始発駅の街に住む

 東京で働くビジネスマンが通勤地獄を乗り切るには、

  • 職場の近くに住む
  • どんなに遠くてもがんばって自転車で通う
  • 在宅勤務にする
  • 座って通える駅を最寄り駅にする

という四択になる。前三者は個別の事情に合わせてほしいとしか言いようがないが、外回り先への直行が多い人など、勤務地が定まらない人にはいわゆる「始発駅」の街に住むというのが唯一の選択肢になる。そこで思いっきり田舎に住めば環境や住宅コストはよくなるが、山手線の駅まで朝ラッシュ時に60分以上*1かかるようだと少し不便になる。これはまず候補から外す。
 東京の私鉄は、山手線の中へ進出することを試みたが、相次いで断念した。そこで、都心へ行くには、JRか地下鉄になる。都心に近い始発駅を選ぶと、地下鉄が候補となる(地下鉄に直通している一部の他社線も含む)。
 ここで始発駅と言っているのは、「折り返しの電車か、車庫から出たばかりの電車」(=始発電車)が到着する駅のことを言っているが、路線図の端の駅が必ずしも始発駅になるとは限らない。多くの路線で私鉄やJRと相互直通運転を行っているからだ。南北線赤羽岩淵駅や、東西線西船橋駅では、朝ラッシュのピーク時に始発電車が出ていない。始発駅を選ぶには、路線図ではなく時刻表を確認する必要がある。朝9時に勤務地に向かうことを想定した時間帯を中心に格付けする。

 特定の時間だけ際だって間隔が長かったり短かったりする場合はそこを省いて分数を出している。だから運が悪ければ待たされることもあるので注意してほしい。駅のホームに着いたときにはすでに多くの乗客が並んでいる駅がほとんどなので、最初に来た始発電車に乗ったら座れない。例えば4分間隔ならばその倍の8分前後を駅で過ごすことになる。始発電車に乗るということは、それだけ通勤時間が延びるということを忘れてはならない。
 渋谷、浅草、新木場、都庁前はAだが住宅地ではないのでリストから省いている。白金高輪は始発電車を狙う人が住む街ではないので省いた。一方、リストにあっても池袋、中目黒、代々木上原、笹塚で家を借りるには相当の家賃を覚悟する必要がある。
 それ以外は都心からはやや遠いという印象になるが、都心まで20〜30分かかっても、数駅手前に住むよりは確実に朝は楽になる。ただし注意が必要なのは夜である。東西線西船橋方面や千代田線綾瀬方面は朝よりも夜の方が混雑がひどいので、都心から21時以降に帰る場合は覚悟した方がよいだろう。ただ、両線とも代替路線があるので、帰りは別の路線でいいというならば選択できる。
 また、都営線や他社直通線は運賃が割高になる傾向がある。
 以上、地下鉄を中心に格付けしたが、もちろん中央線各駅停車や総武線各駅停車など、JRもある。また、最近都心進出を果たした「つくばエクスプレス」も注目である。秋葉原乗り換えでいいならば八潮も新たな候補に入ってきた。

さて、どこが一番いいでしょうかね。

*1:鉄道会社が出している所要時間の1.5倍を目安に考えてほしい。昼間のすいている時間に40分かかるようだと、ダイヤ遅延や優等列車の通過待ちなどで1時間かかる