変動金利と固定金利

住宅ローンの契約において、ほとんどの人は変動金利を選んでいます。固定金利は、よほど気が弱いか情弱と言われかねないような空気になっています。
家族親類、あるいは近所の大人に、長期の住宅ローンを計画通りに長期間かけて完済した人がいたら聞いてみてください。どうやってローンを組み、どうやって返したのか。
そんな昔のことは忘れたと言うでしょう。バブルがはじけて住宅価格が暴落して悔しい思いをした人もいるでしょう。そして、今は金利が安いね、いつから安くなったのだろうと言うのでしょう。

長い間には常識が変わるということが教訓です。

10年のローンであれば、今の金融の常識で判断してかまわないと思います。
しかし、35年、50年、2世代リレーローンを組もうとしている人に対して今の常識を解説する人には警戒しなければなりません。
固定、半固定、変動の3種類のグラフを出してきて簡単に説明しようとする人の言うことなんて、無視してよいでしょう。論外です。
イールドカーブというグラフを出して説明してくれる人もいます。日銀の現在の政策を正しく説明しようとしてくれていますが、イールドカーブに基づいて金利を誘導するということは法律で決まっていません。

金融政策が突然変わらなかったことがあったのでしょうか。
日本の「失われた30年」によってデフレ政策が続く中、日銀が低金利政策を続けているという話は聞き飽きました。そういうことを言っているのではないのです。
素人にとっては「突然」変わるし、「知らない間に」変わるのです。

契約書に書いてないことは何も約束されていないのです。

変動金利に突然の変化があっても、その前に前触れが来るからわかる
変動で返せなくなったら固定に借り換えることができる
それでも返せなくなったら金融機関で相談に乗ってもらえる

その、「わかる」「できる」「もらえる」は契約書に書いてあるのですか。
いわゆる専門家の人たちは人生を保証してくれるのでしょうか。

最近ですと、有識者はデフレはまだまだ終わらないと言い続けていました。わずか数か月前まで。しかし、今や黒田総裁の出口戦略突入も近いと言っているではないですか。変わらないものはないのです。

お金持ちの人は好きにやったらいいと思うのですが、ようやくローンを払って固定資産税を払って修繕積立も行ってギリギリ生活が維持できるような庶民であれば、金利で人生を賭ける必要はないと思います。
そもそも住宅購入はリスクだらけです。住宅購入を前にして、風水害、戦争、南海トラフ地震、富士山爆発、原子力発電所災害まで対応しきるのは無理があると思います。保険で原状回復できるのは火災くらいです。
すべてを恐れたら何も動けません。
ただ、金融政策の変更、経済ルールのリセットは普通に起こりうることなのではないでしょうか。
日銀黒田総裁の政策は「異次元の緩和」と呼ばれています。これは前の総裁時代に今までの常識で予想された政策だったのでしょうか。
異次元ですよ。ドラえもんのポケットと同じ扱いです。ちょっと違うか。

「固定で借りる」と強硬に主張して「え、いいんですか?」とローン担当者に何度も聞かれて「固定でも与信審査が通りました」という返事をもらってから「うーん、やっぱり変動にするかも、書類、作り直せる?」と言うくらいがちょうどよいのではないかと思います。手数料がかかりますが、ミックスも考えてみたらいいでしょう。繰り上げ返済手数料無料など、契約書に書いてもらう内容を増やすことが重要です。そもそも無理な借り入れはするべきではありません。