航空機内で電源を使う

 空港の出発ロビーに行くと、出発の直前までパソコンを使っている客をたいてい見かける。
 航空会社ではニーズに応えて、航空機内でもWi-Fiと電源を備える機材を増やしている。2019年頃からというが、一部機材に限定なので運次第である。
 機内にはモニターの設置も減り、客のスマートフォンでエンターテイメントを提供することが少なくないので、どちらも重要だ。
 ビジネス客だらけであればともかく、Wi-Fiはインターネット接続もかなり安定してきているので、機内で仕事をすることも十分可能だ。
 エンジンの騒音が大きいとは言え、キーボードの打鍵音や画面の光で周りの迷惑にならないようにしながら使いたい。
 なお、庶民なので普通席を中心に述べる。

ANAは100V電源コンセント

 充電アダプターを持って行ってパソコンやスマートフォンを使う。コンセントの場合は、パソコンとスマートフォンを同時に充電できる可能性があるが、60W程度なのであまり高性能な機種を持っていくと出力が足りず、機内では使えなくなってしまう。

JALはUSBポート

 普通席でも、USB-A、USB-Cのポートが座席下などにある。ひとり1つではなく、3人に2つの場合があるので注意が必要。確実に充電したい人は早めに搭乗して隣の席の人にポートを先に使われないようにする。USB-AとUSB-Cのポートを同時に使うと電流が小さくなる可能性があるので、ほかの人が使っているポートのもうひとつの空きを使うときは断ってからにしたい。
 USB-Cの方が高出力である。手持ちのデバイスがUSB-Cなのか、ライトニングコネクターなのかを確認してあらかじめケーブルを用意する。パソコンの電源端子がUSB-Cになっている機種が増えているが、機内の充電ポートは一般的なノートパソコンの充電ができるほどではないので、タブレットとキーボードの組み合わせもお勧めである。パソコンの人はANAを選ぶかもしれない。

荷物が増えないようにする

 例えば、USB-Cのポートを持つデバイスであれば、「USB-AまたはCコネクターが挿せる小型のACアダプター」と「長めのUSBケーブル」を用意する。
 ACアダプターは、本体部分がかなり小さくても高出力の製品が通販などで買えるようになってきた。しかし、小さくなったからといってアダプター本体にプラグがついていて電源コンセントに直挿しするタイプのものはコンセントから外れるおそれがあるので、コンセントとアダプター本体をつなぐ短い延長ケーブルがあると便利である。使わないときは外せばよい。ケーブルは、USB-C←→USB-Cのものと、USB-A←→USB-Cのものがあるとよい。なお、空港はUSB-Aポートがほとんどだと思われる。
 幼い子供を連れている場合、普段はスマホを与えすぎない方がいいとは思うが、飛行機の中でおとなしくしてもらいたいならばアニメを見せるのが一番である*1。子供の人数だけデバイスと充電グッズを持っていくと荷物が増えてしまう。ケーブル類は意外と高いけれど、使いやすく収納しやすいものを選ぶと機内でくつろぐことができる。

古いデバイスを持っていかない

 航空機の電源は鉄道や車に比べて安定しない。数分ごとに充電が途切れることもありうる。機内でデバイスを使うときは、電圧の変化に対して挙動が乱れるようなスマートフォンタブレットを使っていると厳しい。動画を見ているときには映像が途切れたりするかもしれない。2台持ちの人であれば、搭乗まで使っていたデバイスを充電だけして、別のデバイスを機内向けにすることが考えられる。
 充電を開始すると音が出たり光ったりアニメーションが出たりする機種があるが、搭乗前に無効にしておくことが望ましい。
 充電中にデバイスを持ちこんだ人が寝てしまい、隣の人にだけ音や光を送り続けしまう事態は避けたい。

もし充電できなかったら

 上級クレジットカードを持っていれば無料で使えるラウンジに行く。出発前だけでなく到着後も使えることが多いが、地方都市に到着した場合は到着時刻に合わせて空港バスが出発してしまいがちなので到着後ものんびりできるかは接続交通手段の確認が必要だ。仕事の出張の人は同行者と到着先で待ち合わせる場合もあるだろう。ラウンジはうまく使いたい。レンタカーであれば、充電ケーブルを持っていけば最近はシガーライターの代わりにUSBポートがついていることも少なくない。
 モバイルバッテリーを持ち込む手もあるが、パソコンとは異なり周りがあまり覆われていないので、落としたりしてダメージが大きいと発火することがあるので特に航空機に乗るときはお勧めしない。容量の大きい製品は持ち込みが禁じられている。電池の持ちがいいデバイスを使うのが一番だ。

*1:種類にもよるが、ゲームは騒ぐ原因になるかもしれない