密室政治

森元首相で思い出したが、小渕さんの後継に森幹事長が選ばれたときは密室政治として批判された。
自民党政権時代だったら、党の無役の人と首相が会って退陣を決めたなんてことがばれたら密室政治だと批判されたはず。
しかも、気をつけて密会してもすぐばれる世の中なのに、すぐに積極的に ぼらしそうな人を相手に密談をするというのは、菅さんとその側近は何を血迷ったのかと思うが、そこに気づく人は少ない。相手が鳩山さんと決まった時点で報道陣を呼び寄せてから会えばよかったのに、と思う。

検証その1 鳩山氏は頭がよい

世間の評価は、決議賛成表明から否決までのストーリーを茶番劇と言うが、わたしに言わせば用意周到な密室政治である。ところが、嘘つきが首相をペテン師呼ばわりしたこと自体がおかしすぎて、密室についての批判は起こっていない。どうやら、時に馬鹿呼ばわりされる鳩山前首相は、自分を犠牲にして党を助けようとしているのではないかと思えてきた。民主党自民党とは違うというイメージは最後まで残したいようである。

  • 自民党は密談していることを批判される党
  • 民主党は密談していることを批判されない党

誰もここに気が及んでいない。一応、世論誘導に成功している。マスコミが飛びつきそうな情報を提供していれば、そのことを論評される可能性はあるが、別のことを隠すことはできる。彼はそれを実行しているのである。ただし意図的かどうかはわからない。

検証その2 鳩山氏は密室政治の何が批判されているかわかっていない

森さんは密かに選ばれた。菅首相は密かに続投が決まった。どちらも同じように悪いと思う。党で意見が割れる問題なのだから、党全体で話し会って決めなければならない問題のはずだ。
森さんの時はそれでも党の実力者と呼ばれる人がもう少しいたわけだが、今回は、代表を辞任して首相も辞職して引退宣言を勝手にして勝手に撤回した人と話し合うだけで決めてよい問題ではない。実力者でもなく、鳩山さんは発起人かもしれないが今や単なるスポンサーである。
ところが、密室政治をした直後、報道陣に漏らしたから密室ではないと考えているように見える。鳩山さんはグループはともかく党全体の意見を集約した形跡はない。この時点で密室政治は成立している。念書のことを報道陣にばらしたのは、功を焦ったのか、賛成取りやめを仲間に電話するのが面倒くさかったからかはわからないが、

党内で密室政治してきました。
しかも政治家にもかかわらず堂々暴露します。

と言っているのと同じである。森さんの時、鳩山代表は批判していたような気がするが、どうして自分も同じことをするのか。しかも記者に堂々と語れるのか。
するとだ、密室政治・談合政治を批判していた鳩山代表(当時)は、密室政治に反対していたのではなく、密室政治を批判するふりをすると国民受けするからとりあえず言っていたのかもしれない。もしくは、何が行われていたか知らないが、知り合いが「密室政治が行われているから批判しろ」とそそのかされて、密室政治が何かを理解せずに批判していたということかもしれない。