国道1号線完走

 はてなダイアリー市民になった記念に、特集記事。

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 国道1号線走破を試みた。さすがに徒歩ではつらいので今回は自動車を使う。午後4時過ぎに東京の日本橋を出発した。
 出発早々、永代通り(日本橋〜大手町)と日比谷通り付近(大手町〜霞が関)で渋滞した。いつも渋滞していることはわかっているので普段なら近寄らないが、路線走破が目的なので、回り道をするわけにはいかない。皇居の前でひたすら耐えた。
 小田原の手前も、信号が多くて渋滞ぎみ。他の道路が充実しているので、1号線は旧道扱い。道幅も幹線道路らしくない。このあたりでは「リタイアして引き返そうかな」と何度思ったことか。
 箱根の山登りは、上り(行楽帰り)の車が大渋滞している中、箱根駅伝第5区ランナー*1の気分で果敢に攻めてみた。ただ、途中からダンプカーが前でペースメーカー役を演じてくれたので安全速度だった。とにもかくにも、対向車線の渋滞はひどい。自分が巻き込まれているわけではないのに、気持ちがなえてくる。ただ、狭い街道で対向車がスピードを出して突っ込んで来ないのは安心だ。
 首都圏を出るとずっと片道1車線なのかと思っていたが、三島から先は片道2車線で線形もよく、案外立派だった。トラック街道なのである。さすが日本の大動脈。
 静岡県内を走っていると、なぜか下り車線の沿道にだけセルフのガソリンスタンドがない。静岡ルールなのだろうか。
 それと、静岡県は東西に長い。いつまで走っても静岡だなあというのが感想。この頃が最も運転に飽きがきていた。
 名古屋に入るまでは吉野家が多かったが、名古屋から先はすき家が多かった*2。大阪の方向案内板は角が丸く、国道番号のマークが大きいなど、地域の特性を見つけるのはおもしろい*3
 名古屋に入ったのは深夜になったが、名古屋高速の高架下を入っている辺りから、名古屋市を出るまでの間は、教習所・運転初心者時代以来の

未知の世界にいる恐怖

を感じた。信号が赤に変わったので止まったら、後ろの車が猛スピードで右折した。右折レーンがあったのでわたしがよける必要はなかったが、右折可の矢印灯火は消え、交差道路が青になる直前だった。そのあと、激しいブレーキの音がしたので何かしたのかと思ったが、実はその場でUターンし、わたしが止まっている交差点に戻ってきて右折。つまり、赤信号の間にわたしの車を抜くという芸当をしてくれた。普通の速度で走っていたので、わたしがのろのろ走って迷惑をかけたとは思っていないが、その車にとってはわたしが邪魔だったのであろう。
 信号待ちのフライングは当たり前。東京でもオートマチック車でクリープ現象を効かせながらそろりそろり動き出す車は見かけるが、名古屋ではアクセルを踏んで一歩前に出るという感じだ。前の信号が赤だったら、1mくらい前に出る。横の信号が赤になったら、乗用車ならば自分の車長分だけ出て、2台目が停止線というのが暗黙のルールらしい。わたしはそれを知らずに停止線で止まっていたので後ろから警笛を鳴らされた。「冗談だろう。よそ者だからからかわれたのかな」と思って、次の交差点では試しに静岡ナンバーに先頭を譲ったら、やはり鳴らされていた。交差点の中央も越えていて「そこまで行くなら信号無視して早く交差点から出てしまえ」と突っ込みたくなる車や、交差道路の車の通行を遮っている車もあった。
 名古屋は道路の作り方も変わっている。車線数が多いのは特に困らなかったが、驚いたのは、車線減少するときに左車線が削られていることだ*4。他の都市では、たとえば交差点の手前で道路を拡幅できないときは、一番右の車線を1つ削って再び膨らませて右折専用レーンを作る*5。ところが、名古屋は左の車線を1つ削って左折専用レーンなるものを設けているのである。橋などの手前で車線減少するときも左から。他の都市では普通右車線の車を左に合流させるように白線をペイントするものだ。東京では3車線あったら「とりあえず真中を走る」という初心者向けガイドがある*6が、名古屋では左車線からも右車線からも中央の車線に割り込んでくるので、他地方の初心者には中央車線にいるからといって安心できない。わたしも慣れずに大変戸惑った。
 亀山付近では大雨。箱根のペースメーカーは邪魔だったが、鈴鹿峠のペースメーカーは水溜りを通って水はけしてくれたので大変ありがたかった。箱根の山攻めのつもりでやったら、たぶん事故を起こしていただろうな。
 寝ずに走り、翌日の夜明けとほぼ同時に梅田新道に到着。「国道1号線終点」といった標識があってほしいが、残念ながらなかった。大阪の人には、曾根崎通り*7の途中であって、終点ではない。東京・日本橋の起点にも何もないのでしょうがないのだろうか。
 所要時間が早すぎると思う人もいるだろう。確かにそれはわたしの危ないがんばりのせいでもあるが、実は ただ、すべて一般道ではきついので「国道1号線の標識を掲げている道路だけで大阪に行く」という条件にしてみた。つまり、途中で「バイパス」と呼ばれる一般有料道路をたくさん通っている。*8

*1:車だから伴走車だろうか

*2:チェーン店の縄張りについては、たとえばコンビニにも特徴があらわれる

*3:全国一律の道路行政の中に、どこか地方色があるのを見つけるとおもしろいものだ

*4:一部の新しい舗装を除いて

*5:削らないと、直進したい車が間違えて右折専用レーンに入ってくるから。名古屋方式以外にもたとえば東京西部、国道246号線などでは、削ると渋滞することがわかっているから、一番右の斜線が申し訳なさ程度に広がっているだけの場合もある。この場合、一番右の車線を走っていた車は、右折車を避けるように隣の車線との間の白線をまたいで走る。交差点付近だけ、2車線分のスペースに3台が並ぶ。交通規則通りではないのかもしれないが

*6:左の車線は路上駐車が多いので、車線変更が増える。2車線の一般道路だったら、場合によっては右を走るほうが推奨されることがある。もちろん高速道路の追い越し車線でこれをやってはいけないのはわかっているが、この書き込みに文句がある人は路上駐車を解消させてから申し出てほしい

*7:http://www.osaka.kkr.mlit.go.jp/sone/

*8:箱根については、旧道を下ったことはあるが上りは新道しか運転したことがなかったので、あえて旧道を通ってみた。ちなみに、現在では静岡県内のバイパスは無料化されている