テロもどきを実行してしまった3人
浚渫船の乗組員3人は、今どうしているのだろう。
テロをする組織は、周到な準備を行い、たくさんの同士を動員するというイメージでいたが、わずか3人のちょっとした不注意ではるかに大規模なテロもどきが成立してしまった。
停電の事実を知ったときには、どこぞの国によってどこかの原発がやられたのかと思ってしまったが、実は、送電線に接触するだけで同じような効果を出すのに十分だということがわかってしまった。放射能が出ないので、敵地を占領しようとする人や敵地が自陣に近い外国勢力にとっては、大地を汚さないよりよい方法を知ってしまったことになる。
クレーン船をチャーターするまでもなく、ヘリコプターで送電線に金属線を垂らし、端を川面に落とし込んで漏電させるとか、送電線の鉄塔を爆破するだけで十分であり、お手軽である。
テロと異なり、死亡者は出なかったが、お盆休みで繁華街や交通機関に人が少なかったことや、NTTなどの通信回線が安定していた*1ことが幸いしただけで、人身への影響に関する報道がなかったのは不幸中の幸いである。
ここまで派手なことをできるのは、こち亀の両津勘吉くらいなもので、実世界でやってしまった彼らの心境はいかに。
今回は停電に強かったJR東日本
おとといは落雷して山手線を止めたが、変電設備が別ということがあって今日は総武線を無事に動かすことができた*2。それでもやっぱり、京葉線は止まった。
本当に京葉線は災害に弱い。
平日朝の混乱
再び千葉の話題だが、JR総武線方面から都心に向かう路線は現在4路線あるが、総武線以外の都営新宿線、東京地下鉄東西線、JR京葉線、それぞれ異なる会社線が同時に止まったというのは珍しい。東京湾沿いに住む人たちは大パニックだったのではないだろうか。通常なら隣の路線が動いているので歩いて隣町までいくわけだが、今回は隣も止まっていた。バス路線のほとんどは都心方面に向かって走っていない。自家用車で通勤しようにも、信号機も消えているという。唯一動いていた総武線各駅方面のバスはフル稼働だったのではないか。お盆のバスは特別ダイヤで間引き運行している*3が、臨時バスは出せたのだろうか。
しかも平日朝に発生したというのは滅多にあることではない。先の千葉県の地震は昼間だった。大雪や台風は天気予報でわかるから前の日から準備はできている。突発的な出勤時同時多発交通障害としては地下鉄サリン事件以来の過去最大級の衝撃だったのではないか。
通勤電車の中にいなくてよかった。
停電時の地下鉄は?
あるニュース映像では、駅構内*4が真っ暗で、テレビ取材者のカメラ照明と車内照明だけがついていた。車内照明は通常の蛍光灯がきちんとともっていたが、冷房は止まっていたと思われる。
以前、地下鉄に乗っていたら、走行中に車内照明が消えたことがあったのを思い出した。何らかの理由で電車への送電が途絶えたようだった。明かりは車内の非常照明*5と、トンネル内の蛍光灯だけになったが、電車は惰性で進み続けた。電源が入らないためか、それとも車掌が情報収集をしていたのか、車内放送もない。しかし、乗客は冷静だった*6。駅に近づいたときには、普段と変わらないブレーキのかけ方で減速し、停止した。駅は電気と空調が通常通りで、構内放送で事実を知った。数分経って照明と空調が回復し、電車は再出発した。
ニュース映像とわたしの体験とで、消えていた場所が逆だったのが印象的である。次回どこかで電気トラブルがあったとしたら、その時にはどこが消えてどこが守られるのかわからないし、二重障害で全部同時に消える可能性がある。実は車内が結構混んでいれば、携帯電話の液晶画面から漏れる光で結構明るいかもしれないが、想定外のトラブルが起こる可能性も認識しておいた方がよさそうである。
今日はお盆休みの7時台ということで、比較的ダイヤが維持できたと思われる。こういうときは次の駅までがんばって走ればいい。ところが、例えば平常時の8時半、真夏の殺人ラッシュ状態で、ダイヤが乱れていたとする。このとき、駅間のトンネル内で信号待ち停車をしている列車が停電に巻き込まれたらどうなるか。いくら非常電源で動けたとしても、前がつかえていたら動けない。新型車両は窓もあまり開かないし、車内放送もない。原因を知らされていなければ反対車線は電車が走っているかもしれない*7のでうかつに車外には出られない。さらには冷房も効かないということであれば、想像したくない状況になるはずだ。
停電時には、オフィス街から煙が出る
非常用自家発電で煙が出ることは、防災知識の一つとして広く知らしめた方がよいと思う。
知らなかった。
勤労者と電気
台風でも地震でも仕事はあるのだが、今時のほとんどの職業は車か電気がなければ仕事にならない。役所でさえもパソコンやITシステムがかなり浸透している。ノートパソコンは電池で動いても、ネットワークやサーバーはそうはいかない。再びこういうことが起こったら、
行っても仕事にならない
と悟り、気楽に考えてゆっくり職場に行こう。まあ、そう考えられるのは顧客との接点がない内勤の人だけだろうが。