節電のせいにしない

今年はあらゆる業界の企画者・運営者にとって根性が試される年です。
各地の花火大会が中止に追い込まれました。震災で寄付金が集まらないのは仕方がないことですが、理由を「自粛」とごまかした実行委員会は将来的に自粛を解除してもスポンサーを集める力は残っていないと思います。一方で自粛を撤回した地域は根性あると思います。
JR東日本は首都圏でほぼ通常ダイヤに戻していますが、6月下旬から、

  • 要請に基づき
  • 1時間4本以上の線区で
  • 時間帯を定めて

節電ダイヤを実施するそうです。理由や客観的基準が明確だと協力しなければならないなと思えてきます。
しかし対象路線や本数の選定基準があいまいな私鉄の減便は、節電を言い訳とした供給削減、コスト削減です。減便したいなら正式ダイヤにすべきです。暫定にしないと関係当局や自治体が反対するのでしょうか。他の交通機関に対する競争力を維持しようとする根性が感じられません。
電力供給安定に協力したくても電力需要2%の鉄道業界が15%節電しても0.3%の貢献です。省エネルギーとピーク時カットが真の目的であれば、単にやめる消す減らすだけの対策ではなく、積極的な施策を行ってもらいたいと思います。

  • 休日通勤時間帯の増便
  • 終電時間帯の増便
  • 合理化のために廃止しつつある車両切り離し・ラッシュ時増結の復活
  • 車両数削減ができない場合の非冷房車の設定*1

自動車シフトを避けるとともに、休日振替やピークシフトを採用する企業・業界の後押しになります。「公共」輸送機関は自業界の内輪だけでなく社会全体を変える力があるのです。

*1:閑散する路線で実施。乗客は冷房車を利用すればいい