原発事故 避難地域と大動脈

半径30kmを大きくすると東北自動車道東北新幹線がひっかかるという懸念があったが、解決策はあった。
立ち入り禁止にはしないが、24時間暮らすのは念のために控える地域を設ければよかったのである。新幹線などで通過するとき、空気を吸うだけなら1年その場にとどまっても健康被害はないが、空気と水と食料と雨と地表に積もった放射性物質からの被爆を足し合わせると、念のために定住は避けましょうと言えばよかった。自治体が独自の判断で避難を決めても良かった。国は金は出すが口は出さない、すなわち自治体の判断に任せるが、財源支援はするとすればよかった。
避難範囲を狭く設定せざるをえないのは、交通物流への影響を考慮したわけではなく、避難するための予算が国から自治体に支給されないという単なる財源の問題である。
戦争中だってできたのだから、学童疎開をやってもいいと思う。費用は公的負担とするが自分の子を疎開させるかどうかは親の判断に任せたらいい。これを実現する上でもやはり財源が足りない。
農畜産業は、出荷する産物を食べる人が、産地の空気や雨を産物と同時に摂取するわけではないから足し合わせには該当しない。今行われているのと同じように放射線を測定して出荷判断をすればいい。影響が避けられないのは宿泊施設。1週間程度の宿泊は問題ないと言われたところで消費者は安心できない。これはもともと風評被害もあるのでいずれにせよ支援するしかない。
次の原発事故に備えて、避難地域の効果的設定方法を検討してほしい。ぎりぎり避難地域に入ったエリアで杓子定規で工場を止めるようなことはせず、立ち入りと定住は区別した方がよい。経済に配慮することはそれだけ反発と批判を抑えることができ、本来避難しなければならない人を素早く避難させることができる。
原発を今日止めても、放射性物質はしばらく残るから、原発を止める止めないにかかわらず検討を急ぐべきである。東海道新幹線東名高速道路のエリアで間違った設定をしたら日本は今度こそ終わる。