高速道路料金1,000円

いいじゃないですか。

せっかくの割引なのに、相変わらず「ETCだけ」だの「完全に1,000円ではない」だの「料金誤表示」だのと大騒ぎ。

  • ETCだけ
    • 前にも書きましたが、何が問題なのでしょうか。
  • 完全に1,000円ではない
    • 急に決まったのだし、仕方がないです。
    • 民主党案でも都市部は無料ではないので、政策論としては完全1,000円にする必要はないのではないでしょうか。3月30日夕方、首都高速は全域大渋滞でした。景気悪化と原油高で週末はしばらく流れていましたが、首都高速の通行量を増やす必要はないです。そもそも割引除外とすべきでした。
    • 阪神高速を通って別の地域に行ったら3回料金を払う? そうだとしてもたいていは割引にはなるのだからいいではないですか。それに3回払う必要がないところに遊びに行けばいいわけです。
    • 鉄道や航空券の企画切符でも、期待する区間で割引が設定されていなかったり、割引率が低かったりすることは普通にあることです。
  • 料金誤表示
    • 鉄道の自動改札では、誤表示も誤収受もよくあることなのに、NEXCOはかわいそうです。

ということで、

どれも、騒ぐ必要なし!

わたしが気にしているのは、民営化したのに国主導で料金が決められ、民営化会社には決定権がないことです。

予測失敗

サービスエリアで客を待ち構えていた人たちは思ったほど混まなかったと言いますが、割引になったからと言って突然大型連休のような人混みが押し寄せると考えるのは甘かったと思います。最初の週末の結論は、少し需要が伸びただけ、でした。大都市周辺はもともと道路の受け入れ能力がなく、少し増えただけで渋滞が増えました。一方、余裕がある地方は相変わらず流れました。
JR東日本は「大人の休日倶楽部」を盛んに宣伝していますが、宣伝に金をかけるということは、思ったほど集客できていないということです。リタイア世代を狙っていつでも割引で行けますよ、としていますが、いつでも行けるという設定は、後で行けばいいやという心理を誘導します。JRは長い目で高齢化社会を考えているのでしょう。旅行離れを防ぐために、粘り強く宣伝していくことが必要と判断しているのでしょう。それは続ければいいです。しかし、「割引サービスを作れば人が集まる」という観点でサービスをやっているわけではないと思います。たぶんJR西日本ジパング倶楽部も同じだと思います。
道路は「割引サービスを始めれば短期的にすぐに車が集まる」という誤解のもとに始めてしまいました。結局のところ、全体ではそこそこの経済効果あれど、費用対効果があったかどうかは不明、都市部は渋滞を増やしただけです。行楽シーズンになれば潮目が変わってくるかもしれませんが、今は新年度や花見を控えた時期です。子供は休みですが、自動車を運転する大人の都合を考えれば、夏休みや年末年始とは違います。割引になったら旅行に行こう、というほど人々の生活は単純ではありません。
道路は国費でまかなうべきという政策論としてはあってもいいですが、これは景気対策ではありませんね。長い目で見て景気底上げにはなるかもしれませんが、景気対策というのは即効性が備わっているものというのがわたしの認識です。その条件は満たしてません。景気対策ではなければ、単なる人気取り政策であり、後で財政負担が重しになるだけです。政策の実効性としては社会実験やマイレージを強化する方がよかったかもしれませんが、与党はわかりやすさを求めました。
東京の三環状を始め、都市部のバイパスがきちんと整備されたら大幅割引や無料化はやってもいいですが、今は渋滞を増やすだけで、社会全体としてはあまりいいことはないと思います。

ただし、個人的に車で旅行に行く予定ができたら賛成するかもしれません。