攻守交代

変なお店が増えませんように

先日あるお店にいったところ、壁に張り紙があった。

  • 従業員は最大限気をつけています。
  • でも、マスクが売り切れていたらしていないこともあるかもしれません。ごめんなさい。
  • マスク姿で接客することはマナーの観点から賛否両論ありますが、このご時世なので許してください。
  • お客様も入室前の手洗い*1だけは徹底してください。

自粛派(マスコミ洗脳被害者またはマスク真理教)と、健康重視派の両方に配慮しているなと思った。文面から察するに緊急事態宣言の頃に作成されて、その後変えていないようだ。ただし、それでいいと思う。NHKがこう言っていたから、とか、ワイドショーがこう言っていたから、とかで、あたふたすることはなかろう。ただの感染症対策である。「マスクしない客は帰ってくれ」とかいうお店ばかり増殖されても困る。
 咳エチケットができていない人や、咳が止まらない人を追い出すのは仕方がないと思う。ただ、無症状の人にまでマスクをしろというのは、とにかく心配しすぎである。

ワクチン報道を受けて

 2020年11月9日。ファイザーによる新型コロナウィルスワクチン報道などで、東京時間から東証の株は急騰。ドル円も一時、1.5円以上ドル安にふれた。ニューヨーク時間に入って、ダウはオープニングで史上最高値を更新。その後はじりじりと値を下げたがドル円はその後も円安が進行した。FXの破綻者が久しぶりに続出しただろうか。バイデン勝利に安心してお金を市場に捧げた人たちは大丈夫だろうか。
 ところで、わたしはこれまで、「コロナだけに注目するのはやめて、これまで通りの生活することが、抵抗力をつけウィルス耐性を高め、社会全体の幸福も最大化する。ただし、かぜが流行っているので、手洗いなど、冬に気をつけることはしばらく気をつけていきましょう」と言ってきた。
 ワクチンが配られる見込みとわかって社会が安心した、というよりは、これまでワクチンビジネスのためにあえて社会を停滞させていたところで経済解禁のおふれにつながったと考えたほうがわかりやすい。ヨーロッパではロックダウンだと騒いでいるけれど、死者数はほとんど変化ない。
 武田先生ではないけれど、ワクチンが売れるように社会に恐怖を振りまいていたのではないかと勘ぐりたくなるような状況である。わたしは薬を売りたいがために他人の健康を犠牲にした薬害エイズ事件を忘れない。残念ながら、製薬の本質はそういうところにある。大学を志した頃には、人々の健康増進を志としていたに違いないが、だんだん業界に染まっていくと違うものに優先順位が変わってしまう人もいるのかもしれない。ただ、真面目に創薬に励んでいる人もいると思うので、製薬業界の人々が100%そんな人間だらけだとは思わないし思いたくもない。
 アメリカ大統領選挙のバイデン候補が、就任後最初にコロナ対策に取り組むとか、「新型コロナ対策本部立ち上げ 最も重要な闘い」*2とか
言っているが、政治家や行政がコロナ対策って何をしてくれるのかさっぱり理解できない。行政に群がるのは、税金で一山当てるビジネスモデルを作りたい人だけというのが近代国家の普遍の原理である。
 ファイザーの発表が、6カ国で治験をして90%に効果ありと言っているため、まったく効果がないとは言わない。それでも日本人に効くのかわからないし、ワクチンに副作用があるのかどうかもわからない。わたしはこれまで通り「ただの風邪だから、手洗いしましょう」から変わらないし、ファイザー様を神様のごとく盲信するというのは現時点では避けておきたい。半月後、1ヶ月後、半年後にわたしがどう言っているのかはわからないが、速報レベルで大騒ぎするのはどうかなと思う。
 目立った副作用さえなければ、とりあえず出しておけば、そして一番乗りすればどんな製薬会社でも大儲けが可能である。実際効くかどうかは関係ないし、効かなかったら「ウィルスが変異していたんですかね」と言えばいい。栄養ドリンクのようにプラセボ効果はあるだろう。
 マスク派、自粛派のみなさんは、ここでどういうポジションを取るのか、とても注目している。
 しょせん、コロナに対しては長年、毎年のようにワクチンを出し続けているにもかかわらず、人類は流行感冒を克服できていない。ところが、さっそく、ワクチン報道が現れただけでネットでは「人類の勝利だ、バンザイ!」というような論調も見られる。
 自粛派がワクチン盲信派に宗派替えするのであれば、わたしは攻撃側に回る。これまでは
「お前は、自分だけはかからないと思っているだろう、お前みたいなやつは無症状なだけで人にうしまくっているだ」
と悪態をつかれ続けて困っていた。使い回しの不健康マスクをしているくせによく人に説教を垂れることができるもんだと思うものの、何かに洗脳された被害者なのだろうと思って放置してきた。
 ただ、「ワクチンさえあればけがれなくて済む」と言おうものなら、わたしは「流行感冒はコロナだけはでないのだから、きちんと手を洗って感染症対策は続けるべきではないのか」と注意する側に回るだろう。
 ただ、ワクチン盲信派は少数派かもしれない。むしろ、未来永劫マスク真理教も一定勢力を保つのではなかろうか。
 あらかじめ言っておくが、花粉症その他の事情でマスクをしなければならない人は大勢いる。マスクを見ただけで「あいつは不健康なのにマスクなんかしていやがる」とは思わないし思いたくはない。
 ただ、今後も「人前ではマスクさえするのがマナーだ」と、マスク=マナーと定義し、人に説教せずにはいられないマスクマナー教は新興宗教として成立寸前である。いやいやいや、

  • 2019年までは人前でマスクしないのがマナーだったでしょ。
  • 2019年まではマスクはつばを飛ばさない以外効果ないというのが常識だったでしょ。

ところがこう言えば「時代が変わったのに変化についていけない哀れな人」扱いされて異端とされてしまう。「マスクとネクタイと黒ソックスとハイヒールは社会人の常識だ!」と1日10回唱えていそうである。21世紀になったのに、天動説論者の苦しみを肌で感じる日が訪れるとは思っていなかった。
 人間、というか、動物は、接触して感情をやり取りするようにできている。口臭や酒臭いにおい、くしゃみやせきまで分け合いましょうとは思わないけれど、多少は近くにいてぬくもりを感じるのが生き物というものである。人類は文化的な存在であるから触れ合わなくてもやっていけるというのかもしれないが、それだと恋や愛や生殖はどうするのだろうか。全員、人工授精にしろというのだろうか。愛し合う前には検査キットを使いましょうってか? じゃあ、あらゆる性病を調べてからにしたらどうか。人間ドックつきのツアーというのがあるから、温泉ペア旅行に検査つきプランをつけたらどうか。
 極端だと言われそうな気もするが、それなら境界線はどこにあるのと問いたい。緊急事態宣言のときは恋人も会うのをやめましょうって真面目に呼びかけれていたけれど、それと少しも変わりないと思うのだが、自粛派が言うと真面目に聞こえるのだろうか。まあ、そうなんでしょうね。
 人の接触を妨げた結果が結婚件数などにも現れている。あなたがけがれたくないと思うのは自由だけれど、少子化に拍車がかかってしまうのは責任が取れるのだろうか。

新しいビジネスモデルにするな

 今後も感染症はどんどん見つかる。厚生行政の実務担当者が2代、3代変わったあたりでまた騒ぎになる。
 忘れた頃にというのが重要で、いつか見たあれであることに変わりはないのだが、未知の敵として防御本能を最大限に高めてしまう人が現れる。また「あの、今回も風邪の一種ではないかなと」と言い出そうものなら「人が死んでいるんだ!不謹慎なことを言うな」と戦争脳に切り替わった人に怒られてしまう。
 人類は人類ではなくならないのだから、ウィルスとは共存共栄していくしかないはずだが、「戦って勝ち抜く」と誤解する人が「欲しがりません、勝つまでは」と過度の自粛を触れて周り、多くの疾患者と経済困窮者を生み出す。
 報道と行政が冷静な対応を取ることが重要なのであるが、競って煽ったので大変罪深い。その時に左派が政権を取っていたらどういうことが起こるのだろうか。一歩間違えれば経済や社会安定を崩壊させかねないリスクなので、社会システムとして安全弁が働くような仕組みが必要だと思う。
 忘れていたがゆえに初動を誤るのはやむを得ないことかもしれないが、その後1ヶ月、半年と悪い政策を続けてしまうのは、やはりビジネス勢力が暗躍している可能性が高い。いくらでもお金を動かすし、いくらでも専門家を操れる。

*1:消毒ではなくて、手洗い

*2:11月10日ロイター