Suicaの不自由

(JR東日本だけ悪いわけではないが、他の公共交通系ICカード事業者まで調べきれないので、ここではSuicaについてふれる)
Suicaについては、便利さを強調する裏であちこちのブログで批判されているが、Suicaには隠れたルールがある。

  • 半年経つと、SuicaSuica電子マネーがロックされて使えなくなる。
    • ロックする可能性は規約に書いてあるが、具体的な期間は非公開*1
  • カードの払い戻しの際に210円の手数料がかかる。また、手数料以下の端数は手数料に充当されて払い戻されない。
    • これは、規約*2に書いてあるが、手数料額まではSuicaの裏面に書いていない*3

Suicaによる決済システムを管理する側のJRとしては当然の設定だと思っているだろうが、転勤などで東日本管内を離れる人にとってはひどい内容。ICカード乗車券の払い戻しというのは、通常の乗車券の払い戻しとは違う。次の乗車機会が決まっていなくても、持っていて別に損ではない。それでもあえて返却したいということであれば「これまで鉄道会社さんにお世話になりました。また使う機会がありましたらお願いします」とわざわざ乗客が駅まで来てあいさつしにきているのだ。単に他社路線に乗り換えただけかもしれないが、もしかしたら東日本管内で最後にJR東日本と接する機会なのかもしれない。それに対して特急券や定期券のように杓子定規に「210円いただきます」というのは、あいさつしに来た者にふさわしい言葉か。
いやがらせに100枚買って、1枚ずつ払い戻すようなふざけた人もいるかもしれない。そこで、どうしても払い戻しに手数料を設定したいというのであれば、ロックはやめるべきだ。そうすれば「手数料がかかりますから、駅以外でも使えますし、持っていてください」ということになる。そこまでできないなら、せめて期間を公表すべきだと思う。今のままでは、ずっと保管しているとロックしてしまい、駅まで行かないと使えなくなってしまうのだ。今まで使えたカードが予告なしに突然使えなくなるという事態は利用者にとって大きな不安だ。
わたしは、電車にあまり乗らない人には「ロックしてしまうのでSuicaは持たない方がいいですよ」と言わざるを得ない。そういうことでよいか*4
税引き200円でSuica流通コストを回収しているわけではないだろう。そうでなければ、自動券売機で自動的に回収してデポジット料500円払い出すような仕組みにしてほしい。記名式は難しいかな。そうすると、記名式のデメリットが出るような方式は採れないか...

どうしたらロックは解除できるのか

有人改札で問い合わせれば解除してもらえる。チャージしたらロックは解除される。しかし、例えば期限が切れたまま放置していた定期券があって、これから返却したいというような人はチャージせずに残高を電子マネーでの支払いに充てるなどしたいだろう。そういう場合は、当然追加チャージ不要だ。なお、残高を放棄してもかまわない人はロックされたまま払い戻せば問題ない。

どうしたら払い戻しができるのか

有人改札では払い戻してもらえない。申込書への記入が必要だし、特に、記名式カードの場合は本人確認書類の提示も必要。JR東日本みどりの窓口へ。

*1:ファミリーマートで有効期限切れのカードを出したら店員から「半年」という発言があった。レジ端末にガイドが出たのか、それとも店員にたまたま知識があったのか、マニュアルに書いてあるのかは知らないが、JRでなくてもSuica電子マネー運用側は半年ということを知っているようである。なぜ利用者には非公開なのか

*2:ICカード乗車券取扱規則第15条3

*3:たかだか小銭なんだから払ってあげればいいのにと思うが、きっと切手やテレホンカードのように不要券を収集して換金を行おうとする者が出ることを防ごうとしたのだろう。ただ、それを気にするなら具体的に「1日○枚以内」とか決めればいいし、記名式ICカードは本人確認するという現行ルールを継続すればかなり防げると思う。ICカード乗車券は鉄道会社から貸与されているもので有価証券ではない

*4:クレジットカードのように「とにかくお得ですから作ってください」というのもどうかと思うが、どちらが消費者にやさしいかといえばクレジットカードの方だ