コワーキングスペースが混んでいる件

 コワーキングスペースは、カフェで仕事をするノマド族の受け皿、オフィスを自営せずに起業する人の拠点として広がった。

ドロップイン中心で営業していたスペースはがらがらな所もあるようだが、郊外にあって、会議がある日以外は満員電車を避けて家の近くで仕事をする人が多いスペースは満席だそうである。

stayhomeが叫ばれているのになぜ群がるのかという投稿をネットで見かけた。会社が出勤停止を決めた意味がないと嘆いたりからかったりしている。

会社が事業所(内勤者向け施設)を閉鎖しているのは、

  • 事業所内で感染者が行動していたことが判明し、閉鎖せざるを得なかった
  • まだ事業所内で感染者がいない場合、今後を出すと業務影響が大きすぎる
  • 自治体、業界団体などから要請が来た

ということで、いずれにしても空気を読んでいるだけだ。従業員の健康や、社会への協力はほとんど関係ない。公共団体も営利団体も活動することが存在意義であり、行政から営業自粛を求められない限りは事業存続を模索するし、求められていても無視する店が存在する。

 存続、継続が重要なのであって、それがあってこその健康である。健康というのは自宅にこもってなまった体を体操でほぐしているだけでは得られない。今までより制約のある中で、今まで以上に努力と工夫で全力を出して稼がなくてはならない。一部を除き、ほとんどのビジネスモデルは収益力が下がっている。自粛業界だけではなく、テレワーク可能な業態も同じ。自宅で全力を出すことが困難だからやむなく家を出ているのである。

 息の長い戦いである。コロナも長引くし、経済恐慌はさらに長引く。自粛していても誰も十分なお金を払ってくれるわけではない。

 ひとりひとり考え方やリスクが異なるのだから、一様にコワーキングスペースに群がる人をバカ呼ばわりするのはいかがなものかと思う。