政府からの経済保障

 一律給付については、麻生大臣が、経済対策として効果がなかったからやらないと言っている。

 休業補償については、安倍首相が、不公平だからやらないと言っている。

 

 ただし、2020年のコロナ対応は、経済対策でも困窮対策でもなく、社会政情安定策とすべきだと思うので、財政出動しない理由にはならないと思う。

 一律給付や休業補償をやっても景気浮揚効果は小さいけれど、このあと、街がまるごと潰れたり、毎日のように電車に飛び込む事故が発生したり、外出自粛でゴーストタウンになった広場がホームレスで埋め尽くされたりすることに対して、生活保護で対応可能なのだろうか。パチンコ、ナイトクラブや風俗など、生活保護に行きづらい人から先に収入源を断つという荒業をやっている。自民党が選挙で負けるだけならいいけれど、暴動が起こらないだろうか。いわゆる放射脳のときは再稼働反対デモが経済産業省に押し寄せたが、財務省は自分たちはデモ隊が来ないと思っているのだろうか。

 休業要請対象業種のみ給付を行うのは不公平というのも理屈としては理解できるが、金融経済にはじゃぶじゃぶお金を入れておいて、実体経済には出し渋るアベノミクスこそが不公平の極みであり、貧富の格差を広げていると思われるが、その責任者が不公平を口にするのは滑稽である。

 非常事態宣言が出されたその日の夜には、民間への休業要請は東京都以外には実施しないことが報道された。社会秩序の維持のためには、非常事態であるにもかかわらず要請は最低限にしなければならないということだ。首相が会見をしたのは象徴的であったが、ロックダウン推進派からは封鎖が不十分だという声が上がるだろう。

 中小企業対策については、緊急事態宣言と合わせて具体的な金額が示されたが、融資審査が終わるまで待てるのだろうか。

 休業補償は、3月と4月の前年度売上か、前年度売上の6分の1か、直近6ヶ月のうち最高の月間売上高の2倍のいずれかでいいのでは。会計帳簿をきちんと作っている商店は最もいい数字を出せるし、そうでない商店も確定申告書の売上高を6で割るだけなので、申請を出しやすいのではないか。

 なぜ、緊急かつ激甚災害であるにもかかわらず、財源を決めて範囲を決めるという従来通りの予算の立て方を続けるのか。財務省が100兆と言ってきたら、200兆の基金にして実体経済を金融経済と同じ水準まで高めろ、くらいのことは言えるリーダーであればいいのに。