終電で帰ることにした

規則を曲げない運転手

まず、バスに乗った。車庫に戻るために運行しているようなもので、乗客はほとんどいない。
運転手が暗闇で待つわたしを見つけてくれるかどうか心配だったが、無事ドアは開いた。
ところが運転停車と称してなかなか発車しない。道路も車内も空いているから、早着だったのだろう。しばらくして「発車します」と放送してから運転手はドアを閉めた。
運転停車は次の停留所でも行われた。たぶんこの先だれも乗らないだろうにダイヤに忠実だった。運転手はマイクを通して「発車します」と言ってからドアを閉めた。終電に間に合うかどうか心配になった。
さらに2つ先の停留所でも運転停車が行われたが、今までと違ったのは始点の停留所で乗った客がここですべて降りて、残る客はわたしひとりになったことだ。運転手は

何も言わずにドアを閉めた

もう、「きょうのお仕事終了モード」に入ったのかな」と思った。あとは回送の気分だったのかな、と。一日中、規則通り「発車します」を言い続けたことだろう。最後くらい省略してもらってもいい。
ところが、運転停車だけはやめなかった。もう誰も乗ってこないよ、早く発車してくれよと思っていたが、だまって止まってだまって出発することあと3回。イライラというより、気持ち悪い。早く降りたかった。

もくもく

終電には間に合ったが、途中で霧に遭遇した。
わたしが「世の中過剰なくらい禁煙が普及しているが、喫煙者はちっとも守っていないではないか」と言うと、喫煙者は「街で禁煙のルールを破っているのはごく一部だ。一部を全部と思わないでほしい」と言う。ただ、夜に限ればわたしの主張の方が正しい。
乗換駅のホームでは1号車付近に灰皿が置かれていた。ところが、3号車付近まで喫煙スペースだった。わずかな乗り換え時間の間に少しでも数時間を長くしたいらしい。喫煙者も、他人のたばこの煙は好きではないのである。建物内の喫煙場所なら仕方がないと思うのかもしれないが、屋外にあるホームだと気がゆるむらしい。喫煙者が密集する灰皿前を避けて吸っている。でも嫌煙者には迷惑この上ない。
週末の夜だと、地下鉄でも吸っている人がいるからどうしようもない。注意すると絡まれるのがいやで、ここに落書きしている自分もどうかと思うが。
わたしが降りる駅の階段に一番近いドア。実はそこには多くの駅で灰皿が置いてある。結構迷惑。