コードレス電話機の電話帳

高級機種は電話帳が漢字。安い機種は電話帳が片仮名。そして、中級機種は、親機が漢字電話帳でも子機が片仮名だったりする。
かつてコードレス電話機は家族の個室に子機が置かれた。子どもが電話、パソコン通信、インターネットで回線を占拠するようになった20世紀末の頃、ISDNは1契約2接続を可能とした。この時代であれば電話の主流は固定電話で、電話帳は親機と子機とでばらばらである必要があった。
しかし、今の子どもには携帯電話メールがあるし、友達との長電話を楽しみたいならパソコンとインターネットを使って無料でやるだろう。「NTTで何時間でもどうぞ」という家庭はないと思う。それなら電話帳は一家にひとつで十分だと思う。子どもは親が使う番号が入っていても普段積極的に電話を使うわけではないから関係ないし、親は子どもが入れた番号はむしろ知りたいくらいで、嫌がることはないと思う。家で仕事をしている親もいるが、そうだとしても数件の話である。どうしても他の人と共有したくない電話帳があるなら自分の携帯電話で管理すればよい。携帯電話の電話帳ならパスワードを設定して秘密にもできる。
子機に電話帳編集機能や、漢字仮名変換に用いる日本語辞書を入れる必要はないから、電話帳を受信して表示する機能だけつけてもらえばコストが下がって漢字表示もできると思う。もちろん高級機種は今まで通り個別電話帳でよい。わたしの電話機では、電話帳転送は短い時間でできる。いっそのこと、電話帳検索や着信をするごとにリアルタイムで無線で電話帳をダウンロードする仕組みでもいいのではないか。
余計なボタンと機能が多すぎると批判されて久しい電話機であるが、それよりも機能の前提が20世紀の頃から変わっていないことの方が問題である。