全期前納口座振替制度

保険料などでは年間一括払いにすると月払いよりも割引になることがあるが、税金の場合は「全期前納制度」と呼ぶ。近年、この制度の報奨金を廃止する役所が相次いでいる。「全期前納 廃止」で検索すると全国各地の役所が検索できる。天引きの人は割引なしで、一括払いの人は割引ありだと不公平だというが、割引を受けたいなら天引きをやめればいいだけなのだが、天引きによる事務処理軽減と納付漏れ防止を意図する行政側としてはあくまで「割引なしの人がかわいそうだから」ということらしい。茨城県稲敷市のように

削減した財源を市民サービスの向上に活用するため。

と正直に説明する役所は少ない*1
平成29年度から全期前納制度を開始するある自治体は、最初から報奨金なし。前納して割引なしの口座振替と、従来通りの分納の口座振替があるので、全期前納の必要性を感じない。

  • 例えば年4回税金払っていた人が1回になるのだから、金融機関に行く手間が省けるのでは?

→いいえ、口座振替の手続きはどちらも1回です。

  • 例えば個人事業主で、月1回の支払いごとに帳簿への記帳が必要だったのが、年1回の記帳で済むのは助かるのでは?

→たった11行ですよ。しかも個人でも今時は自動記帳も普通なのに。そのためにまとまった金を先払いするほどのメリットはなさそうです。
納税者は制度を使わなければいいだけだが、むしろ制度が二重にあって事務処理にお金がかかる分、納税の受益者としては損をしている気がするのだが、誰がやりたがっているのだろうか。