1万円プリンター

家電量販店に行った。家庭用、SOHO用のカラープリンターは今のところまだまだ売り場では種類が豊富で、複数メーカーから選ぶことができる。

スマートフォンの普及によって、年賀状や写真プリントの需要が減少している。さらに情報漏洩防止の観点から、印刷を制限する業態も多いことから、売り場面積がかなり小さくなっているのではと思ったが、思ったほどではなかった。

 

大容量インクタンクを備えたタイプと、安い本体で高いインクを買わせるタイプとに二分化している。

 

後者においては1万円前後で入手可能なエントリー機種もあり、壊れたら買い替えればいいという感覚で延長保証なしで使い捨てにしてもいいかなという感じである。

 

見た目も2万円台の、かつてのエントリー価格帯のモデルよりどこかチープな印象である。もちろんファックスなどはないが両面印刷には対応していたりする。

 

試しに買ってみた。

 

メーカーにもよるが、わたしが選んだメーカーだと小さな液晶画面もついているし、印刷アプリは他機種と変わらない。用紙トレイがなく手差しよりはもう少し多く差し込んておける口がついているが、たまにしか印刷しないのでいいかなと思った。

 

使い始めてみて、少し後悔している。

 

印刷の品質がよくない。かなり昔に見たようなにじみ方。前の機種が6色だったが4色になった影響もあるかもしれない。小さい文字が潰れる。

そして、両面印刷をすると、紙にしわが寄ったり、紙が折れたりして出てくる。また、紙のヘリにインク汚れがつく。

 

リース契約で職場に置いてあるような、業務用の複合機を使い慣れている人にとってはかなり物足りない。たまにしか印刷しないからいいやではなく、たまにしか印刷しないからコンピニプリントを利用すべきなのである。

 

家でたまに安く印刷したいなら、モノクロレーザープリンターがおすすめである。インクジェットプリンターは、粘り気のあるインクを使っているため、長らく使わないとノズルが詰まってしまう。そこで、たまに印刷しないのにインクをインクで洗い流す必要がある。

同じ体積で比べたらドンペリより高いと言われているインクを日常的にちびちび垂れ流し続けるのは不経済だ。

 

では電源コンセントを抜いておけばどうか。インクが詰まって使い物にならなくなる。

メーカーによっては毎回インクノズルごとカートリッジを交換するものもある。これなら詰まることによる修理は不要だが、交換部位が多いことに加え、シェアが低い。大量仕入されているメーカーのカートリッジや、その互換カートリッジが山積みになっているとどうしても値段と比べてしまう。もちろん高いと感じる。量販店でも入庫待ちになっていたりするのでネットで買わない人には厳しい。

 

本体価格が安くなっているので、修理したり延長保証をつけるよりは買い替えたほうがいいとなる。

モノクロレーザープリンターの方が安い機種でも品質が安定していると思う。

 

1万円プリンターは、使用期間が短期であると明確に決まっていて使い潰す場合にはおすすめできない。