比較させてほしい

 掃除機を買いに店に行った。売り場の飾りや広告文句を見ていると他社との違いを出すのに一所懸命になっているが、同一会社製品同士の機能差異・性能差異がよくわからないことに気づく。
 13,000円のと20,000円のとで悩もうとしたが、違いがわからないから悩みようがない。安い方を買ってきた。カタログを片っ端に読んで相対的に区別できたのは吸じん力のグラフだったが、消費電力に差がないのに吸じん力に差がある理由がわからない。高いのが好きな人が高いのを買えばいい、というマーケティングの仕方が気にくわない。それなら消費者は最も安い海外アジア・メーカーの機種を選ぶことになる。
 ビデオやパソコン、携帯電話など、白物以外でこういう売り方をしたら絶対消費者はついてこない。売り場にいたら新婚夫婦らしき2人組が「わたしは掃除機と洗濯機を見る」「じゃあ、俺はテレビ」という会話を交わしていたが、メーカーは女を馬鹿にしているのかもしれないと思いかけた。
 ところが、男しか使わない電気ひげそりの売り場に行っても同じ。高級そうな機種と標準そうな機種と、簡易っぽい機種の3種類がなんとなく区別されているだけ。それぞれ2-3機種並んでいるが、簡易っぽい機種は旅行用など用途がはっきりしているのに比べ、高級機種や標準機種では何が違うのかさっぱりである。水洗いができるのか否か、洗浄機能がついているのか否かなど、説明を受けずに見比べるには10分くらいかかる。説明してくれる店員がいなかったので根気負けしてそのまま帰ってきた。

わたしは感覚だけでは絶対に買わない。

ちゃんと性能で納得させてほしい。