自動計測

歯科医院で型取りをしますと言われたので、ペーストを口に入れて歯型をつくるのかと思ったが、小型のカメラで撮影して終わりだった。

歯は立体なのでさすがにワンショットとはいかず、少し時間がかかるが、ペーストが固まるまで口の中の異物に耐え続ける必要はなくなった。

 

上下のスーツを作るときも、機械の中に立って10秒待つだけで済むように体型を自動計測してくれないだろうか。

以前、体験したことはあるが、ベテランの店員さんが機械計測の後で体中に巻尺をあててくれた。自動計測した意味がなくなるくらいまで。

じっと立ったままあちこち探られるのが気持ち悪いから機械計測をお願いしたのに。

アパレル通販のZOZOがスマートフォンでセルフ測定するアプリを配っていたがやめてしまった。

歯医者ではできて、服はなぜだめなのか。

歯は近くで撮影できるけれど、服の場合は人間が別の服を着ているから、その服を避けなければ正確な体型を計測できない。体のラインを目立たなくする服があるくらいだから、カメラで外から撮影した体と実際の体の間には誤差が大きいのだろうか。

服を買いに行った先で、下着姿になるのは嫌だ。服を脱いで着るよりも、測ってもらったほうが早いかもしれない。

 

足の自動計測も靴屋で体験済だ。足なら裸足になっても恥ずかしくないので靴下を脱いで機械に足を入れる。計測は正確だろう。

ところがその後はアナログだ。靴の場合、細かな調整は中敷きに物を詰める。中敷きは足に触れるので、痛みや強い違和感がないかは、実際に履いて試さないとわからない。

何度か調整して理想の中敷きが提案される流れである。

 

自動計測では、前後左右の傾きや土踏まずの状態はわかるが、おすすめの矯正靴の形が自動で決まるわけではない。

 

裸足で測る足でさえ難しいのだがら、服はもっと難しいだろう。

人のそばで働く仕事は、なかなか機械に置き換わりにくい。

技術が進んでも解決しにくいのかもしれない。