特別定額給付金の受付が本格的に始まった。人口が多い都市部でもおおむね5月中旬には開始している。
マイナポータルや自治体のサイトを見たが、振込先として指定可能な金融機関の説明が欠落している。普通、自治体によって納税や給付の際に指定できる金融機関は限られている。今回はどうなっているのだろうか。
「特別定額給付金」という単語に加えて自分が口座を保有している金融機関名をGoogleにいれて検索するのが最も早そうだが、残念ながら一部の金融機関しか掲載していない。
住信SBIネット銀行は、
※口座確認書類として、デビットカード一体型キャッシュカードのコピーをご提出なさらないようご注意ください。
と記載しているが、それだけでは理由がよくわからなかった。
楽天銀行のサイトを見てわかった。VISAデビットやJCBデビットカードの表面はVISAやJCBとして使うときの番号が書いてあり、これは口座番号ではない。表面だけでは添付書類としてふさわしくない。画像で説明してくれないとわからない。
楽天銀行のサイトは、わかりやすい。「ぜひ、ご活用ください」とまで書いてある。
三井住友銀行は、口座に登録してある住所が現住所と異なる場合など、細かくFAQを作っていて、それが検索でヒットする。なんでも役所に電話するのではなくて、銀行にも電話が来る、と考えたのだろう。疑問に持った人に対する対応として好感が持てる。問い合わせの電話が不要になるので、待たされる人を減らすことになる。
一方で、あるメガバンクは、店舗での感染防止のために、
特別定額給付金のお受取等お急ぎの場合は、既にお持ちの口座(他の金融機関の口座も含みます)のご利用をご検討くださいますようお願い申しあげます。
と言うだけ*1。つまり、お前のコロナが移るから、わざわざ来店して新規口座開設するなということか。あるいは新規口座開設をしてもらってもすぐにキャッシュカードを渡せないかもしれないので怒らないでねということか。かつて、寄附金の振り込みが集中して大規模システム障害が発生したが、大量の振込依頼を受け入れる自信がないということか。自分たちのことしか考えていない。他行を使ってもらって結構、というのは相当激しい拒絶である。
テレワークが進んで、同僚と文案について話し合わないものだろうか。そして、こういうときこそ銀行同士で横並びにするんじゃないの?と思うし、少しグーグル先生に聞けばライバル銀行がどうやっているかわかりそうなものだが、広報文は出しっぱなしなのだろうか。
銀行の皆さんにとっては様々な取引の中のごく一部なんだろうと思うが、あすの出金におびえている人にとっては1秒でも早くほしいお金である。こういうときに丁寧に対応する銀行は預金者に感謝されると思うんですけれどね。
個人の10万円なんて、面倒くさいということなのかな。定額給付金が2回、3回になったら本腰を入れるのかな。ベーシックインカムになったら店舗で景品でも渡してみるのかな。しかしまあ、1回目で勝負は決まったよね。
ネット銀行はみんなできているとか、昔からある銀行はだめとか、そういうことでもないようだ。