菅首相が変わった

菅首相は相変わらず「代わらない」が、番記者に接する態度は「変わった」という。再生可能エネルギー法案への意欲を見せていると6月21日朝の各局情報番組が分析している。
わたしは菅さんでは何も決まらない進まないと思っていたので、再生可能エネルギー法案だけでも通していただけるならそれだけでもやったらいいと思う。
ただし、法案を通すのが9月と言われている。法案作成1週間、衆議院2日、参議院2日で通してもらいたい。震災対策が急務なのに、何を議論するのか。河野太郎さんなどがずっと持論を暖めている。数年後の見直し規定を入れて、大胆なことを議員立法してしまえばいい。官僚と原発推進派は、悔しかったら自分たちで原発推進再生可能エネルギー見直し法案を出してみよ、とする。
ただ、菅さんの口から法案の中身が語られていない。孫正義さんの言っていることが法案に盛り込まれるのか。それとも経済産業省の意見が盛り込まれるのか。数年にもわたって郵政改革を訴えていた小泉さんの法案でさえ、審議の時は法案の影響が計り知れないとして国会で相当追及されていた。菅さんが9月に通したいなら、今からでも毎日30分くらい法案説明を自分の口からするくらいでないと間に合わないのではないか。
役所の今後の動きとしては、工程表を盛り込んだ基本法案にすり替えることで、菅さんがやめてからゆっくり事務方として中身のコントロールに着手することが予想される。公務員制度改革で使った手法である。もっとも、政局に働きかけるかもしれないし、菅さんが本気であれば何かが起こるだろう。
再生可能エネルギー法案の本会議採決がとても楽しみである。今回は税制よりも郵政改革よりも、利益誘導政治家と理念政治家とで賛否がはっきり分かれる*1。利益誘導する先が地元だったり業界だったり分かれるが、再生可能エネルギー法案を通したらすぐに原発がなくなるとか電力供給が不安定になるとかいうのは極論であって、法案が施行されても再生可能エネルギーのシェアが1%から60%に上がりました、ということにはならない。それでも1%を1%のままにするのか、少し上昇を促進するのかが決まるし、巨大な埋蔵金が眠る核燃料サイクルへの夢を追い続けるかも決まってくるので、利益誘導政治家以外は賛成せざるをえないと思う。果たしてどのように分かれるのか。

*1:法案の中身に致命的な欠陥がない前提