パイロット飲酒問題

 アルコール中毒の人が機長にだけ少ないということはなくて、これまでたまたまバレなかっただけなのではないかと思っている。
 国土交通省は、25社の社長を呼びつけて会合を行うそうだが、社長を集めて何の解決になるのだろうか。行政としての強いメッセージを伝えたいのだとは思うが、アルコール中毒は病気であって、理論で攻めて解決するわけがない。
 安全のために必要なことは、次の2つ。

  • 搭乗前に飲酒してしまった乗組員に自己申告させること
  • 飲酒の事実を組織的に隠蔽させないこと

しかし、社長まで呼び出されて説教されたとなっては、ひたすら飲酒者個人も組織も隠蔽に走ると思う。
 徹底的に飲酒検査しなさいということではなくて、アルコール依存症専門家の出番である。専門家は、患者を追い詰めないような助言をするだろう。例えば搭乗前に飲酒してしまった場合、代わりの要員が確保されていて、その要員を使わなければならなかったことによる損害は本人から請求するものの、懲戒処分には付さないようにする。「罰金払います。すみまへん」で済ませるようにすることで自己申告しやすくできる。でも、人ぐりはぎりぎりで、代わりの要員を気軽に出せないのだとは思う。
 飲酒抑制薬を飲ませるなど、航空会社強硬手段に出るかもしれない。個人の自由を奪っているのは現在のルールと同じではあるが、薬には副作用がつきもので、飲酒が習慣ではない人まで飲まなければならなくなったら人権問題である。

車の運転手は?

 機長はまだ比較的待遇がいい職業であり、長時間労働が慢性化しているトラックやバス業界では、寝付けなくて寝酒に頼る人がいるのではないか。バスはそのうち飲酒による重大事故を起こすと思う。