看板(続き)

字が小さいと言えば、2013年から置き換えが進んでいる京成電鉄駅名標が残念だ。従来はその駅の名前は大型の太丸ゴシックが採用されていて読みやすかった。前後の駅の文字は小さく、そのローマ字表記はさらに小さかった。新型は小型の細角ゴシックで、その駅の名前も前後の駅名も小さくなった。近年の目が悪い日本人の半数には読めないのではないかと思う。そもそも駅名標は例えば日暮里駅に入場した人が「あ、ここは日暮里駅だな」と確認するためのものではなく、電車に乗っている人が「あ、日暮里に着いたな」とか「まだ日暮里だな」と確認するために読むものであるが、駅名標のそばまで近づかないと読めない。少なくても現在の駅名標のふりがなやローマ字は誰かに読んでもらうために書いてある大きさとは思えない。
乗客にも使われずに電気を浪費するだけのものへの改悪をなぜ推し進めるのか。ちなみに京成の新型車両は車内の液晶ディスプレイを設置しているが、中途半端に訪日客対応を進めていて、各言語の表示時間が大変短く、次の駅が何駅かを知りたい人に役立っているとは思えない。車内でも確認できないし看板でも確認できない。京成は何に投資をしたいのかわからない。
京成バスの停留所看板が大型化し、停留所名の表示も大きめに改められつつあるので見習った方がよい。
一方、このブログでさんざんこき下ろしてきた東京メトロに改善のきざし。「東武伊勢崎線方面」そして「きたかんじゅ」と、見た目だけ派手だが的確な情報を提供しようと努める気がないと思っていたが、現在大手町駅で改修が進む中、先行する東西線ホームの駅名標が大型化された。近年では銀座線溜池山王駅新設の頃からの新傾向である。ローマ字表記も十分車内から見るのに適切な大きさであり、これこそが訪日客対応だと思う。ただし、最近リニューアルを済ませた駅でも依然として案内の役目を放棄した看板をいくつか見かける。