定期券の委託販売はできないのか?

 特急券や定期券の自動券売機、モバイル乗車券など、販売チャネルが広がっている時代に、たかだか1枚の切符を買うのに10分、15分待たされるのはおかしい。それにもかかわらず、同じ日の同じ時間帯であっても、定期券売り場の混雑具合にはばらつきがある。
 数年前、京王新線新宿駅都営地下鉄の定期券を買った。新宿駅では京王線都営地下鉄が同じ場所で定期券を売っているが、隣の京王線の窓口は長蛇の列で、かわいそうにと思ったものだ。
 窓口が空いている会社は、いっそのこと他社の定期券も受託販売すればいいのにと思う。逆に、長蛇の列をいつも作っていて「定期券は買わないでください」と言わんばかりのオーラを漂わせているような会社は、委託販売すればいいのにと思う。
 昔、定期券が紙製だった頃は、駅名が書かれたはんこの束を使って定期券を作っていた。2社線接続しか発行されなかったのは、窓口の職員が複雑な運賃計算に対応できなかったからである。でも、今はそろばんと運賃表の代わりに、機械がお膳立てしてくれる。割引などの特殊な運賃でも対応する。PASMO事業者は、3社線接続や、接続駅の拡大などサービスを向上させているが、そこまで他社路線の情報を取り込むことができるのであれば、どの路線の定期だって作成可能なはずである。
 旅行代理店では、ホテルでも航空機でも特急列車でも何でも手配できるのだから、鉄道会社が他社の切符を売るくらい、システムを改良すれば何とかなりそうな気がする。あとは「定期券は自社分しか売らない」という前例を打破するだけである。今は、一部の乗り入れ駅で、片方の会社が両方の会社分を例外的に売っている程度である。
 わたしが今日行った都営地下鉄の売り場は、一人も並んでいなかった。十数メートルも行列を作っている隣の駅の人たちに「こっちがすいているよ」と教えてあげたくなったが、この売り場は使えない。何しろ、都営地下鉄の定期券は高い。週休2日では、1箇月の通勤定期は普通運賃よりも割高になってしまうことがある*1から人気がない。割引率を上げられないなら、他社の定期券でも売ればいいのに。
 授業の出席率の低い大学生には、今の時期に定期券を販売促進した方が収益が上がるような気がするが・・・

*1:週休2日で、週末や祝日に電車を利用しない場合