暗号資産の利益、20万円以下なら確定申告不要なのか

確定申告書を出すなら1円以上

「暗号資産で利益を出したのだけれど、確定申告が必要なのだろうか。」
こんな悩みを持つ人は主に無職かサラリーマンであろうと想像するが、Googleで調べると20万円以下ならば確定申告が不要と解説しているサイトが大量に引っかかる。
この表現が非常に紛らわしい。
これは、利益が20万円以下であれば確定申告書に書かなくていいという意味ではない。

ほかの理由で確定申告をすることにしたのであれば、利益が1円でも出ていれば申告書には記入をしなければならない。

副業、医療費控除、FX、ふるさと納税(特例制度を利用する場合は除く)など、暗号資産の譲渡がなかったとしても確定申告をする必要があったり、必要はなくても自らすることを望む場合は、利益がわずかでも計算して申告することになる。
ただ、0円以下であれば所得がないのだから不要である。

費用の計上は可能か

暗号資産に使った費用は所得から差し引くことができる。インターネットプロバイダーの回線料金や、パソコンやスマートフォンの費用は利益から引いていいことになっている。
それでも、これらの費用は、一年中暗号資産の売買だけに使うということは通常であればありえないので、このうちいくら取引に使いましたということを明らかにしなければならない。
数百万円利益が出てしまいましたというときに、ゲーミングパソコンにゲーミングチェア、ゲーミングイヤホンまで買って、それらすべてを取引用途で購入しましたとするのは無理があると思う。