通勤電車:減らし過ぎると平準化できない

オフピーク定期券が売れないということでJR東日本は割引強化によるテコ入れを試みている。ただ、本音はピーク緩和に企業側が協力しないから難しいと思っていないか。

 

定時出社する人にとっては通勤定期代支給の額に変わりがなくても会社から領収書の提出を求められなければ安い乗車券を買おうとする動機は十分にある。

 

働き方によっては9時でなくても10時出社でもいいですよという人はそれなりにいるのではないかと思う。しかし、そんな人もオンピークの8時台の電車に乗ってしまう。

 

最近は朝ラッシュで通勤電車が遅れると、徹底的に間引く運用が好まれている。

15分遅れの運転が突然正常運転になる。これはなんの魔法か。遅れている電車が存在していなかったことにして、後続の遅れている電車の予定時刻で走らせようとする。

ただでさえ遅れているのに、次の次の次くらい便の時刻に合わせるためちょっと進んで2分停車。これ以上遅れないでくれと思っていても、もう少し進んで3分停車。これを数回繰り返すことがある。遅れているので打ち切りますとは言えないので運転間隔の調整といってごまかしているが、本来の運転間隔の調整にしては不自然な動きもみられる。

 

信号が青でも発車しないのは当たり前。遅れて申し訳ないと車掌は連呼するが、謝りたいからというよりはクレーマー対策で言わされている感じ*1。本当に申し訳ないと思っているなら、うるさいから黙っていてほしい。

 

乗客は遅れないでほしいとは思っているが、それは所要時間が伸びないでほしいと思っているのであって、ダイヤを正常化させるために自分が待たされることを望んでいる人はいない。

 

朝ラッシュ直後は。平常ダイヤでも車庫に戻る便が多い。過密な運転間隔を広げることを平常でも行っている。これをさらに間引かれると10分、20分広げることになってしまう。

 

千葉のJR京葉線通勤快速廃止問題で、通勤時間を20分程度伸ばすことは許してもらえる範囲内とJRが認識していることがわかった。JR社員が自分の私生活にあてはめたら片道20分、往復40分の影響をどう考えているのか聞いてみたいところだが、持続可能な経営と運行のためには通勤時間20分の人は40分、40分の人は60分、1時間の人は1時間20〜30分まで我慢してもらうのは事業者側の裁量だよねということだ。ちなみに、通勤者はバス会社にも人手不足による減便で同じことをされているのだが、鉄道とバスを併用する人が両方でそれをやられたら毎日20×2×往復で80分が吊り革エクササイズ時間になる計算だ。

 

通勤者の立場からしたらそんなことは到底受け入れられるものではない。

どうなるか。

8時台の電車に乗るしかないよね、となる。

10時出社でも業務が回る人でも、さすがに遅刻して11時でもいいやという感じにはまだならない。

大学の講義が2時間目から始まる人を想像すればわかりやすい。学生は通学定期だからオフピーク定期券とは関係ないが、1時間目の講義が週1回の大学講師ならオフピーク定期券でいいよね、とはならない。

 

オフピーク定期券を売りたいなら、9時台は間引きせずに走り通してほしい。平時は途中駅止まりで車庫にいれる電車もダイヤ乱れの日は延長運転してほしいくらいだ。8時台に比べて混雑率が減っているのを見て、9時に出勤しないこの人たちは急いでいないと勝手に決めつけないでほしい。

 

オフピークの割引ではなく、オンピークの加算の方がわかりやすい。

ポイント会員に対して、電車が大幅に遅れた日はポイント還元するようにすれば、遅れを見越して通勤を早めてオンピークに乗った人も救える。

*1:JRよりもひどいのは東京メトロ。停車中に駅員と車掌が同時放送。騒音同士がかぶってしまい、何を言っているのかさっぱりわからない。マイクパフォーマンスはカラオケ屋にでやってもらいたい