デジタル化が遅れる地上波放送

 久しぶりにEテレで将棋のNHK杯を見たら、対局中の優劣判定を表示するようになっていた。両者の勝利確率をAIに計算させて数字て表示するものだ。
 コロナ禍を機に、和室での対局から洋室に変更したが、新しいスタジオは安っぽい印象である。そこで収録した映像に字幕で優劣判定の棒グラフを被せているのだがデザインが合っていなくて浮いた印象である。
 Abemaではかなり前からやっていたので、ようやくデジタル化に着手したといえよう。ただし次の指し手の推奨を表示するなど、Abemaの方が引き続き情報量が多い。NHKは伝統を崩さないように盤を使った棋士による解説を引き続きメインにしたいようだ。Abemaの解説者はAI表示を常に気にしながら解説する。
 AIが人間よりも強くなった今日。将棋やチェスは、人間が精神力を維持できるかどうかの戦いになっている。ロボットにやらせれば精巧にできる競技をあえて人間がやることで、観戦者はプレッシャーに打ち勝つ過程を楽しむことができる。
 対局するのは人間でいいけれど、解説するのはAIでいいのではないかと思う。
 Abemaはよくわかっているけれど、NHKは遅れていると思う。
 Abemaでは、すでにニュースの読み上げもAIが読んでいる。人間のアナウンサーを不要としていない。
 テレビは放送波のデジタル化までは進化を感じていたけれど、データ放送では4色ボタンを用いた双方向通信や、簡易なゲームくらいしかできていない。世間で言うところのデジタル化には乗り遅れている。振り返ればホリエモンにフジテレビを買ってもらったほうが業界のためにはよかったのではないかと思う。

日本医師会会長、政治資金パーティーに出席

 コロナカルト宗教は解散していただきたい。

 日本医師会の会長が記者会見をして外出自粛を訴えておきながら、自らは政治資金パーティーに出席。

 パーティーとほ言っても、仕事だというのはわかっているし、遊んでいるとは言わない。

 ただ、他人に向かって仕事を止めろと言っておきながら、自分だけ仕事を続けますというのはどういうことかね。

 周りが止めないのもさっぱり理解できない。

 恐いぞ恐いぞ自粛だ自粛だと煽り続けてはや1年。

 

大事な写真をどこにしまうか

 思い出の写真は、個人にとってなくしたくないデータのひとつである*1。近年はビデオも媒体ではなくて不揮発性メモリーやハードディスクに格納することができるようになった。なので、コンピューターのファイルと同じように扱うことができる。
 最近はクラウドの方が安全で管理の手間がないと言われている。しかし、わたしは家庭用NASを使っている。

  • クラウドのいいところ
    • 保管場所が安全
    • 管理の手間が少ない
    • 常に誰かが見張ってくれる
  • 家庭用NASのいいところ
    • 継続料金は不要で、電気代のみ
    • 大量アップデート、大量ダウンロードのときに通信回線を使わなくてよい

 これからパソコンを始めるという人にはいきなりクラウドを勧めている。MicrosoftでもAppleでもGoogleでもその他でもいいのだが、スマートフォンやパソコンを使い始めて、機械から言われるように操作していると自然と始められるようになっている。サービスを使わせたいというのもあるのだが、個人向けの機械を売っている側からすると「データが壊れた」とクレームされるのはとても面倒くさいのである。だから、比較的初期の段階でクラウドを使いませんかと言ってくる。あるいは、こうしてください、ああしてください、と指示に従っていると「最初の数ヶ月は無料ですから」といつの間にかサービスに入ってしまうこともある。自然と始めてしまうため、何をどこに置いているのかわからなくなって泣きついてくる人がいるが、以前よりは「突然消えました」と言ってくる人が減ったのでそれよりはどこかに置いてある方がましなのだと思う。
 保険の営業に「あなたはどんな保険に入っているんですか」、車のセールスマンに「あなたはどんな車に乗っているんですか」、不動産屋に「あなたはどんな家を買うんですか」と聞くのと同様、「あなたは大事な写真をどこにしまうか」と聞かれたら答えと理由を持っておこうと思う。
 クラウドがどんなに安全で信頼できるものであったとしても、クラウドにしてみれば「他人のデータ」である。そして、とても重要な情報を扱うときに大事な考えは「もし失ったときにより納得できるのかどちらか」ということ。
 失ったら絶対に復元できない情報において、何%の確率でデータを守ってもらえるかは関係ない。ある程度、しっかり守る必要はあるが、お金をかけて完璧にするのは意味がない。どんな保管方法でも壊れるときには壊れる。
 「壊れました」を起点に、どうなるかをシミュレーションしてみる。最悪の状態になったときに、どんなことを感じるか。
 クラウドサービスから「あなたのデータを紛失しました」という連絡が来る。他人が提供するサービスを使っているときには、サービスが壊れる予兆を把握することはできない。「いやあ、うちのサービス、もうすぐ壊れちゃうかもしれないんですよ」なんていうことはありえない。「もうすぐ終わってしまいます」という連絡も見過ごすかもしれない。突然終了するかもしれない。
 こうなってはどうしようもない。問い合わせ窓口に文句を言うだろうか。データセンターに押しかけてなんとかならないか懇願するだろうか。そんなことをしてもデータを返してくれないのではない気がする。
 家庭用NASの場合、一度に2箇所に書き込むことができるし、もう1台買ってコピーしておくこともできる。クラウドも同じことをやっているのだが、繰り返すがあくまでも他人のデータである。きちんとやっているかどうかを確かめる手段はない。手元にあれば確実に自分で確認ができる。
 なくしたときに、自分のせいだとあきらめる方が個人的には合っている。他人のせいだと思ったほうが楽なのであればクラウドもいいかもしれない。
 ここまで書いたが、実は家庭用NASのバックアップはクラウドに置いてある。やはり、自宅での保管は不安定だし、家にいないときは管理がおろそかになる。
 別の場所、別の管理者の分散するというのが一番よい。
 データを消失させてしまう原因として、残すべきデータをいらないデータと勘違いしたり、誤って消してしまったりすることがある。なので、サブのクラウド側は作成されたデータを受け取るだけで、送信元から消えても消さないように設定してある。
 メインとサブを逆にしたほうがクラウド料金を節約できるが、たぶん、クラウドをメインにしてしまうと、手元でのバックアップ作業をおろそかにしてしまうのではないかと思う。自分の性格も含めて、持続可能なやり方を選ぶべきである。
 今のところは手元で管理できる家庭用NASをメインとする運用を続けるつもりだ。

データ消失の原因
  • 自然劣化
  • 天災
  • 不安定な停電による損傷 (落雷、停電、断線)
  • 温度異常
  • 落下等による損傷
  • 誤作動
  • 誤操作
  • 誤った破棄
  • 故意の破壊
  • 利用サービスの終了
  • 読み取り方法の喪失*2
  • 読み取りソフトウェアによる読み込み時の改変*3
  • 暗号鍵の紛失
  • 不正プログラム(コンピューターウィルス等)による破壊

*1:金銭価値の高さという観点では、ビットコインのハードウェアウォレットのパスワードを思い出せずに巨万の富を取り出せずに悩んでいる人がいる。ただ、データそのものを復元したいという意味では家族などの映像や画像の方がまさるのではないか

*2:8mmビデオやVHSテープの読み取りが難しくなりつつあります

*3:最近のMicrosoft 365は、読み込み開始と同時に自動保存を開始してしまうが、勝手にタイムスタンプを書き換えてしまうので、長期保存中のファイルを開く場合は必ずコピーを作成するとよい

モバイルSuicaアプリ リニューアル後の感想

 JR東日本モバイルSuicaアプリが予定通りリニューアルした。
 リニューアル後にバグがたくさん出てお知らせ欄がお詫び続きだったのは予定通りではなかったのかもしれない。
 肝心の使い勝手はどうなのか。

なかなか使わせてくれない

 わたしの端末は、2021年3月現在でAndroid 11が動くので、そこまで古い機種ではない。それでもアプリの起動に20秒かかる。

ピロピロピロロロロン、まもなく、〇番線に、快速、〇〇行きが、まいります。危ないですから、黄色い線の、内側に、お下がりください。

JR東日本の駅で流れる自動放送が20秒である。これ全部聞くまで起動しないよかよと思う。直前に席を取ろうとしている人は焦る。
 起動時に自動ログインする機能があるため、ログイン操作をする時間は短縮されているものの、体感時間は長くなる。そして、ログインするということは通信が発生しているので、通信環境が悪ければさらに伸びるかもしれない。
 ちなみに、この文書を書きながらアプリを実際に操作して試してみたところ、

モバイルSuicaアプリを最新版(ver.6.0.x)に更新してください

というポップアップが現れた。急いでいるときにいらつかせる画面を増やしている。しかも

このメッセージは、既に更新をお済ませの場合も表示されます。

という注意書きも発見した。ということは、毎回これが出るということか。オプトインで表示できなくすることもできるが、不具合の影響を受けない人、そして、もう更新を済ませた人にまで一律にバージョンアップのお知らせを見せる必要があるのか。

高頻度利用客への冷たい仕打ちは相変わらず

 JREポイント還元によるSuicaグリーン券受取りのときに、登録したお気に入り区間から選択する機能は実装されなかった。これが非常に残念。
 お気に入り区間を登録しておけば、東京から横浜までいつも乗っていますという人は毎回、東京と横浜を選択する必要はない。
 しかし、毎回お気に入り区間を指定してグリーン券を買い続けていればJREポイントがたまり、そのポイントをグリーン券と交換できるようになる。
 ポイント還元を利用する上得意客に対して、その受取りの時だけは東京と横浜を自分で入力する必要がある。
 普通、飲み屋で常連になったら、名前を憶えてくれるし、好きな料理も勝手に出してくれるかもしれない。
 普通、ホテルで常客になったら、好みの部屋について毎度聞かれることはない。
 でも、モバイルSuicaアプリは、ポイントを使うため課金しない客に面したときだけ記憶喪失になり「はじめまして。あなたはどこからどこまで乗りますか」と聞いてくる。
 そのときだけたまたま違う区間に乗るかもしれないし、いつもは料金節約のために短い区間を選び、還元のときだけは長く乗りたいという人もいるとは思う。新宿から逗子へ移動するときに、湘南新宿ライングリーン車を利用すると50kmを超えるので1,000円になってしまう。朝の横須賀線下りであれば、武蔵小杉を越えればグリーン車以外の車両もがらがらになる。思い切って今日だけ奮発しましたという場合はともかく、時々使っちゃうんです、という人の場合であれば、途中からグリーン車ではなくてもいいや、という人も少なくないだろう。ただ、ポイント還元では短くても長くても消費ポイントは同じなので当然、下車駅まで乗りとおすことになる。ただ、これは例外の話。
 でも、いつも乗っている区間でいいですか?と聞いてくれてもいいじゃないか。
 なぜ普段はいつも乗っている区間を登録できるのに、ポイント還元の時だけだめなの?

意味が分からない

リニューアルしてもこれなの?
 「フィーチャーフォン時代に作成した画面をそのまま使っていたので、これまでは使い勝手が悪い画面がありました。」ということになっているが、それはいいわけだと思うんですね。
 実際の利用者にテストをお願いして、評価を受けるという作業をさぼっている。
 これはこういう機能で、こういう条件で、こう動かなければならないので、こういう画面になるんです、と、立て板に水のように開発業者から説明を受けて、ああそうですか、と承認印を押したしか思えない。
 アプリリニューアルに合わせてシステムの計画停止を行ったが、きっと利用者が検証するための環境もないんだろう。
 だって、数年に一度のリニューアルで、この出来ですよ。
 こんな会社にはMaaSには無理ですよ。JR東日本はデジタルトランスフォーメーションを実現できず、別の会社が「旅客乗車券統合」や「移動サブスク」を牛耳ることになる。JR東日本は、グローバルのプラットフォーマーか、国内の大手ECに、薄利の乗車券を卸すだけの存在になり、体力を落としていくことになる。
 エキナカビジネスも、まだ焼き畑農業的に続けているけれど、コロナのせいでますます成熟期が早まったのではないか。すると、固定資産による固定費負担と改装費負担が重たくなるだけで、まもなくシャッター通りが現れると予想している。作るのは得意でも、リニューアルは苦手な会社なので。
 イオカードICカード化を目指してSuicaを作った先駆者たちは、この現状をどう思っているのだろうか。
 もう少しがんばってください。ところで、開発業者は誰なんですかね。

時代は速くなっている

 仮想通貨なんて長続きしないからやめた方がいい、という話をよく聞きます。
 SDG、サスティナビリティというのが流行っていて、その観点から言うと仮想通貨、すなわち暗号資産のうち、ビットコインは永続的ではないと思います。さらに言うと、遠い将来には確実に終わることが決まっています。
 でも、遠い将来に終わるといえば、太陽だってすんごくすーーーんごく遠い未来には燃え尽きるとされています。この世において永遠に続くこと、それは「かつて過去が存在した」という事実だけです。
 大英帝国の繁栄は100年続きました。アメリカは半世紀にわたって繁栄した後、日本に経済大国の座を追われそうになりました。日本は高度成長から四半世紀経って失われた20年を経験し、中国に経済大国2位の座を渡しました。高齢化、覇権主義などが課題となる中国共産党は経済成長を続ける途上国の座を維持し続けられるのでしょうか。
 貝殻はかつて貨幣の機能を持っていました。今でも発掘できます。紙幣もある程度は保存が効くと思います。でも、電子マネーは後世に発掘されるでしょうか。不揮発性メモリーに保存しても、読み出しが難しいのではないでしょうか。テクノロジーはどんどん複雑になり、開発のサイクルが早くなり、古いものはすたれていきます。
 写真や動画の解像度が上がれば上がるほど、容量が増えていきますが、データの読み取り速度はそれほど速くなっていません。わたしたちは最近紙や磁気テープを使っていませんが、ハードディスクやメモリーで、昔の思い出を長期保存できるのでしょうか。IT業界はデータは爆発的に増えると言っていますが、古いデータが壊れないという前提で話をしているような気がします。
 文学も音楽もファッションも、どんどん新しいものが作られるか、古いものが見直されるかのどちらかです。
 レコードは今でも大事にしている人がいますが、MD(ミニディスク)はいまどこに再生機があるのでしょうか。
 人類は、過去作ってきたものよりも、長く残るものを作れなくなっているのかもしれません。そして我々が住む社会ですら永続的ではないとして、サスティナビリティが関心を集めているのです。
 するとですよ、これから生み出される発明は、長続きしないことが当たり前なんです。
 するとすると、長続きしないから手を出さない、というのは、今後盛り上がる可能性のあるものにはもう手を出さない、ということになります。
 投資であれば、バブルだと言われようが、それに乗らなければ投資はできないのです。今買っておけば50年後も安心安全なんてものはもうないのです。次のものに乗り換えていく、それだけです。

小池都知事の価値がなくなった日

2021年3月18日19時半、都知事記者会見。
www.youtube.com
本来目標とすべき医療体制の充実については病床5,000を強調。1千万都市で5,000ですか。今年1月に記録した最大が3,500弱だが、なんだか一桁足りない。医療機関に調査をかけたそうだが、最大どこまでいけるかと聞いて? 脅して? ようやく5,000。
ということで、やはり何もできなかったと認定せざるを得ない。
地域に偏りがあったら意味がない。さすがに離島まで完璧にやれとは言わないが、本州のすべての市区町村の医師会に「受け入れ体制万全」と言わせるのがゴールなのではないかと思う。
検査についても長々述べていた。検査の効能は保健所を過労にすること以外に現状は認められず、保健所の人が徹夜で集めたデータも全く生かせていない。ITを取り入れようにもCOCOAでさえ全く機能していないので、どうあがいても地域全体の蔓延防止には全く役立たない。それをもっとやると言っている。だから、これも税金で占いと広めましょうと言っているにすぎない。正月に初もうでが減って使われなかったおみくじを街頭で無料配布するのとまったく変わらない。おみくじで凶が出たら神社にお納めして忘れることができるが、レッテルを貼られ、入院しろホテルに待機しろと言われるだけである。そんな検査は何もうれしくない。
補助金の話もいくつかあったが、申請開始は4月下旬というのもあったりして、ここは緊急じゃないのねと。
斬新だったのは

コロナ対策リーダー事業

という官製風紀委員制度。「こら、マスクをしてください」とかいう人を店に置かないと補助金を出さないそうである。
知事発言が終わり、記者からの質問に移ると、現状について見解を求められたが、はぐらかして答えない。数日前にはさまざまな観点から分析をしていると記者に話していたが、分析の成果は何も出てこなかった。

だいたい想定通りだったが、風紀委員以上に想定外だったことがある。
新しいキャッチフレーズが何も出てこなかったことだ。
あえていうなら「リバウンド防止期間」か。
しかし、その防止策が風紀委員と21時閉店に過ぎず、これではインパクトがない。
たぶんこれで、小池さんの会見映像はテレビで使われなくなっていくだろう。石原元都知事がだんだん使われなくなっていったのと同じパターン。
オリンピックには近づかないようにしているようであるし、感染爆発が復活しない限り、小池都知事が再び脚光を浴びる日は来ない。さあ、与党はどうする?

小銭

 最近は、月3から5回くらいしか小銭を使わない。1週間に一度、あるかないかである。

  • コインパーキング
  • 現金払いしかできない病院
  • 賽銭

 小銭入れを持ち歩きたくないがたまに手にしてしまうと大変。なぜか数分でなくしてしまう。
 きょうは車のドリンクホルダーにちょっと置いたが、数十分経ったら1枚消えていた。なくしそうな所を思い出そうとするがわからない。「別の買い物をしたことを忘れたのだろうか。いや、そんなはずはない」と自問自答もしてみた。結局、ドリンクホルダー付近の物の間に挟まっていることがわかったのだが、

現金はなくす

電子マネーの方がいくらでも使いそうになってしまうという人もいるが、個人的にはなくすストレスの方がはるかに大きい。財布に入れればいいと言われそうだが、財布を日常使っていると、財布を落とす。財布は鞄の奥底に入れて、どうしても使うとき以外は取り出さないというのが最もいい。電子マネーなどのポイントを集めるのは好きではあるが、ポイント集めというよりは現金が嫌い。
 お金の使い過ぎに注意したいのであれば、どういうタイミングでどれだけお金を使っているかの全体像を把握することが大事である。現金だとちまちま家計簿を作る時間を作らなければならないが、クレジットカードなどであれば勝手に家計簿ソフトが作ってくれる。
 ドリンクホルダーに小銭置いたきっかけに時間を巻き戻すと、どうしても小銭を作らなければいけなくなって、じゃあ、ジュースでも買おうかとなった。それ自体がもったいないのであるがそれはさておき、コカ・コーラのCoke-onというアプリを起動して、自動販売機につないで、千円札を入れてコーラを選んだら、ポイントが当たった。
 このとき「お釣りを忘れずに受け取らなければ」という意識が働き、返金口から小銭を取り出してから、スマホを見て、どんなポイントが当たったのかなと確認し、あれ、他のキャンペーンもあったのではと思いながらあれこれ見たが「あれ、くじが引けるはずなのにおかしいな」などと思いながら歩いていた。スマートフォンは立ち止まってみましたよ。
 この後、何か忘れているような気がして、しばらく思い出せずにいたのだが、

あ、コーラを取り出すのを忘れた

と気づいた。走って自動販売機まで戻ってコーラが他の人に持っていかれていないことを確認してほっとしたのだが、アプリに夢中になった自分に反省しつつも、アプリを使うときはお金を入れてお釣りを取り出すというかつて当たり前だったルーチンは通常行っていないんですね。アプリの特典で買うか、スマホ決済か、おサイフケータイ自動販売機にかざすかくらい。