ひらくドアにきをつけて つづき

2014年10月9日のつづき。http://d.hatena.ne.jp/o1y/20141009
電車のドアの「ひらくドアにきをつけて!」に続いて、あるバスの中央ドアに

ドアセンサー、注意

の貼り紙を見かけた。路線バスはバリアフリーのためにノンステップバスが普及したが、混雑時にドアセンサーの前に立ってしまうとドアが閉まらず、発車の邪魔をしている者がスマホに夢中だったりすると一向に発車できないことがある。実はセンサーはドア付近に人が立っていると閉めないようにするだけで、ドアが開いたままでもバスは動かせるようである。
さて、「ドアセンサー、注意」は、上記のようにドアを閉める邪魔をしている乗客に読んでもらいたいと思われるのだが、ドアが開いているときには戸袋の中に掲示がしまわれてしまい、読むことができない。そして何より、ドアセンサーの前に立ってしまう人にとって「ドアセンサー、注意」という注意書きの意味が通じているのか、私には疑問である。
後部ドア前にステップがあった頃は、ステップの幅がわずかで、ステップを登り切らないうちにバスのドアが閉まると足の逃げ場がなくて恐かった。だからわたしはドアの前には立ったりしないが、物心ついたときからノンステップバスの世代にとっては電車のドアと同じような感覚である。ラッシュ時には乗り切らない人がいても車掌は容赦なくドアを閉めるし、一部の路線では押し込む係さえいる。電車のドアにはドア閉め防止センサーがなくて、バスのドアにはドア閉め防止センサーがある*1
安全のためのものだから、回りくどい表現は避けるべきだ。「注意」とか「気をつけて」ではなくて何をすべきか具体的に示すのがいいと思う。電車のホームでもおなじみの「黄色い線の内側にお下がりください」がいいのではないか。ドアの手前に黄色くペイントし「乗降時以外入らないでください」「ここに立ち止まらないでください」と書いても良い。
「言うことを聞けば安全に運ぶので、○○をしろ、(もしくは、○○をするな)」というのは正しい指示である。航空機内ではあれこれ指図されるがそれらは仕方がないと思う。ただ、電車バスの類は、注意しろと言われる。注意は指示内容が具体的ではなく、それでいてうまくいかなかったら自己責任だ。裏返せば交通機関側の免責を狙っているのかと疑いたくなる。注意するのは職員や係員の仕事である。

*1:なお、バスにも電車にも新型車輌だと挟み込み防止センサーはある