部分不経済

ネットワーク商法擁護質問の問題で、一部の悪い業者がいるからといって全体を規制すべきでないというが、これは正しいのか。
たとえ悪い業者が一部だというのが本当だとして、こういう論を持ち出す人は、規制推進側に対策を委ねてしまう。
どんな産業でも、社会に存在するかぎり、恩恵を受ける人がいれば被害を受ける人がいることが多い。しかし、明確かつ不条理な被害者がいるときに、一部の事業者のせいにすべきではない。
小学校で、数人の男子が掃除をさぼるので、女子のリーダーが先生に男子の罰掃除を提案したとする。掃除をさぼるのは一部だから全員に罰を与えるのは不公平だ。
しかし、ある班は生物係なのにえさやりをさぼってうさぎが明らかに栄養失調になってしまったとする。さぼったのは班のうち2人だから班の全体責任にするのはおかしいと言いわけしている場合ではない。放っておいたらうさぎが死んでしまう。他の班の人に2人をしかったり監視したりする方法を考えさせるのではなく、自分の班の中で対策を立てさせるべきである。
また、もしもマルチとネットワークが違うと主張したいなら、その違いを識別する基準を設けるべきだ。消費者金融金利と公的免許で闇金融と区別できるから合法産業とみなされる。
呼び方だけ変えたのは姑息だ。
ということで、自分たちでできることをせず、国会議員の発言だけではくをつけようとした戦術は失敗だったといえる。

もし経営者だったら

将来、新しいビジネスモデルを構築したとする。後発業者が現れ、知名度が高まったが、被害を受ける人が出始めた。新ビジネスがいろいろな意味で「正しい」のかどうかは後世になってみないとわからないが、自分はいろいろな意味で信じている。
こんなときは

  • 業界団体を作る
  • 被害の実態を調べる
  • 被害を生まないスキームを考える
  • 利益と被害を相対的に比較する尺度を定義する
  • 顧客教育と従業員教育を充実する
  • 政治家に献金する金があるならマスコミに使う

いくつかは新興宗教だってやっているのに悪徳ビジネス業界はひとつもやらない。