医療費通知情報: 所得税確定申告における医療費控除への連携が始まった

こちらの続き。
医療費通知情報: 所得税確定申告における医療費控除への連携がまもなく始まる - 作文の練習

2月9日が来た。2023年(令和5年)の提出となる令和4年分確定申告書から、医療費通知情報の連携が始まった。
予定通り情報連携を実現させたICT関係の皆様は本当にお疲れ様であった。

ただ、個人的には今年もExcelの医療費集計フォーム作成継続が決まった。しかも、当面はそれが続く見込みである。
大変残念である。

確定申告書作成コーナーはとても使いやすい

あらかじめ準備の手続きをしておけば、マイナポータルから確定申告書作成コーナーへのデータ連携は数秒で完結する。

この仕組み自体は大変すばらしい。
ただ、
これができるにはいくつか条件がある。

マイナポータル連携を阻むもの

未成熟なマニュアル
  • e-Taxでできる」とあちこちに書いてあったので、e-Taxソフトを使わなければいけないのかと当初は迷った。
  • 実際は確定申告書作成コーナーを使うのである。確定申告書作成コーナーを使っても最終的にはe-Taxで申告書データを税務署に送信するので間違いではないのだが、あちこちのヘルプ文書を読んだがいまいち理解できなかった。
  • マイナポータルで情報はダウンロードできるが、ダウンロード画面にたどり着いた時点で初めて、マイナポータルからダウンロードできるデータは申告やオンライン連携に使えないことをページ下の文書で知った。
  • 今年始まったばかりだから仕方がないかもしれないが、「詳しくはこちらをご覧ください」攻撃が5回くらいあった。
    • 「詳しくは」をクリックしても、リンク先がまるで詳しくない。「詳しくは」を禁止にするよう、河野大臣から通知してほしい。1リンクであればまだ許すが、「詳しくは」を何度クリックしても、とうとう手続き手順にたどり着かなかった。
    • 代理人設定が必要な場合の手続きは省略」という箇所もあったが、家族分の領収書を合わせてようやく10万円を超えるような人が医療費控除の対象なのではないのかと思う。
    • 動画も提供されているが、手順の途中から解説するものしかわたしには見つけられず、ブラウザを開くところから全部やってほしい。「準備手順がわかっている人は〇分〇秒から見てください」とできないのか。

最初に何を読むのが正解だったのか。
Google「マイナポータル連携 詳しくは」で検索してみてほしい、詳しくは(笑)。

代理人設定が億劫

医療費控除は家計を同一にしていれば申告できるが、マイナンバーは個人に割り振られているので、例えば扶養している親がいたらその人の代理人にならないといけない。設定が必要である。

家族がマイナンバーカード(公的個人認証)の4桁暗証番号を忘れる

これはどうしようもない。わたしの裁量ではどうにもならない。忘れた本人に手続きをしてもらうしかない。わたしの場合はここで心が折れた。

すべての費目が連携できない

診療を受けるにあたって支払った費用で、医療費控除できる支出をすべてマイナポータルで連携できないことは初めからわかっていた。
例えば、通院時の公共交通機関の料金である*1
それにしても、マイナポータルから実際に連携してみて、金額がやけに少ないなと思った。
家計簿と比較した結果、

自由診療の支出が医療機関から連携されていない

ことが判明した。例えば、歯科で、保険診療で作れる銀歯ではなくてセラミックの詰め物をした場合である。

作成再開の場合に、マイナポータル連携の画面が出ない

確定申告書作成コーナーでは、初回作成時にしかマイナポータルへのリンクをする画面が出てこないように見えるがわたしだけだろうか。2月9日以前に、医療費控除以外の入力は終えていた。".data"形式のファイルを使って再開するときにマイナポータル連携をしたいのだが、どうしたらいいのか。

それでも便利

 家族の都合その他ですべての項目が自動連携できなくても、マイナポータル連携と、Excelの医療費集計フォームを併用することは可能である。家族分はExcelで作ってもらって受け取ることもできるので、確定申告書作成コーナー自体の秀逸さはこれまでと変わっていない。国税庁のサイトのヘルプ文書は難解だが、コーナー自体はすばらしいと思う。
 できるところからオンライン連携の便利さを実感できればいいと思う。

 さて、Excelフォームの作成を始めるか...

つづき
lqh.hatenablog.com

*1:自家用車の費用、タクシーは原則として控除できない