日本信号製自動改札機起動せず

 10月12日は、朝から東京に行く用事があったので、ニュースを見て「料金がただになる」と思ってわくわくしたが、意外と混乱は起きなかった。関係企業の株価への影響も限定的だった。
 報道によれば出口で精算の列ができた駅もあったようだが、わたしの使った駅では入場記録のないICカードを持つ乗客は出場時も無検札通過が認められた。会社によって対応に差が出たことはSuicac事業者間・Pasmo事業者間、あるいはその両者の間で統一マニュアルがなかった可能性がある*1ことを意味する。それにしても無検札通過を認めた鉄道会社は妥当な判断を下したと言える。機械を再起動したことで復旧したからよかったものの、実は、今回の不具合によってセンター側からのコンピューター制御が効かないようになるような性格のものだったら回復が遅れた可能性もある。損失がいくらでも膨らむ可能性があったにもかかわらず、乗客に無賃乗車を認めたのである。そこまでしてもスト以来の大混乱になることを懸念したのであろう。
 出場時に精算を求めた駅(会社)は、乗客の良心を信じたのだろうか。ひとりずつ乗車駅を聞いて現金精算をしたという。客は改札異常が起こっている範囲が「一部」であることしか知らされていなかった。遠くから乗って、出口で隣の駅名を告げればかなり安く済む。しかし、乗客は隣の駅の改札が動いていたかどうかは知らない。しかし、都営地下鉄はほぼ全駅*2で止まったことが発表されている。都営地下鉄の利用者は次回は隣の駅名を言うことであろう。
 今回の損失は誰がかぶるのだろうか。メーカー?、ICカードの新サービスのためにプログラムを提供したICカード事業者?、プログラムの開発元?、鉄道会社?、保険会社? ・・・
 

*1:全事業社の対応内容を知らないので、実際にはマニュアルがあるのかもしれない

*2:106駅中103駅だということから、例外だったのは他社が管理している駅なのだろう。しかし、他社管理駅は3駅よりも多いのでどこかはだめだったのだろう