真夜中の事件
ビジネスホテルに宿泊中、真夜中に起こされた。
部屋に置いてあった目覚まし時計が鳴ったのである。
そこに目覚まし時計があったことすら知らなかった。つまり、わたしが鳴るように設定したわけではない。
寝るためにお金を払っている。宿泊代を半分返してほしい気分である。
目覚まし時計は昔からある置き型のもので、つまみを回して針を動かして、音を鳴らしたい時刻を設定する。
なぜ鳴るように設定された状態で時計が置かれていたのだろうか。
掃除係の人のいたずらという可能性はいったん考えないようにする。
目覚まし時計にはスヌーズ機能がついている。二度寝を防ぐために、ボタンを押した数分後に再び鳴る仕組みになっている。
例えば、前に部屋を使った人が何度もスヌーズ機能を使ったかもしれない。あるいは少しでも長く寝ていたかったので鳴った直後に部屋を出たかもしれない。すると、目覚まし時計は解除されないまま12時間後を迎える。
そして、なぜ真夜中の時刻が指定されていたのか。デイユースだったのだろうか。あるいは少しタクシーに乗れば空港に行かれる場所だったので、空港勤務の人などが実際に真夜中に起きる必要があったのだろうか。
いろいろ考えさせられたものの、最後には
この部屋に目覚まし時計が必要なのか?
というところにたどり着いた。
備品を減らそう
かつての旅館は、壁やベッドサイドに、デジタルのアラーム時計やラジオが埋め込まれていた。部屋の内装をリノベーションしていても、こういうものがあると古臭い。
時計は夜は少し照度が下がるものの、夜寝るとき邪魔だったりした。普段使い慣れない装置で、完全に消えてしまうと、今度は本当に朝作動するのか不安だったりした。
今はスマートフォンがあるのでこれらはいらない。いらないなら使わなくていいだろ、ではない。使わないものは部屋に置いてほしくないのである。
スマートフォンと言えば、昔ながらの携帯電話の充電口に対応したケーブルを備品で置いてあるホテルもあるが、もうこれもいらない。机の上で充電するのではなくて、室内にいるときに使いたいのだが、ケーブルが短いので机まで行かなければならない。
スマートフォンのような端末を貸し出してくれたり、部屋に最初から置いてくれているビジネスホテルもある。持っているスマートフォンでホテルのWi-Fiにつなぐとセキュリティが不安だし、持っているスマートフォンは充電をしたい場合もあるので、たまに便利だなと思うことはあるが、長めのUSBケーブルを持っていけば十分である。
先に書いた目覚まし時計のように、宿泊者の邪魔をするものまである。部屋に置かなくていいから、希望者にのみフロントで貸し出すようにしたらどうだろうか。
男性がビジネスで少し長めの出張をすると、パンツプレスやアイロンが欲しくなる。インターネットのサイトで調べて貸してもらえるホテルを選ぶのだがひとり1台あるわけではないので、実際についてからは他の人が使っていないかどうかの運である。大きい板にスラックスをはさむ仕組みのものは、しわを取るのに時間がかかるので、普通、セットしたまま朝まで寝てしまうと思う。遅いチェックインだと、在庫が心配である。
貸してもらうことを前提にするよりは、しわになりにくい服で出張をする方が運に影響されずに楽である。おふろに入った後、湿気がある浴室に吊るしておけば朝までにはしわが取れる。
ホテルの全館空調は乾燥することがあるので、加湿器があるとありがたい場合もあるが、残念ながら中がほこりやかびで汚れていたら使いたくない。おふろにバスタブがあればお湯を張って扉を開けておけばよい。今は春なので、わたしとは違って、ひどい花粉症の人にとっては空気清浄器を家から持ってくることはできないので、どんな空気清浄機でもいいからあった方がいいと考える人はいるだろう。
部屋設置のテレビが大型化しているが、テレビなんていらないと思う人が増えてくるのではないか。
特に温泉宿やリゾートに行って、だらだらテレビを見てしまうと、せっかく遠出したのに自然の景色を楽しまなかったら普段と変わらないではないかと後悔してしまうことがある。
家にテレビがないから、ホテルにいるときくらい見てみようという人もいるだろうが、逆にデジタルデトックスをしたいという人が増えてくるだろう。
ゲーム機を持っていったら友達とのお泊りでは時間を気にせず楽しめるけれど、大画面である必要もないかもしれない。スマホで充分である。
NHKの受信料を払うコストがあるなら宿泊代を安くしてほしい。
宿泊出張において、ホテルの備品が充実していることをかどうかは大事だった。
ただし、出張慣れしてくると、どちらかというと、広いベッドとか、うそ禁煙でないか*1とか、静かかどうかとか、基本性能を重視することが多くなったように思う。
*1:大浴場の前に喫煙所とか、エレベーターホールの前に喫煙所とか、禁煙室にいてもたばこの煙を浴びるのはどうかと思うよ