバーとの接続、OneDriveとの接続における操作性がよくない。また、かつてはMicrosoft Officeアプリが使えたが更新を停止してしまった。
一番良くないのは、長く使っているとOSの更新ができなくなることである。Googleは、古くなったWindowsパソコンを再利用するためのChromeOS Flexを配布しているが、サポートが切れたChromebookを再生できる道がない。それと比べるとiPadの方が比較的OSのサポート継続期間が長い。

iPad Airを選ぶ

持ち歩き用の端末として、仕事ではiPad、私用ではChromebookを使っていたが、私用でもiPadにしてみようと思い立ち、購入に踏み切った。
2022年のウクライナ侵攻などによりインフレと円安が加速し、このままでいると半導体搭載製品がどんどん値上げしてしまいそうで、今買わないならしばらくChromebookになりかねないと思った。iPadシリーズなら中古需要が高いので古くなったら下取りに出せるだろう。Chromebookは見た目がパソコンなので、自治体のごみにも出せないのが面倒である。
今後、Microsoft Officeを使いたいと思ったので、先に書いたChromebookMicrosoftの相性も気になった。まあ、本当はOfficeを使いたいならMicrosoft 365を契約してWindowsパソコンを使うのが一番だが、iOSやiPadOS向けでもそれなりの互換性は確保されている。
非力だけれど電池が長持ちするChromebookもよかったけれど、その反動で高性能なCPUにひかれた。2022年モデルはiPad Proと同じCPUを搭載しているということで、無印のiPadではなく、Airにすることにした。以下、この書き込みにおいて、「iPad」とは以前から使っている無印iPad、「iPad Air」が今回買った製品をさす。
モバイル回線が使えると外出先で便利なことはこれまでiPadを使っていてわかっていたし、これからはワープロを使うにもクラウドサービスとの連携が不可欠だ。端末内蔵のストレージにいったん保存してしまうと、そのファイルの管理が面倒になる。なので、2万円程度上がるがCellarモデルにした。
同時期、MicrosoftSurfaceが値下げ攻勢を強めていて、家電量販店のポイントを付けるキャンペーン*1も行われていた。外付けキーボードを無料でつけるキャンペーンもあったが、Windowsパソコンにもかかわらず対象機種が128GBしかないということで、Windows Updateすらまともに動きそうにないので採用を見送った。
iPad Airワープロとして使うには外付けキーボードが必要であるが、これは悩んだ末にLogicoolのCombo Touch Keyboardにした。重量がやや気になるが、キーに触った感触のよさや充電不要であることを今のところ評価しているが、しばらく使ってみたらまた感想をまとめてみたい。

買ってから気づいたこと

どんな製品にも完璧はないのではあるが、妥協をしても成長はないので、気づいたことをまとめておく。iPadシリーズは情報が豊富で、本体については多くの人がすでに語りつくしていて、わたしが今更「ぬるぬる感が心地よい」とか言っても野暮なので、今回は2022年に登場したアクセサリー関連の評価が中心である。

外付けキーボードと画面保護シートとの干渉

画面保護シートは複数のメーカーから製品が出ていた。違いがよくわからなかったので安いものを家電量販店で選んだ。
iPadに着けているシートは画面両端に額縁があるので、そこにテープで張り付ける方式である。今回のシートはスマートフォンのように画面全体に接着する方式だ。いくら気泡ができにくいとは書いてあっても、シートをつける作業がとても苦手だし、気泡がたっぷり残ってしまう。店の貼り付けサービスを使うこともできるのだが、今回は家に端末が配送されたのでそのまま自分でやることにしてしまった。10.9インチあるので、スマートフォンの場合よりも貼り付け位置が難しく、ほんのわずか0.5mm程度短辺が隅に寄ってしまった。
気泡があろうが寄っていようが、iPad単体で使っているときには全く気にならない。気泡でさえもバックライトのついた画面では見えなくなる。
ここまでは想定していたが、今回はCombo Touch Keyboardを使う。キーボードを使うためのカバーを装着すると、なぜか端から画面保護シートが浮いてくるではないですか。きっとシートが寄ってしまったことも影響しているのだと思う。カバーを装着した状態でシートを貼るとよさそうである。
マグネットで着脱できるタイプのシートにすべきだった。今回はスタイラスペンを使おうと思ったのでマグネットタイプは浮いてしまうかなとも思ったが、それ以前に量販店には接着方式のものしか売られていない。この点は情報不足だった。

スタイラスペン互換品の種類が多すぎる

まず、Chromebookについては複数方式が存在していて、ニッチな市場がますます分割され、純正品でさえもメーカーに問い合わせたら「品切れです」「生産再開見込みは立っていません」という。それなら公式製品カタログに乗せるなよと思った。メルカリを1か月くらいチェックしていたが面倒くさくなって買うのをあきらめてしまった。
iPadApple Pencilで直接かけるのがお勧めとよく読んでいたので、スタイラスペンを買おうかなと思った。ただ、Apple Pencilは高すぎるので、ジェネリック医薬品のように互換品を選ぶことになる。
Amazonで見てみると、聞いたことがないメーカーの海外製品がたくさん売られている。それを全部取り寄せて比較してみたというYouTube動画を見て、一番評価が高かったのを取り寄せようとしたら、やっぱり品切れだった。ああ、今度もかと思ったが、数日後に見たら大量入荷していたようで、購入することができた。ちなみに量販店よりはECサイトの方が種類が豊富である。
Apple Pencilは、マグネットで本体側面に接着できて、ケーブルを使わずに充電ができる。これが純正品の差別化要素であったが、2022年頃より、互換品でも同じことができるようになっている。iPadを充電ケーブルから外すとペンが電気を吸い続けるという評価もあるようだが、普段はペンケースに入れて持ち歩けばよさそうである。何しろ、iPadとカラーリングを合わせているペンを見つけることができず、灰色の本体に真っ白なペンが付着している状態である。少し見た目がかっこ悪い。

一部のPD接続のケーブルが刺さらない

これもCombo Touch Keyboard関連であるが、カバーを取り付けてもスピーカーとUSB-Cコネクターの場所には穴が開いていてふさがないようになっている。
カバーを取り付けた状態で、PCモニターにつなげようと思った。普段はWindows PCと外部モニターをUSB 3.2のケーブルでつないでいる。モニター側にはUSBハブの機能がついていて、映像出力だけでなく、ThinkPadキーボード、Windows Hello対応Webカメラ、USB接続のEthernetアダプターをケーブル1本で接続し、かつPCにPD給電できるようにしている。
iPadiOSから派生したiPadOSにより、外部ディスプレイをサポートするといっているので、大型モニターを用いた作業ができることを期待している。
ところが、当初はUSBケーブルを指しても映像出力がうまくいかなかった。それどころか充電もできていない。
よく見てみると、カバーが干渉して奥まで差し込まれていないようである。カバーを外すと前述のシートが浮かなくなるだけでなく、USBケーブルも挿せるようになった。
USB端子付近は、差し込むときの持つためだけではなく、様々な回路が入っている。過電流保護などの仕組みが入っているため、少し古いケーブルは持ち手の部分が大きくなりがちである。一方、カバーは純正電源ケーブルを使うことを想定した穴しか開いていない。純正は細くなっている。
1,000円前後の新しいケーブルを買ったら問題なかったが、Amazonのサイトでは持ち手の部分の寸法が書かれていないことが多い。iPad用と書いてある製品の写真にひとつだけ書かれているものがあって、それを選んだ。

Combo Touch Keyboard

他のアクセサリーとの相性について2つふれたが、キーボード自体についても評価しておかなければならない。

  • 重たいけど、キー入力重視する人向け
  • キーボードが外せるけれど、カバーだけでも重たくなる印象
  • 奥行きに空間がないと置きにくい
  • キー配列は特殊だが慣れれば問題ない
  • キータッチ音は低い音で控えめ
  • 最上段のファンクションキーが使いやすい

など、主要な部分では他の人の評価と違いはない。
x86*2使いにはoptionキーとcmdキーの違いはわからないけれど、わからなくても実用上問題はない。

  • 英数に変えるときに「漢字」キーがないので「英数」キーを押す
  • Windowsキーがないので、ホーム画面に戻るときは最も左上にある□ボタンを使うか、左手で画面左下をスワイプする

の2つを覚えておけばあとはどうにかなる。
カバーのボリュームボタンの場所には、「+」「−」がついているが、横置きをしているときにはプラスとマイナスが逆転する。これも慣れれば問題ないと思っている。
せっかくiPad Air本体の色を30分くらい悩んだのに、カバーを付けたら地味な灰色に覆われた。外側のカメラレンズのあたりなど、ちらっと本体の色が顔を出しているにすぎない。Appleのリンゴマークもlogitecの「logi」ロゴに差し替えられてしまった。本体を落とした時にカバーがしっかり保護してくれそうなので、見た目はあきらめることにしよう。
安定性では通常のノートPCの方がよいと思うが、Chromebookのキーボードの品質がすこぶる高いというほどでないので、奥行きが必要である以外は大きな減点はない。
片手で持つと重さを感じるけれど、ノートPCであればそもそも片手で持たないから、キーボードつきのiPadもノートPCだと思って両手で持てば気にならない。ただ、iPad Proにしてしまうとさすがに重たいだろうなとは思う。
あと、マウス操作も注意が必要だ。わたしはThinkPad Keyboardか、NoteパソコンのThinkPadを使っているので、これらの場合はトラックポイントマウスポインターを動かすし、手首は机の上である。一方で、Chromebookや今回のCombo Touch Keyboardの場合、キーの手前にフラットパネルがある。長年トラックポイントになれていると、フラットパネルは使わない。Windowsパソコンではコントロールパネルで無効にすることがある。ただ、Combo Touch Keyboardはマウス操作をする唯一のデバイスなので使う機会が生じるものの、手首のポジションがトラックポイント対応になっていて、使わないときにフラットパネルをさわってしまうという問題が生じている。
手首を浮かせて使うように慣れる必要がある。長々書いた割には、ほとんどの人には参考にならないかもしれないが。

ThinkPad Keyboard接続

先に外部モニター接続についてふれたが、新しいUSB-Cケーブルにつなぐことで、iPadThinkPad Keyboardの接続は簡単にできた。いくつかのサイトでプロのライターの方がこの組み合わせについて語っていたので自分でも試してみた。
結論から言うと、普段Windowsパソコン、Chromebookを使っていた人間が、Combo Touch Keyboardの配列を覚えながら、iPadにつないだときのThinkPad Keyboardの配列も使い分けるのは無理があるだろうということで普段使いの時は大型モニターに接続しなくてもいいかなと思った。
ただし、Wordでひたすら文字だけ打つような場合は、画面上でオブジェクトをつまむ必要がないのでその場合は使えるかもしれない。
ただ、Combo Touch Keyboardの習熟もしたいので当面はThinkPad Keyboardを使う場面が限定的だと思われる。

アプリ

iOSのアプリはiPadでの利用を想定して作っているからiPhoneアプリを大きい画面で見ても安定している。金融取引のアプリではiPad専用アプリを用意している場合もある。
一方、Chromebookの場合、Androidアプリを動かすことができるが、横置き画面でも縦長のスマートフォン向け画面のままだったり、全画面表示をしたときに画面が固まったりするなど、Chromebookのことはあまり考えてくれていないみたい。そもそも画面サイズ、解像度などがメーカーによってバラバラなので何に合わせて作ったらいいかわからないのだろう。iPadAppleしか出していないので画面サイズの種類は限られている。
Microsoft Officeのネイティブアプリが廃止されてしまっている。iPadであれば普通にダウンロードできるが、Chromebookの場合はもうダウンロードできないし、ダウンロード済みの場合でも起動の都度、Office.com への移行を勧めるポップアップが現れる。

電池の持ち

さすがに買ったばかりなので、充電を完了した本体を充電ケーブルから外してそのまま持ち歩いた時にはしばらく100%を維持していた。
動画をみるとみるみるバッテリーが減っていく様子が確認できた。使っているCPUが高級なので、仕方がないかもしれない。非力でも電池が長持ちするChromebookとの違いが最も現れそうである。

価格

Windowsのエントリーモデルが、iPadの実売価格を意識した価格設定にしているのだろうなと思った。それくらい、今回はiPad Airでしょ、いや、Windowsマシンでもいいかな、いやいや、という葛藤がしばらく脳内を駆け巡った。
キャンペーンなどを利用して本体を安く手に入れても、Combo Touch Keyboardにスタイラスペンをつけてしまうと、Windowsパソコンと価格が並んでしまう。
iPadの修理をしてくれる店は都会にはたくさんある。一方、本体価格競争力が比較的高いメーカーのWindowsパソコンの場合は、サポートへの電話がつながらない、メールしても返事が遅い、とにかく送れという、サポート期間が終了していれば吹っ掛けてくるといったことがわかっているので、買った後のことも想像しやすかった。下取りにも出しやすければ同じ価格ならばiPadシリーズの方がトータルコストが下回る気がする。Surfaceについてはほとんど知らないが、ストレージ256GB以上のモデルでも20万を切るようならば今後検討してみたい。

わからないから気にならない

ChromebookからiPad Airに移行してみたが、正直iPad Airの中でどのようなプロセスが動いているのかよくわからない。Windowsだとタスクマネージャーやサービスの画面で、Chromeブラウザを起動しただけで瞬く間に大量のプロセスが立ち上がる様子や、セキュリティソフトがやたらディスクを回している様子がわかるのだが、iPad Airにはまだ慣れていなくて確かめることができない。また、いつも画面はぬるぬるなので確かめたいと思ったこともない。
常にウィルススキャンなどに20%くらいリソースを使っているような気がしてしまうと、Windows向けハードウェアと他のOS向けハードウェアとを比べた時に、Windows向けの方は2割引で性能を比較してしまう。残り2割は余計な計算をして電気を熱に変えているだけではないかと思ってしまうのである。
それでいて、Apple M1プロセッサーが前のモデルよりも60%も性能を高めた*3と言ってしまうと、圧倒的に差をつけたのではないかというような気分にさせられてしまうので、2022年時点ではいったんiPadシリーズに勢いがあるなと感じたところだが、また使っていくといろいろ気になることが出てくるに違いない。

*1:通常、Apple製品やSurfaceはポイントがほとんどつかないことが多いが、それを製造元が了承していたということ

*2:WindowsChromebook系統のコンピューター

*3:Air 第5世代の場合

見られたくない

国が外すことを勧めても、都会では99%以上がマスクをしている。接客を伴う仕事や、仕事中に同僚と同行する人はさらに多くの人がマスクをしている。

ただ、ある街で夜に出歩く人を見ていたら半分くらいに下がっているようにも見える。

わたしが8時の法則と名付ける現象がある。夜8時を過ぎると夜道で歩きタバコが増える。昼間はしっかりした身なりの人が夜になると口元で火を灯すようになる。しかし、辺りが暗いから顔はよく見えない。

路上喫煙を思い留ませるものは路上喫煙防止条例ではなくて、他人の目である。

 

マスクも他人の目が気になるし、マスク警察に刺されないための防具だということになる。魔除けのためにウイルスと雑菌を口元で採集するなんて、何の意味があるのか。

 

ヤフー陣営、2022年12月ポイント改悪

 2022年8月1日、ヤフーショッピングなどで付与するポイントについて、税込みから税抜きで算定するなどの改悪を発表。時期は2022年12月「頃」だという。頃って、何?決まっていないの?

 消費税分削減で、1.1で割って切り捨てると15%くらいはポイント払い出し総量が減るのではないか。その分消費者はポイントがもらえなくなる。

 Tポイント陣営から離脱して、囲い込み完了と判断したのだろうか。それとも親会社の業績悪化で送金が必要になったか。楽天も改悪続きなので流出リスクは少ないだろうが、もうポイントで釣る時代が終わった印象が強い。

 次は最近、投資がかさんで決算が悪いアマゾンが何かをするだろうと予想。

 今後もPayPay祭りは企画されるだろう。最大30%台のポイント付与をアピールするイベントである。そのうち40%だ50%だとやってくるだろうが、誘いに乗ってもせいぜい10%くらいだろうと思ったほうがいい。祭りを待って数十万数百万のまとめ買いをしても万単位のポイント還元は期待できない。

 逆に、5のつく日や日曜以外は買い物をしてはいけないかもしれない。通販の買い物は宅配料が上乗せされている。宅配に頼ると無駄をする時代がやってくる。いつでも買える、マイナー商品が買えるのは引き続き通販のメリットであり続けるが、安くて早いは過去のものになろうとしている。

 ドローン宅配、自動宅配など、新たな費用削減の決め手が現れるまでは続くのではないか。

 ヤフーそのものは持ちこたえるだろうが、BtoCでヤフーに乗っかったアスクルは大丈夫か。

 

 宅配や深夜店頭受取で評価が高いヨドバシカメラがどう動くか。

政教分離

宗教弾圧ごっこを興じるマスコミ

 参議院選挙が終わったが、自民党の岩盤支持層を崩せなかったマスコミは、テレビで連日、国会議員と旧統一教会との関係を取り上げている。
 何が問題だとは具体的に言わないし、どうすべきかについても言わない。ただし、霊感商法団体と癒着していて票を集めていることを示唆する映像をテレビは連日流す。特に与党の岩盤支持層が崩れれば何でもいいと思っているのだろう。テレビ的にもおいしい話題だ。森友学園疑惑報道と同じ手法が繰り返されている*1
 政教分離は国によって捉え方が異なる。日本の政教分離は、国が宗教を運営せず、宗教を平等に扱い、憲法の定める信教の自由が保障されていれば要件を満たすというのがわたしの考えである。憲法学者によって要件に関する見解は分かれるところだろうが、宗教団体が支持する政治団体が政党要件を満たし、与党になってもかまわないとされているのが現状である。宗教が関係する新聞が消費税の軽減税率の適用を受けることに対して利益誘導だと批判する報道機関はひとつとしてない。
 信教の自由は、法の下の平等に反しなければ個人にも団体にも認められている。選挙の候補者がどの宗教を信じようと自由ではある。ところが宗教団体の集会に参加したり、宗教団体から祝福を受けたりしたことが執拗な攻撃にさらされている。立候補者が立候補にあたって信仰を公開しなければいけない理由もなく、特に道義的な責任を負わなければいけない場面ではない。宗教団体側にも政治に参加する権利はある。権利がないとするならば法に基づいて公民権を停止すべきである。カルト宗教には適切な法を適用して立件したり、立件できるような法整備をすべきである。
 不特定多数から人気を集めなければならない仕事をしている人に対して、支持を受けるべき相手か確かめろというのは、実務上極めて困難である。温泉宿のように「反社お断り」「入れ墨お断り」と書いておくようなことをすれば許されることなのか。あるいは金融機関のように厳格な反社チェックをする仕組みを政治団体やその支部で構築しないといけないというなのか。どちらも正解ではないだろう。反社チェックの実効性を突き詰めると、運動家に落選運動をさせる手段を与える*2ことになり、かつ、それは特定の団体の収入減を与えることにもなってしまう。さらには、水面下で団体から支持を集める人だけが選挙に受かる仕組みができあがってしまい、ますます民意が反映されなくなる。創価学会公明党の関係は建前上は問題ないということになっているから、既存政党だけが許されるということにもなってしまいかねない。既得権益保護だ。
 団体からの支持を可視化するのも難しい。これも落選運動に使われてしまう。特定候補者に対して勝手に団体が応援する。選挙後に「実はこの団体は応援していたのにその事実を公開しませんでした。だから辞職しろ」と騒ぐ。候補者の政策と、特定団体の主張が一致していたら「この団体から支持を受けている疑いがある」と騒ぐ。
 よって、カルト宗教を含む宗教と政治との接近を問題にするのは難しいのではないかと考える。暴力団と同じように法的に反社会的な存在として定義しないと取り締まりは困難だ。
 自民党青山繁晴議員が言っているような、派閥が宗教票の分配をしている実態を深堀すべきなのであるが、そこはやらないで、末端議員の宗教癒着疑惑ばかり追いかけているのは、単なる揚げ足取りであり、レッテル貼りである。ただ、まとまった票を全国区の特定議員に振り分けるというのは具体的にどうやるのか不思議である。青山氏が「票を分けてください」と言えば、全国数万人の人に「青山しげはると書いてください」と指令を出さなければいけないのだが、それと似たような証拠は残っているのだろうか。自民党候補に入れてくださいという指示は出ていたというのは見かけたが、候補者名の指示はネットでは見たことがない。
 岸防衛大臣の開き直り発言は褒められたものではないが、カルトだからいけないのであって宗教だからいけないという文脈は避けるべきである。カルトだからいけないとなぜストレートに言えないのか。取材が不足していて確証が持てないからである。この人はどうも怪しい。不道徳のにおいがする。じゃあ、とりあえず、お前のかーちゃんでべそって言ってみよう。お前のかーちゃんでべそ、お前のかーちゃんでべそ。あまり上品なやり方ではない。
 マスクだワクチンだ自粛だと煽ることで宗教に目覚めたマスコミ。次の宗教ごっこは何かと言えば、他の宗教の弾圧である。批判の対象を宗教にしてしまうと、信者の結束を高め、ますます過激にする。叩けば弱くなるわけではないので、長期的にはカルト宗教の鍛錬と体力強化を助長しているかもしれない。これについて責任を取る覚悟があるのだろうか。

明朗会計だ

 報道機関は、重要な社会問題を解決する方向に議論を持っていくべきであって、議員の攻撃は些末の話である。何を論じるべきかは説明するまでもないだろう。

  • 宗教か否かにかかわらず、家計を破産に追い込み、家庭を破滅に追い込む寄付取引を一律に禁じる
  • 宗教か否かにかかわらず、一定額以上の高額な寄付に対して、寄付者の生計の安定性を調べたり、問題があった場合の返金に備えて一定期間供託したり、公開したりする仕組みの構築を義務付ける
  • 一定額を超える寄付行為は、寄付金控除を受ける意思がなくても確定申告を義務づけるとともに、宗教法人には確定申告の必要性を寄付者に説明することを義務付ける
  • 寄付のすり抜けとして物品等販売取引を装って寄付規制を回避することを防ぐため、販売行為は宗教法人会計から除外して営利団体を設立し、一般企業と同じように帳簿を作成する
  • 宗教法人の会計を可視化し、寄付金は総額だけではなく、単価×数量、すなわち、ひとりあたりの平均金額とのべ人数を公開させる

信者から寄付を受けるのも大変。お守りを売るのも大変。申し訳ないけれど、こうしてもらうしかない。寄付の可視化は意外と難しいことはわかっている。葬式もお布施も明朗会計。高額のお賽銭は現金持ち込み禁止で、電子マネースマホ決済、銀行振込にして領収書を出さなければならない。これまでのいわゆる賽銭箱の横には人が立っていて、高額投入をしようとする人がいれば「身分証明書持参で高額参拝者受付に並んでください」と叱るようになる。宗教に俗世がかなり介入してしまうが、これを避けているとカルト商法も放置になってしまう。

選挙運動は簡素にしよう

 岸防衛大臣のような保守系候補が、ボランティアを宗教団体から駆り出さなければならない状態は解消しないといけない。電話、はがき、ポスターは、SNSと電子サイネージに移行すべきだと思う。

*1:安倍元首相に対する疑惑が冤罪かどうかについてはここでは紐づけない。同じ手法が使われていると言っているだけ

*2:特定の団体に対して投票を依頼し、投票したことをSNSで拡散させれば簡単に引責辞職に追い込むことができる

ホリエモンさんがワクチン非接種者と縁切りした件

 反同調圧力堀江貴文さんが、ビジネスパートナーがワクチンを打っていなかったということでお怒りなのだそうだ。
 同伴者のマスクで飲食店から攻撃されたのと同じことをしているのがなかなか趣深いが、まずは事実関係を整理しておきたい。

  • ワクチンを打たずに2度もひどい症状になっている人がいる
  • 社会悪である
  • 「当然」縁を切った
  • 反ワクチンの人は私から離れてほしい
  • ストレスが溜まる
  • 反論は受け付けない

発言の趣旨は上記の通りだった。整理はここでおしまい。

この中で「社会悪である」の解釈が最も難しい。
不摂生によって医療費がかかっている人を罵倒した長谷川豊さんと同じ系統だろうか。
しかし、これが社会悪なら酒・たばこの方が遥かに医療費がかかっているし、酒は時には犯罪まで起こすので、優先順位としては禁酒が先だろう。
コロナは医療費がかかるのではなくて、かけなくてもいい医療費を医療業界の人が勝手に浪費しているだけであって、患者のせいではない。まさか人間にではなく空床に投資して有価証券を蓄財しているなんて思わなかった。
非接種者が蔓延を広めるという意見ではなさそうである。ワクチンは重症化を防ぐものでしかないと本人が発言する動画が残されている。
統計をどう解釈しても、オミクロンを広めているのはワクチン接種者*1であるが、それでなぜ非接種者が社会悪呼ばわりされなければならないのかが理解できない。

反ワクのせい、行政の無策のせいで社会が正常化しないという意見は今でも根強い。そもそも人間が何かをしたらどうにかなるものではない自然現象なのであり、ウィルスと動物は共生し、定期的に暴露、感染を繰り返して今日に至るのに、突然コントロールしようと考えるのに無理があるのだが、マスクワクチン信者はその苦難を乗り越える修行を続けている。2022年7月に世界最大の感染爆発を起こしたが、マスクワクチンを徹底しないからいけないのだという意見と、マスクワクチンなんかをやるから免疫力が下がっているのだという意見は分かり合えていない。リフレ派と財政緊縮派の論争のようにしばらく続くのだろうか。

ワクチン愛好家は「反ワクチン」という悪口を使う。ワクチンが危険、怖いというのは世論調査が作った概念であって、ワクチンのリスクをまじめに論じている人ほど、慎重に考え、個人の意思でと言っているに過ぎない。どこに「反」の要素があるのだろうか。堀江さんはmRNAの技術を絶賛するが、技術のすばらしさは誰も否定していない。ただ、ファイザーの首脳も今のワクチンはオミクロンには効かないと明言している。堀江さんはどうか知らないが、「アンチ反ワク」の信者さんたちはそういう話には聞く耳を持たないのに「反ワクは情弱だ」とも言う。
今年は海外旅行を止めておこうかなと言ったら、それは反海外なのだろうか。堀江さんは反マスクと誤解されてかなり迷惑していたはずなのに、なぜほかの人に反ワクチンと言ってしまうのか。

本人とビジネスパートナーがそれぞれTwiterで声明を出した後、「NHK党の立花党首と箕輪さんはワクチンを打っていない」というツイートが現れ、「彼らは予約した」と反論している。その他、様々な水掛け論が繰り広げられていてなかなか香ばしい。陰謀側にいるというツイートもある。

堀江さんに同情するコメントもいくつか見られるが、いまいち決め手に欠ける。仕事の相手を選ぶのは自由という論があるが、じゃあ、発言力の大きい人がこれまで電話嫌だ、ネクタイ嫌だと言い続けてきたのに、ここに来て自分で秩序を構築し始めるのは滑稽である。老害と言われてしまっている。

わたしは、がんを治すワクチンがあれば打ちたいし、最近はウイルスを接種してがんを治療する方法もある*2そうだが、感冒予防にワクチンは使いたくないね。高血圧の薬と同じで、1回打ち始めたら依存してしまうことは確実だから。「次は必要」「今度こそ生死にかかわる」と一生脅され続ける。免疫低下、副反応などの疑いは今後も偏見なしに見守りたい。

*1:接種者の方が広めやすいという説もあるが、いったんそこは確証がないので保留。ここでは単に日本における接種者の比率が高いから

*2:2022年7月25日NHKクローズアップ現代

スマートフォン決済で納税

 PayPayの請求書払いを使って、税金の支払いをしてみた。
 税金の支払いは支払いを忘れる心配がない銀行口座振替が最強と思っていたが、還元率の高いクレジットカード払いを試してみようと思い、いったん口座振替を解除してみた。
 しかし、クレジットカード会社からのコンタクトはメール。煩わしいダイレクトメールが来たとしても全部迷惑フォルダに突っ込んでいるので、たまに「税金をクレジットカードで払ってみませんか」とか「あなたは支払いを忘れてますよ」と教えてくれているのかもしれないが、気が付かない。
 Fintechで必要なのは、煩わしいお知らせではなくて「秘書」である。「あ、税金ですか。残高が十分あるなら気にしないでください。払っておきました」という感じにしてほしい。まさに口座振替はそういう機能である。
 最近も定期的な支払の期日が来ているのに偶然気が付いて、「ああ、口座振替じゃなかったんだ。支払わなければ」と思って通知書を見てみると

スマートフォン決済ができます

と封筒に書いてあった。
 確かにコンビニ支払いができるのであればコンビニ請求書をスマートフォンのカメラで読めばスマートフォン決済はできるだろう。試しにやってみることにした。
 例えばPayPayは電算システムという会社と提携。コンビニエンスストアの収納代行をやっている会社である。自治体がコンビニエンスストア収納代行会社と契約していれば、スマートフォン決済も可能となる。
 クレジットカード払いよりもいくつかの点で優れている。

カメラ付きのスマホで完結

 やってみたらコンビニ店員が店頭で行うバーコード読み取りと同じことをするだけ。昼休みにコンビニ払いの用紙をレジに大量に持ち込んだり、ポイントを稼ぐためにnanaco払いで店員を煩わせてレジ待ち行列を伸ばしている人がたまにいるけれど、自宅でゆっくりできる。そして、ゆっくりやってもすぐ終わる。いつでもできる。

予約が可能

 例えば、固定資産税であれば前年に税額が決定して年1回封筒が届く。そこには年4回支払ってくださいと書かれている。
 口座振替の場合は、課税明細書が届いてもすぐゴミ箱行きで問題ない。銀行口座残高さえあればの話であるが。クレジットカード払いの場合は、1年分まとめて払うこともできるが、1年近く先でいいものまで払うのはもったいない*1のであれば、年4回ネットで手続きが必要である。わたしの住む自治体の場合はカード番号を保管してもらえないので、毎回クレジットカード番号を手入力する必要がある。
 PayPayだと、予約ができる。課税明細書が届いたら自分で手続きは必要であるが、年4回分をまとめて予約できる。システム障害が怖いので、期限の1日前くらいに支払日を設定しておく*2スマートフォン決済のアプリを普段使いしていれば、クレジットカード番号に相当するものを毎回入力する必要はない。
 予約というシステムがとてもうまくできていると思う。
 残高払いしかできないが、スマートフォン決済の残高が足りなければ銀行口座から自動引き落としにすることができるので、決済失敗の可能性は少ない。結局、口座振替を使うのと同じように最後の信用の砦は銀行口座残高ということにはなるのだが、銀行に喧嘩を売りつつも銀行に頼っている決済業者はなんて図々しいんだと思いつつ、消費者としては便利なものを使うだけである。

手数料無料

 銀行は、決済をするのが本業で、預金を預かるためのサービスとして、口座振替手数料は伝統的に無料である。銀行は次々と無料サービスを有料に変えてきてはいるが、さすがにネット銀行まで巻き込んで業界が談合して有償化しなければ預金流出を招くだろう。当面無料は維持されると思われるが、ポイントは、会員制のサービスをやっている場合に限定される。
 クレジットカード会社は、手数料を取る。その代わりにポイントで還元をするのであるが、近年は還元率が下がっている。クレジットカード会社はポイントが得られることをクレジットカード払いの宣伝に使ってきたが、還元率が悪化するとポイントよりもクレジットカード払い手数料の方が高くなってしまう。
 スマートフォン決済は、どうか。手数料は取らない。しかし、ポイントも払わないという立場のようである。PayPayの場合は2022年4月以降のポイントは付与しなくなった。わざわざコンビニに紙と現金を持って行かなくていいし、ちまちま口座振替申込書を書く必要はないし、都度都度クレジットカード番号を入力しなくていいので、スマートフォン決済が銀行口座などとつながっている人にとっては利便性は圧倒的に高い。だから、銀行と同じでいいという判断だろう。新興企業であるスマートフォン決済業者はポイントを出しすぎて赤字体質である。競争力があるサービスにはポイントを出さない。

 さて、スマートフォン決済の課題はあるか。
 個人の支払いであれば便利だが、法人や個人事業主にとっては支払が終わりではない。所得税の計算などにつなげていかなければならないが、スマートフォン決済では請求書が出ない。最近は他の金融機関もペーパーレスが進んでいるが、家計簿サービスなどとの連携は十分できている。紙の領収書はもはやいらないけれど、データを外に出せるようにはしてほしいんですよね。

*1:銀行に預けていてもほとんど利息は付かないが、高額納税者であれば分納したいだろう

*2:銀行がシステム障害を起こしたら、銀行が納税者にも収納先にも平謝りで何とかしてくれると思うが、スマートフォン決済業者だとどうなるのかわからない

Rakuten UN-LIMIT VII

楽天モバイルの料金プラン、すでにバージョン7なのね。
2022年7月、一方的に契約が変更された通知が届いた。
受け取ってから8日までに違約金不要の解約を申し出る権利があるという。ただ、契約変更を断る権利はないらしい。
新しい契約にあたり、次の順序で進んでいると読み取れた。
1. 契約変えました
2. 書面を交付しました
3. PDFでも見られるように準備しています
ただ、本来なら順番を逆にすべきではないのですかね。
契約は対等なのだから、利用者側も好きなタイミングで契約条件変更を申し出ていいのかな。まあ、対等にしてしまうと相手に契約解除されてしまうけれどね。