台風一過

2018年10月2日月曜日。関東地方に台風24号が襲来。
JR東日本は1日20時に計画運休を開始。周知は当日になったが、外出していた人の多くは早めに行動することで帰宅難民を回避することができた。もちろん旅行中の人は救済されないことがあったが、安全を考えると仕方がなかったかもしれない。
ここで言う安全というのは、駅に来たり列車に乗ったりする乗客だけではない。運んでくれるつもりにさせておいて、実際には運べないとなったときに、一部の乗客が暴徒となって乗務員や駅員に襲い掛かる。最近は女性社員も多いので乗客の暴力に抵抗することが難しくなっている。
JRは1日の段階で、翌朝は始発から平常運転の見込みと周知していた。JRの情報提供は深夜の時間は行っていないが、NHKなどでは一部線区を除いて平常運転の報道を変えなかったので、そうなのかなと思っていた。
ところが実際に始電の時刻になってから、混乱が始まる。まず、JR東日本アプリなどがアクセス不能となった。やっとつながったかと思ったら、どうも多くの路線で運転を見合わせていることが判明。東日本大震災のときはフィーチャーフォンiモードが全盛だった。スマホが普及してからの初めての大規模運休だったのではないか。各地で倒木が発生し、そのひとつが四ツ谷駅でも発生。大動脈の中央線快速が運休となったのが特に大きい。
形式上運転再開となった後も、電車がつまってしまい、都心に向かう各線の駅に人が滞留。川崎や横浜では入場規制も行われ、中央線、総武線もマヒ状態となった。オリンピックの開催日の混乱を予行練習したようなものだが、駅にいた人は大混乱に巻き込まれた。

マヒすると減便される

大幅な遅れが発生したとき、早く遅れを解消しようと増便して対応してくれない。JRはコンピューターでダイヤをすばやく調整することができるが、電車が来ない区間に増便することはしてくれない。今回も総武線快速は30分以上間隔が空いても、幕張に待機する津田沼始発の電車はほとんど出庫されなかったという。また、時間が来ると、まだホームに待っている人がたくさんいても予定通り車庫に入れてしまう。

 電車が余っていても人の融通が利かないのである。

混雑路線には発車停止を効率よく行うため、いまだに運転手と車掌の2名の乗務員が乗車しないと運行することはできない。組合の反対もあるかもしれないが、完全自動化すると混んでいるホームで停車時間が長くなってしまうことが懸念されている。
しかし本質はそこではなく、快速線緩行線があって、快速が運休しているとき、快速の乗務員は緩行線の各駅停車の応援をすれば各駅停車は増便できるかもしれない。しかし、快速の乗務員と各駅停車の乗務員は、所属も違うし、ダイヤが正常化したときに元の常務に復帰させるのが大変という思い込みによって駅員にすべて対応を任せきりにしてしまう。計画運休では駅員の安全を守れたが、2日朝の対応は次は許されないのではないか。
通常時は、乗務員が体調不良を訴えれば駅員などが乗務を代行することになっているという。ところが大規模障害時は電車が余っていても臨時便を出すことはない。
航空便であれば、機種によってパイロットの免許は異なるので、機体が余っているから臨時便を出せとはいかない。しかし、通勤電車の場合は今後通勤型と近郊型との間の仕様共通化がさらに進む。線区によって運転方法が違うということはこれまではそうだったが、自動運転もできる時代なのだからコンピューターが支援すればいいのではないか。

がんばって通勤しない

JRが対策を取らないのであれば、通勤を控えるしかない。ただ、今回は朝から平常通り運行されると思った人が多かったのではないか。アプリもダウンしてしまい、見極めがなかなか難しい。次の台風の時はみんなどう過ごすのだろうか。