説明せよと言われても

 コロナウイルスの政府発表については、厚生労働大臣が記者会見するだけでなく、小中高の休業要請については安倍総理大臣が自ら国民に呼びかけを行っている。

 ややびっくりしたものの、そうなってもおかしくはなかったなというのが個人的な感想であるし、統計をとったわけではないけれど一般的な受け止めだと思う。

 ところが、突然のことでケアが不十分だの、説明が足りないだのと騒いでいる人がいる。

 そういう人はケアがあれば、説明があれば「はいっ、わかりましたぁ」と従う人たちなのだろうか。突然でなければよかったのだろうか。早ければ早すぎるというし、遅ければ遅すぎると誰かが言う。誰にとっても適度な早さで発表することなどできない。

 対策を持っているわけではないし、政府を説得できるわけでもないが、とりあえず不満だと言いたいだけなのである。

 今回は病気と戦わなくてはならないのに、病気の予防において重要なストレスの緩和を放棄して、体の抵抗力を落とすことに加担しているのだから、火炎瓶を投げ込むデモ隊とやっていることは同じだ。目の前に現場がある人は文句を言っている暇はないわけで、文句を言っている人は暇なのだろうから自らボランティアにでも志願したらどうかと言いたい。

 隕石が降ってきても、地震が来ても、洪水が来ても、ミサイルが飛んできてもとりあえず政府が批判される。マスコミはそういうものを選んで垂れ流す。

 官邸にはプロフェッショナル人材が不足しているような気がする。医学や防疫だけでなく、社会心理、広報など、いろいろな人が知恵を出してなるべく国民に届く発表の仕方を工夫したらいい。DaiGoさんが「学童保育では児童を1m以上離す」の指針についてどうして悪いのかをYouTubeで説明しているが、このような人を官邸に入れたらいいと思う。

 そういう人材がいなくて大変ですね、と同情はするものの、なんで人材を揃えて最適な情報提供をしないのか、なんて批判する気にはならない。そんなことを言っても誰も得しないし、先に書いた通りわたしもストレスを当たり散らして別の人の抵抗力を下げたくない。

 今は非常事態。批判すること事態が思考を止め、ストレスを増やすが、そのマイナスを補ってあまりある効果がある批判ならしてもいい。具体的な代案があるならそれは批判ではなく提言になるだろう。

 ただ「ケアが足りない」「説明せよ」の類は何も産まない。政府は強いから何を言っても大丈夫ということはない。聞いている周りの人にとっても不愉快だ。

 そして、厚生労働省の電話窓口など、批判の受け手になっている人たちに本来の仕事をさせてあげてほしい。クレーマーが電話すべきなのは役所ではなくてカウンセラーだ。これを読んでいる人の中で、家族にクレーマーがいたら説得してほしい。