読んで楽しくない旅行記

夏休みに会津に行った。楽しかった話はプライベートなのでさておいて、気になったことをまとめる。

乗るまでに一苦労

 行きは半蔵門線の渋谷から浅草へ行こうとしたが、乗り換えが面倒だったのでそのまま半蔵門線で終点の押上へ。実際は東武線始発駅の浅草まで銀座線で行っても乗車時間はそれほど変わらない。
 乗ったのが急行南栗橋行きだったので、そのまま東武スカイツリーラインに乗って行っても良かったのだが、パスモが使えない路線でパスモの精算をするのが面倒だったので地下鉄の終点でいったん降りた。特急リバティに乗るためにとうきょうスカイツリー駅に向かう。
 せっかくだからソラマチに寄って行こうかと思ったが朝早すぎた。営業時間前で入れない。
 現在の押上駅付近は工事中で、線路沿いの仮通路をくねくね歩いた。工事中なのだから、ソラマチを通路として開けてくれればいいのに。
 5分ほど歩いて駅に到着。
 切符を買おうとしたが、改札外の切符売り場で券売機を見るとクレジットカードは東武カードしか使えないというテプラが貼られている。
 あとで調べたら公式Webサイトではクレジットカードは使えると書いてあるが、さらに調べると実際は他社カードは窓口とホーム券売機しか使えないらしい。くだらない自社カード縛りはやめてほしい。
 4社連絡という特殊な乗車券*1を買うと目的地の会津若松まで行けたのだが、改札外券売機には特に案内がなかったので西若松まで買うことにした。PASMOの不足額は現金でまかなった。窓口で買えばよかった。

列車そのものは快適だけど

 特急リバティは、そこそこ快適だった。前の座席のポケットには来年登場のスペーシアの写真が入ったちらしがはさんであった。できればこっちの方がいいけれど会津方面には短編成にできるリバティが向いている。
 トイレに行こうとしたとき、先にトイレに向かう人がいたので戻ってくるのを待っていたがトイレ使用中のランプが消えたままだった。あれ、トイレに行ったのではなかったのかと不思議に思って行ってみたら2箇所あった。待たなくてよかった。
 相変わらず「感染拡大が、感染拡大があ〜」と執拗な放送が流れている。日本語、中国語、韓国語の自動放送に加えて車掌がダメ押しするという4重波状攻撃。2022年になってくると、感染拡大防止とはマスク強制のことをさす。「皆様に安心してご乗車いただくため」と言うけれど、安心したいのはマスク警察によるクレームを回避したいあなたたちではというもやもやのせいで全然安心できない。コロナなんか忘れたいから人は旅行に行くのではないか。客を不安にさせ、不快にさせてどうする。
 乗った時期は新規感染者が回復者を下回っていて推移していたが、東武鉄道はいつまで感染拡大と言い続けるつもりなのか。
 ちなみに、リバティの直通先である野岩鉄道会津鉄道からは何も言われなかった。すばらしい。
 もはや学会まで風邪と同じと言っているのだから、他人の口元を見て不安になる人の方こそ旅行をやめてほしい。
 さて、車内ではWi-Fiが使えたが、山間部ではつながらなかった。まあ、これは仕方がなかろう。
 時々耳がツーンとなるので、山を登っているのだなとわかった。

 会津田島からの乗り継ぎは会津鉄道のAT700形。観光列車風で快適だった。地元の自治体のPR広告が貼られていて地方の鉄道にしては車内が賑やかだった。鉄道を支援するために広告を出稿していると思われるが、せっかくだからイメージ写真と自治体の名前だけを全面に押し出すだけではなくて、どうやって行くのかちょっとは書いて欲しい。QRコードを付けておけばいいのに。ごめん、何町って書いてあったかもう忘れた。家に帰ってもう1回調べ直す気力はない。

財布を取り出す機会が多い

 会津若松の駅に着いたら、意外と何もなかった。どうしたら観光地に行けるのだろうと途方に暮れていたら、市内周遊バスが止まっていたので乗ることにした。料金は210円。あ、300円出すとお釣りが5枚来るやつだ。都営バスが200円均一から値上げした時にはICカードが普及して救われたものだ。まだキャッシュレス決済できないのか。
 バスは南下して、現金精算して乗り継ぎしたJR線区間を逆戻りしていく。でもまあ、接続が良かったから良しとするが、会津鉄道(JR線直通)の車内でも当然ながら現金。
 とうきょうスカイツリー駅に始まり、じゃらじゃら小銭が貯まるばかりだなあと思っていたら、鶴ヶ城の入場券を払ったところで偶然手持ちの小銭がなくなった。これはびっくりである。
 帰りは郡山からの新幹線だけ予約してあった。会津若松駅でもSuicaを使う人がほとんどだった。このままSuicaで帰れればキャッシュレス決済できなくても小銭レスで帰れるとちょっぴり得した気分になった。
 帰りのルートを調べていたら、鶴ヶ城の近くの合同庁舎前から乗り換えなしで直通で郡山駅に行けることがわかり、会津バスに乗る。
 席に座ってシートベルトをした後、前の座席のポケットに挟んであった広告を読むと、Visaタッチが使えることが書いてあって、よし、これだと思って払おうとした。ところが、車内の端末がエラーを出す。セットアップの段階でVisaカードをかざす前に失敗してしまう。通信不良だろうか。しかし、場所は郡山駅前である。初期登録の類ができていない感じだった。
 そもそも、端末が正しく動いていたとしても、支払いが完了するまで何度もタッチパネルの操作を求められる仕様になっている。エラーが出る前までの画面は自分で触ったが端末の感度も悪い。操作者を交代。運転手さんにも焦って連打するが変わらない。ああ、Visaさん、おそらく、これは誰も使っていないみたいですよ。売上上がっていないでしょう。
 「ああ、もういいです」と言って千円札を両替機へ。バスの両替機は10円単位で支払えるように、わざと小銭を細かく出してくれる。後ろに人が並んでいたので五十円玉と十円玉を避けて百円玉を2枚運賃箱に投入。財布に小銭が9枚。あーあ。
 このバス路線は共同運行である。バス業界の斜陽により共同運行便は全国各地で今後も増えると思われるから、キャッシュレス決済ができると思っていても他社便が来ることもあるので十分気をつけたほうがいい。
 事前決済など、スマホで完結する仕組みを取り入れている会社もあるが、今回のように端末に不具合がないか、運転手が慣れているのか、不安で不安で仕方がない。ただ、小銭じゃらじゃらも嫌なので、わたしとしてはキャッシュレス決済を使いたいという意思を示していきたい。微力ではあるがキャッシュレス決済普及に協力できればと思う。
 郡山駅に着いたらJR経済圏なので、SuicaViewカードも使える。ようやく安心したが、会津は現金が好きなんだな。

新幹線もややがっかり

 実はグランクラスに乗ってみたくて、帰りは新幹線で上野駅へ。
 グリーン車よりすいているし、最上級の座席に座ってみたかった。えきねっと予約では、なすの号に4,500ポイントで乗れるので奮発してみた。今回はお腹が空いていなかったので軽食はいらなかったが、軽食サービスは縮小傾向のようで、残念である。
 乗り心地は最高、と言いたいところだが、個人的にはあまり体に合わなかった。座席にリクライニングのスイッチがたくさんあっていろいろ試してみたが、庶民には使いこなせなかった。でもまあ、混雑回避目的であればおすすめである。
 新幹線は、東武のようなコロナの呪いメッセージこそ控えめだったけれど、いつもの通り過剰放送ぎみである。特にグランクラスでは静粛性を高めた車輌に仕上がっているので、放送をやめた方がいい。
 各駅停車なのだから、通過待ちの度に「発車までお待ち下さい」とわざわざ言わなくてもいいでしょ。「なんで発車しないんだ、早く出せ」という客がいるのか。2本に抜かれるようであれば「あれ、発車しないのか」と思わないでもないが、ほとんどの人がいつ電車を降りるのか調べてから乗っているし、きっぷを持っていれば到着時刻が書いてある。頼むからそっとしておいてほしい。うるさい。

 Yahoo!の乗換案内を使えば、1回の検索で各駅ごとの発車時刻を画面上に出すことができる。知りたい人は自分でスマホで調べさせるようにしたらいい。

日帰り限界地域

 2022年の秋にはJR只見線の再開通が予定されている。ふんわりイメージを伝えるパンフレットは見かけるのだが、どうやって行けばいいのか検討がつかない。今回の東武-野岩-会津鉄道-只見線-会津バス-新幹線の一筆書きルートでも、実質的な観光時間は2時間程度である。ほとんど、乗り物に乗りに行ったようなものである。まあ、グランクラスに乗るのも目的だったし。喜多方でラーメンを食べようとしたり、只見線沿線まで足を運ぼうとしたりするとさらに遠い。

 浅草からは6時台に出る特急があるが、東京駅ならともかく浅草である。もちろん近くに住む人もいるが、相当早起きを強いられるイメージである。この電車でも会津若松に着くのは10時前である。東北新幹線でもまあまあ似たようなもの。東武には新宿に乗り入れるJR直通のスペーシアもあるが、会津方面への接続はない。朝のラッシュ時間は設定がなく、その次は浅草9時30分発まで待たなければならない。わたしが乗った便である。

 ちなみに逆一筆書きルートの場合、夕方における浅草方面上り電車の使い勝手や接続がとても悪い。観光をすれば予定が乱れることがあるだろうが、特急は2時間に1本。会津田島17時48分発で特急は終わり。そして浅草に着くのが21時過ぎ。家路が遠い。一筆書きだったら東武で行ってJRか高速バスで帰ってくる方向を選ぶしかない。

 話を戻すと、会津に行くだけで精一杯になるので、家族旅行やグループ旅行であれば会津観光は宿泊前提となってしまう。南関東から自家用車で行くには少し遠い。それなら鬼怒川温泉尾瀬でいいのではということになり、会津の観光地まで送客されない。

 地元自治体が多額の税金を投入して列車を復旧したところで、どのように使うつもりなのか。これから福島県が試される。

*1:通常は、会社またぎの連絡乗車券は3社までなのが一般的である