JR東日本で、分割定期と呼ばれる通勤定期券*1を買ってみた。
新規の場合、自動券売機で買うことができない。みどりの窓口に行き、申込書に
A C
駅 駅間
C B*2
と2行に分けて書いて駅員に提出する。「1枚のSuicaで発券して下さい」と言えば、通常のように発券してくれる。*3
分割定期の利点
鉄道の運賃は距離に応じて増えるが、タクシーの初乗り運賃や、携帯電話の基本料金に相当する部分は安く抑えられている。そしてJRの場合、都市圏の電車特定区間では10km台の運賃は伸び率が抑えられ、20kmを超えると急に伸び率が上がる。この法則を理解して定期券の区間を分割すると通しで買うよりも安くなる場合がある。
分割定期の考慮点
ただし、Suicaを2枚買ってしまうと、入場するときと出場するときで使うICカードが変わってしまう。入場記録がないカードで出場しようとすると自動改札機が閉まってしまうし、入場記録があるカードで再入場できなくなる。Googleで検索すると
2区間定期はできるが、分割定期はできない
といった主旨の書き込みが数多くヒットするが、2012年頃からJR東日本でもSuica 1枚で発券してもらえる。磁気券2枚を磁気券1枚にまとめることはできない。2区間定期についても参考として整理する。
- 2区間分割購入のSuica定期券*4、いわゆる分割定期券はI字型。「A駅-C駅」「C駅-B駅」を1枚にする。
- 実際に乗るときの乗車経路はC駅をまたいでもかまわない。C駅での途中下車は不要。C駅とB駅の間にX駅があれば、A駅で乗ってX駅で降りてもよい。もちろんC駅で降りてもよい。
- A駅-C駅-B駅間がすべてJR東日本路線でなければならない。
- 2区間連絡定期券はT字型。「A駅-C駅経由-B駅」の区間と「C駅-D駅」の区間を1枚にする。
- 2区間連絡定期券・分割定期券共通
- C駅以外は重複できない。
- 2つの区間の有効期間は同じでなければならない。
他社線を含む2区間連絡定期券はWebサイトに案内ページ*5があるし、新サービス開始直後は駅のポスターもたくさん貼られていた。他社線の定期もJR東日本の売上になるから普及してほしいのだろう。一方、分割定期は控えめにFAQに書かれている。Suicaの電子マネー機能は普及するのでSuicaの部門はうれしいだろうが、鉄道としては運賃節約により減収になってしまうからだろう。
分割定期が購入できるかどうかを調べる
Googleで検索すると、分割できるかどうか調べてくれる無料のページを見つけることができる。また、有償の乗り換え検索ソフトで調べられるものもある。分割ができるかどうかの最終判断はみどりの窓口で確かめるのが確実だが「どの駅で区切ったらいいか」と聞いても駅員はアドバイスしてくれない。区切り方は自分で調べるしかない。1枚で対応できるのは2分割までで、3分割以上は対応しない。そもそも定期券面に3区間分の駅名を印字するスペースがない。
みどりの窓口以外の購入方法
モバイルSuicaの場合は電話をして分割定期の登録情報を送ってもらう仕組みだそうだ。以下の記述がある。
以下の定期券はモバイルSuicaコールセンターへ電話で申込んだ後、携帯情報端末への取込み操作を行ってください。
・「定期券利用区間」と「グリーン車利用区間」が異なる定期券
・二区間にわたる定期券
・新幹線定期券(FREX・FREXパル)
ネットde定期は、利用できない。以下の記述がある。
以下の定期券はお取扱いいたしません。
小児の定期券/満12歳のお客さまの通勤定期券/通学定期券・FREXパルを除く各種割引定期券/グリーン定期券/2区間を1枚にした定期券/山手線内均一定期券等」「2区間を1枚にした定期券」
モバイルSuicaの場合は、Webフォームに入力して申し込む仕組みになっている。
mobilesuica.okbiz.okwave.jp
かつては電話する必要があった。
自動券売機では、有効期限後の継続定期は購入可能である。有効期間後はもう一度申込書を出す必要がある。
実例
新宿-立川の場合、通勤1箇月は13,550円。新宿-吉祥寺、吉祥寺-立川は6,300円+6,300円=12,600円。同じ効力なのに950円安い。6箇月定期ならば4,540円の得。