焦る心を商売にする

 娯楽産業は常に注目を集めていなければならない。より派手になる。忘れられないように走り続けることが必要だ。ビジネス・モデルとして笑いや感動を売り物にするのはつらい。ずっと売れ続けるには枯れることのない才能か、かなり高度なノウハウが必要だ*1
 サービス業として人を引き込みやすいのは、人の焦りに付け込むことだ。英語の塾は「外国人と話せるようになる」という楽しさをアピールするよりは「英語くらいできるようにしておかなくては」「留学や昇進のために検定試験の点数を上げなければならない」という人を集める方が簡単だ。
 ソリューション・ビジネスやカウンセリングと呼ばれるものも、悩みを解決するとはいうが要は自分でできない人を相手に、しかって励ますのが仕事だ。最後は自分の努力が必要とかいって、結局自分では何もしない。人にやらせるか、客にやらせる。
 人に差がある限り、世の中が不公平である限り、焦りはなくならない。ビジネス・モデルとしてはよくできている。
 ただし、お客さんは不安で頼りない人ばかり。もし仕事がうまくいかなければすぐ文句をいってくるだろう。あるいはサービスの提供が失敗したせいで立ち直れない姿を目の当たりにするかもしれない。プレッシャーに耐えられるだろうか。
 相手の焦りや不安を自らに取り込んで飯を食っているようなものだ。

耐えられれば成功するだろう。

*1:ディズニーとか