首都高速 改悪が進む看板

久しぶりに車で上京した。湾岸道路を走っていたら、緑地でおなじみの各種案内看板が、より濃くなった緑色を用いた新型に置き換え始められているのが目についた。

何がよいのか全然わからない。

感覚的なものなので個人的感想ではあるが、従来の看板のほうが読みやすいし、かっこいい。

  • 路線番号表示は、環状線だけなぜか丸で囲われるようになった。なぜ環状線だけ形を変えたのだろうか。
  • 浦安の隣、「かさい」の「葛」は、これまで下の部分が「人」の正字体だったものが、下の部分が「ヒ」になっているパソコン字体というか、昭和風の字体*1が採用されている。採用したフォントの問題だと言い訳したいところだろうが、国(JIS)が正字体を使うことに決めたのだし、WindowsVista正字体に置き換えたのだから、元に戻すべきだ。ヒの自体を使うのは民営化して国に逆らうことにしましたということなのかと揶揄したくもなる。
  • 東関東道」の文字の隣についているマークの意味がわからない。わたしにはそのマークが
鉄塔

にしか見えない。成田空港方面ということもあり、今までは飛行機のマークが描いてあったので、空港の滑走路をデフォルメしているのだろうか。いや、道路のデフォルメだろうか。・・・ワカリマセン。

  • 出口案内板に出口とはっきり書かない。東京メトロは文字が小さくしたが、首都高の場合は英語で全く書かなくなった。外国人が見たら、地名は意味不明な文字列なのであって、矢印と出口名だけ書かれても、それが方向案内なのか出口なのか、あるいは「トイレ」と書いてあるのか理解できない。出口番号を目立たせているようだが、出口番号と気づかない人にはわからない。きちんと「EXIT」と書いてあげたほうがよいと思う。建物内の非常誘導灯の「非常口」の文字もそうだが、なぜ日本人はどんどん出口の文字を目立たなくしたがるのだろうか。
  • 高速走行中に見る本線看板は字が大きくなったが、一般道との境界に設置される入口案内は細かい字で書かれるようになった。何が書いてあるのか一目で判別できない。
  • 方向案内に地名を使わず、路線番号だけ表示した看板もあるが、これはひどい。人によっては右と左を識別しづらい人もいるので、人に方向を伝える場合は地名の方がわかりやすい。たとえ銀座に用事がなくても「左方面」というよりは「銀座方面」と言う方が誤りが少ない。現に、カーナビの高速道路案内は左右ではなく地名で発声される。数字は1桁か2桁なので、見間違える危険がある。箱崎ジャンクションには、6号線と9号線の分岐がある。そもそも、路線番号は認知度が低い。タクシーの運転手に4号新宿線と言ったら「日光街道か?*2」と言われてしまったこともある。地下鉄だって、13号線よりは副都心線の方がわかりやすい。

今回のコンセプトを代筆するならば、

  • とにかくどこかを変える
  • とにかく絵に置き換える
  • とにかく数字に置き換える
  • デザイン重視、わかりやすさ二の次

ということだろうか。東京メトロ*3と同じではないか。誰に何を見せたいのかはっきりしない。置き換え中止を強く希望する。
これも民営化企業がやりたがるイメチェンの一貫なのだろうか。時代背景が違うので一概に比較はできないが、JRも東京メトロ道路公団も郵便局も、民営化の際に、まったく、あるいはほとんど値上げをしていない。首都高は間もなく距離制導入で値上げ区間も発生する。そんなときに看板の掛け替えをやる余裕があるなら値上げするな。

*1:JIS78からJIS83になったときに「人」が「ヒ」に置き換えられた。それ以降のワープロ専用機にはJIS83準拠の異体字が搭載され、ワープロがパソコンに置き換わった後もWindowsではXPまで続けられた。80年代のことなので、「パソコン字体」あるいは「昭和風」と呼ばせてもらう

*2:それは国道4号線

*3:http://d.hatena.ne.jp/o1y/20080625#1214396692