Google Pixel Fold 半月後レビュー

前回。
lqh.hatenablog.com

秋が近づくにつれ、ガシェット業界はiPhoneGoogle Pixelの新製品の話題に切り替わると思われるが、わたしは20ウンマンの機械を買ってしまったのでしばらくこれでおなかいっぱいである。

Google Pixel Foldを半月くらい使ってみた。
悪いところも見つかってきたが、クラシックカー輸入車が好きな人が、壊れにくい日本車を選ばず、こだわって所有するのと似ていて、悪いところも含めて付き合いを続けているような状況である。

書き物には向かない

自動回転を有効にしていると、意図しないタイミングで画面が回転してしまう。センサーが悪いのではなく、端末が重たいので自分の腕が水平を保っていられないのである。
ただ、回転しないと最適な表示が得られない場合が合って、回転を無効にしてしまうのも使いづらい。
画面回転の有効無効、外画面と見開き大画面の切り替えをガシェットなどを用いて明示的にできるようにしてほしいんだよね。何か方法があるだろうか。
通常のスマートフォンでは発生しない、外画面、見開き大画面切り替えが発生する。見開きも折りたたむ位置が縦に来る持ち方と、横に来る持ち方があり、さらには縦に来る場合は画面分割も可能なので、1台で4種類以上の画面モードを搭載していることになる。これによって、ソフトウェアの相性の問題が発生する。
画面モードが切り替わると、Android OSが画面を再描画して画面表示を最適化しようとする。再表示を利用者の判断に任せて、タップで手動実行させる便利機能も搭載しているくらいである。
ただ、再表示してしまうとデータまで再読み込みしてしまうアプリが存在する。

例えば、このはてなブログを編集するはてなブログアプリである。
編集モードを使って文書を書くとする。入力中、ちょっと鼻の頭、あるいは背中がかゆくなってきたなと思って、かいたとする。
→これだけで水平状態が乱れる。
→画面が自動回転する
さて、何が起こるか。

編集中の内容がすべて初期化されるのである!

驚いたよ。
先に再読み込みと書いたが、処理的にはアプリを再起動しているようである。
編集中にアプリを再起動したら、そりゃ、データは消えますわな。

はてなブログアプリには自動バックアップの機能があるので「復元しますか?」と聞いてくるが、ここで操作を誤るとこれまでの入力、編集が無駄になる。


そして、見開き画面のためにGoogleが設計した入力パッドもいまいちである。

編集画面の半分がパッドに覆われることがよく言われるけれど、「あ、か、さ、た、な」のフリックボタンが外画面よりも小さい。
見開きだと左右の親指で操作する人が多いと思われるが、この大きさだと隣を押してしまいそうになる。
訂正の頻度が高い。
これは慣れの問題かもしれないが、入力頻度の低いアイコンがパッドの上部にまとめられているけれど、これを空いている中央付近に追いやってもらって、主要な入力キーを大きくするか、間隔を広げてもらいたい。
あるいは、見開きでも片手で入力するモードがあってもいいのではないかと思う。


以上、ソフトウェアの相性と入力パッドの2つにより、見開きモードは書き物には向かない。
漫画や動画を移動中に見るのには向いているけれど、入力はGoogleが提供するアプリ(Chromeブラウザを含む)を使用し、リアルタイムでクラウドにアップロードするタイプのものを使った方がよさそうである。
ただ、通信が不安定だと常時アップロードはフリーズの原因にもなるので悩ましい。
そして、見開きではなく、外画面を使うのがいいだろう。

ワイヤレス充電

家電量販店で、通電しているワイヤレス充電器を片っ端から試してみた。接続済みと出るだけでワイヤレス充電が開始されない機種がほとんどだった。
動画を再生しながら、立てかけ型の充電器でバッテリー補充できるのが理想だったが、、動画再生とバッテリーの発熱で、自動で充電が中断されてしまうようである。

平置き型の充電台に一晩置いていたが、接点がずれていたのか充電できなかったという話はよく聞くが、
わたしの場合は、iPhoneで十分実績のある立てかけ型の充電器を使用したが、60%が80%程度に回復しなかったことがあった。
80%のしきい値は適用される場合とされない場合があるのがわかりにくく、設定を様々試してみたが法則が読めない。今日は長い時間持ち歩きたいという日は100%まで充電してほしいのだが、そういう場合は有線充電に限る。
これしか書かないと「アダプティブ充電をオフにしてみて」とか「ケーブルを取り替えてみて」とか「発熱していたのでは」とか、いろいろコメントしたがる人がいると思うのだが、
本来、ワイヤレス充電は「置くだけ」という手軽さがいいのであるし、長らく家庭や会社に存在していたコードレス電話機や携帯電話ではクレードルに置くだけで気をもむことはなかった。
ワイヤレス充電が弱いのはPixelシリーズの伝統らしいのだが、弱いと言われてからしばらく経つのでそろそろなんとかしてほしい。

  • 現在、インフルエンサーの方が投稿したPixel Fold事前レビュー動画でおすすめとされていたAnkerの充電台を使っているが、いくつか注意点を守らないと一晩置いても充電されない。充電台の通電表示が切り替わっただけでは安心できないのがつらい。
    • 動画アプリなどは停止し、画面も待ち受けにして消費電力を下げる
    • 画面は閉じた状態にする*1
    • 置くと「**%」という表示なるが、「**%・ワイヤレス充電中」に切り替わるまで時間がかかるので、切り替わったことを確認する
  • 個人的な家電量販店テストでは、KomatechあるいはFREEDYというブランドの10W, 15Wタイプがワイヤレス充電モードになりやすかった。その売り場で、充電器がQuick Charge対応のACアダプターやケーブルになっていたかどうかはよくわからない。ただしFREEDYは充電アダプター同梱なのでQuick Charge対応という点では確実だ。

NFC

読み取りは完璧である。

カメラ

標準モード用のカメラレンズ以外はいまいちだった。吉田製作所さんの意見に流されているかもしれないが。

下部アイコン

外画面では下部に4つのアイコンを並べられる。
見開きにすると、最近起動したアプリを追加で2つ並べられる。
iPadMac OSみたいな使い方ができるのはありがたいが、スペースが空いているのでできればもう少し増やしてほしい。

アプリの切り替え

アプリの切り替えが少し億劫である。

修理代金

Google 正規サービスプロバイダ」を名乗るiCracked社のサイトで修理料金を確認。
www.icracked.jp
このページは時間が経てば変わっていくだろうと思われるが、インナーディスプレイの欄を見てびっくり。

  • 部品は取り寄せ
  • 保護フィルム交換は別途有償。かつ郵送修理のみ受け付け
  • そして、値段は合わせて16万越え
    • インナーディスプレイ 148,500円
    • フィルム 14,080円

そんなの、絶対修理しないよね。買い替えた方が早いもん。
持つのであればキャリアの保障に加入するのは必須である。大金持ちを除いて。
ちなみに、カメラなど、インナーディスプレイとフィルムを除けばiCracked社への持ち込み修理が可能であるが、その店舗は大都市に限られる。地方だと難しい。

衝撃耐性

難度か机から落としたが、今のところ無傷。落としたらすぐ壊れるというほどひどくはないと思う。
おサイフケータイにもしているので、壊れないことを祈りたい。

*1:縦型のスマートフォンを想定した設計だから、画面を開いた状態だと充電コイルの位置が遠くなってしまう