ETCだけでいいじゃないか

高速道路料金の上限を1,000円にする政策について、テレビのコメンテーターは、相変わらず「ETCだけなんだろ」と文句を言う。

ETCだけで何が悪い。

ETCは初期投資をそれほどかけなくても買えるし、1日で設置できるサービスもあるし、クレジットカードを持たなくてもETCカードを持てるサービスもあるし、車は低所得者層が使う耐久消費財ではないしで、割引を受けたい人がETCを使わないということはいまどき考えられない。
ETCだけなんだろ、というコメンテーターは、たぶん自分で高速道路料金を払っていないのだろう。知らないで物を言うな。
「高速道路を使っている人しか恩恵がない」という意見については、ETC限定反対よりはましだが、そもそも全国民に適用される還元策なんて、消費税減税くらいで、一部の人だけが恩恵を受けるのは仕方がないではないか。
高速道路に車が集中するという懸念は、気持ちはわかるが、ガソリン高以降、並行一般道路の渋滞が激しいと思う。これは統計的な裏づけはないので感覚的なものであり、間違っているかもしれないが、多少は高速道路に戻してもいいと思う。

擁護してはみたが、やはりあまりいい政策ではない。

道路に限った行政としてはひとつのやり方だが、巨額の予算をかけるほどのことではないし、市民貧窮対策としてはいまひとつ。
たまに乗る人ではなく、混んでいてもいなくても高頻度で使わざるをえない人に恩恵を与えるべきだ。
そういう区別なく、普通車の通過台数を増やしたいという思惑で条件設定されているから、この政策では、旧日本道路公団の民営高速道路会社を補助したいということだ。だから、国土交通省は、平均料金が高く、パーキングエリア等による通行料収入以外の比率が少ない本四架橋は1,000円の範囲外などという。トラックドライバーを助けないで、政府保有企業を救ってどうする。
高速道路は鉄道等と競合するのだから、高速道路料金だけ政策で制御したいなら国営に戻すべきだ。もし政策として有効ならそうしてもらってもいいが、疑問だ。
わたしは、前払い割引制度復活させて、そこに割引率を過去最大にするとか、マイレージの付与率を上げるほうがよかったように思う。