中央・総武線各駅停車、終日直通運転へ

 首都圏のJR中央・総武線各駅停車は、ホームドアを設置するため、黄色い電車が走る線路と橙色の電車が走る線路を完全に分離することにした。

 早朝、深夜は橙色の快速電車の車輌が各駅停車のホームを使用することをやめる。その代わり、総武線内で折返しをしていたのをやめて終日直通運転する。

中央線各駅停車

 中央線は三鷹まで複々線にしたにもかかわらず、快速電車が中野以西で各駅停車になってしまう。朝の下りや夕方の上りは、各駅停車と並走していて、各駅で同時にドアが開き、同時に発車するような場面も多く、本当は通過してもいいのだろう。しかし、朝の上りと夕方の下りは利用者が多く、特別快速を増やしても徐行運転になってしまい意味がない。

 競合の京王線が線形が悪い弱点を抱えながらも特急、準特急を大量投入しているのに比べると、JRの利用者は遅いのに慣らされているのが現状である。ただし、遅いとはいえ、運行頻度が高いので山手線のように待たずに乗れるから他の路線に比べて不便というわけでもない。ざっくり言うと、停車駅が少なくて5分早く着くとしても、乗るまでに10分かかるのだとしたら意味がないというわけだ。

 ただ、早朝、深夜の利用者というのは、毎日早朝、深夜に利用する人も少なくない。JRにとってはもともと快速が遅いし、一日のうちほんのわずかの時間帯だけ各駅停車にするという認識だったかもしれない。でも、早朝の利用者にとっては毎日各駅停車しか利用できない。同じ料金を払っているのに速達サービスを利用できない。高崎線の利用者が大宮から京浜東北線に入ってずっと各駅停車だったら怒り心頭だと思うが中央線の乗客には許される。

 そういう意味では早朝、深夜の快速運転は毎日利用する人にとってはいいことだと思う。ただし、快速区間京王線以上に線形が悪いので東京駅から乗って8分程度の短縮にしかならないという。深夜の下りは現在でも特別快速や快速が運転されている。

総武線各駅停車

 深夜の総武線利用者にとっては今回のダイヤ改正は微妙だ。千代田区あたりからの乗車の場合、都心の御茶ノ水駅が始発駅となり着席チャンスが得られやすかったが、これが失われる。一方、新宿あたりからの乗車の場合は座ったまま千葉方面に帰れるようになる。

 総武線方面から御茶ノ水以西に行く場合は、そのまま座り続けられる利点が大きい。現在は座りたいなら東京に行って始発待ちをする必要がある。

 現在、深夜の千葉方面は始発駅の御茶ノ水で新宿方面から来る中央線の到着を待っている。平日の中央線は毎日必ず遅れるので、それに引きずられて総武線も始発駅から遅れる。その後、秋葉原駅でもさらに遅れが広がるが、遅延は回復させない。JRにとってはこのあと車庫に入れるだけの電車なので、ホームに残る乗客(主に酔っ払い)を拾うことを優先する。

 深夜0時頃は津田沼止まりと千葉行きが交互に発車する。津田沼止まりは終電の津田沼で折り返し用の5番線ホームに入れればいいのに、なぜか深夜帯は4番線が好まれる。乗客をすべておろした後、逆方向にある車庫に向かって発車して後続の千葉行きの入線を邪魔しようとする。夕方の時間帯と同じように「津田沼から先へご利用のお客様は東船橋でお乗り換えください」と放送すればいいだけのことである。夕方の時間帯は千葉方面の待避線に入れて早くホームを開けてくれるのだが、深夜はそんな工夫もない。なぜ深夜だけ後続を待たせてよいということになるのだろうか。後続を待たせるということは、寒空の下で乗客を待たせるということだ。

 これから年の瀬だが、着ぶくれと忘年会により深夜時間帯も過酷な混雑が続く。深夜の千葉行きは始発駅で発車を伸ばされ、東船橋付近でもなぜか待たされる。

 繰り返しになるが、JRにとってはこのあと車庫に入れるだけなのかもしれない。しかし、各駅停車の利用客はその後、電車やバスへの乗り換えが続き、家路は遠い。都心で少しダイヤが乱れると、長らくホームで待たされることも珍しくない。横浜方面から快速電車に乗り、津田沼や稲毛で降りたときに「次の各駅停車千葉行きは25分後です」「現在小岩付近を走行中です」と言われると、快速電車に乗った意味がない。

 JRにとっては、中央・総武線船橋までで、津田沼から先はたぶん別の電車なのだろうと思う。

 終日直通運転は結構だが、中央線の待ち合わせはもうやめていいだろう。津田沼駅の運用もこの際見直してみてはいかがだろうか。遅延を放置するのもやめてもらいたい。あと、もう少し増便してみてはいかがだろうか。本数が少ないから待ち合わせが必要になってしまっている。