マスク強要と健康保険証廃止とは違う

 マスク強要については、科学的根拠も世界の常識ともかけ離れたものを、誰かが推奨しているからつけて当然という同調圧力が社会をゆがめているものであり、わたしは自由の観点から反対である。
 一方、マイナンバーカードについては、一部において問題はある。クレジットカードでさえ券面にエンボス加工で会員番号を刻まなくなったのに、番号をカード上に書いてしまうのはよくないと思う。窓口においてリーダーで読めば見えるようにしておけばいいのである。電子申請が普及すれば、やがてはカード保有者自身が番号を知らなくてもよいようにしてしまえばよい。国民全員に配るのに、電子証明書の有効期限が短すぎるのもよくないと思う。現行の5年よりは多少伸ばしても暗号鍵の強度は問題ないのではないか。
 しかし、総論としては賛成である。個人情報をまとめたら漏洩しやすいから問題だというのは完全に誤解である。個人情報を盗みたい人はサーバー側に盗みに入ったり、職員に金をつかませる方向に行くものであって、カードを盗むのはコスパが悪い。事務手続きを紙のままにする方が安全なのだろうか。運転免許証なら安全なのだろうか。ハンコはいくらでも偽造ができる。何に比べてどこが危険と思っているのか理解できない。新しいものにはリスクがあると言っているだけである。
 国が健康保険証を取り上げてマイナンバーカードを強要していると言う者がいるが、外国籍の方が通名利用を嫌がっている人を除けばたいしたことではない。行政の事務経費を削減する方向にもっていくべきであり、そのために現在のレセプトの処理がどれだけ医療費を食いつぶしているのかを考えれば、全員が電子処理でサクッと済む方向に持っていくべきである。処方箋を紙でもらって、それをスマホで撮影して、調剤薬局のアプリに入れる手続きがとても面倒くさい。薬局のアプリによって、来店前に薬を準備してもらえるようになったのはうれしいが、本来はマイナンバーで紐づけて全部勝手に連携してほしいものである。具体的には、診察が終わったら処方箋情報を薬局サイトにネットワークで連携すれば、後で配達してくれるようにしてくれればよい。
 市区町村役場での住民サービスは、住民の本人確認をした上でマイナンバーカードを発行することだけでよくて、後は電子申請・届出に移行する。国の事務の代行も全部国に返上してもらって、役所の窓口は市民課と総合窓口だけでよくなる。市町村合併が進んでも市民サービスを低下させないようにとの建前に基づき、支所ごとに窓口を残したままにしているが、本来必要がない。
 それだけでよければ、郵便局や駅に出張所があればよくて、いわゆる市役所、区役所の類はもはやいらないかもしれない。そこまで行政のスリム化を実現して税金をほかのことに使ってほしいと思うのであるが、その入り口であるマイナンバーカードを嫌がる人には、行政コストを代わりに負担してほしいと思う。
 一方のマスクであるが、マスクをしても感染や蔓延とは関係ないし、むしろアベノマスクで税金を無駄にしたことは記憶に新しい。マスクはいらない。するのは自由。でも強要は勘弁してほしい。