敬語再分類

 謙譲語I,IIに批判が集まっているが、それよりわたしの興味は、ものを美化する「美化語」という分類の方にある。
 もともと、美化するのは神様関係だけかと思っていた。

  • 神様が与えてくれるもの・・・おみくじ、御札(おふだ) など
  • 神様に捧げるもの・・・お賽銭、お供え物 など
  • 自然の恵みとしての「食べ物」・・・ご飯、お節料理、お酒、おそば、ごちそう、御赤飯 など

美化語は、これ以外の「物」に対して敬語を用いることを説明するものである。お願い、お礼(おれい)、ご機嫌などはよく使われると思う。
 「物」がすなわち体言であるとすれば、「熟語+する」の複合動詞に「ご」を付ける「ご提案する」「ご奉仕する」「ご提示する」「ご提供する」「お勘定する」の類は今回の分類では説明されなかった。これらは美化語なのだろうか。自分が提案するという行為を「美化」というのが謙譲を表すというには理解しがたい。尊大語だとしたら相手に失礼だ。「弊社のご提案」というのは、卑しいわたしどもの考えを高貴なあなたに見せるにあたり、恥ずかしくないように一所懸命磨きました、、、というふうに解釈するのだろうか。よくわからない。