スマートフォンに変えたら、時刻表ソフトが充実していたのでいくつか試してみた。
利用する駅を選ぶと、曜日と時刻を端末から入手して次来る列車の時刻と行先を表示してくれる。
大変便利だがいまひとつである。アプリケーション制作者が利用者のニーズを把握できていない。
わたしが考える利用者のニーズとは、もうすぐ来る電車の時刻がわかるという最低限の機能に加えて以下の機能を備えることだ。
好きな時刻の時刻を知りたい | 任意の時刻を表示する | 例えば、今は朝だが、夕方の時刻を見たい。 |
他の曜日の時刻を知りたい | 任意の曜日を表示する | 例えば、平日に、土曜日の時刻を調べたい。 |
自分に関係ある行先の便の時刻をのみ知りたい | 行先のフィルタリングをする | 例えば、終点まで行きたい人は途中駅止まりの便に興味がない。 |
自分に関係ある種別の便の時刻のみを知りたい | 種別のフィルタリングをする | 例えば、下車駅に急行が止まらないので各駅停車の便だけ見たい。 |
始発電車の時刻を知りたい | 始発電車の表示をする | 座りたいときに使う。 |
編成の長さを知りたい | 車両数の表示をする | 座りたいのに電車が来ない乗車口に並んでも意味がない。また、車両数が少なければ座席の競争倍率が高くなるので、並び始める時間を変えたい。 |
通過待ちのない便に乗りたい | 通過待ちを行う駅名の表示をする | 例えば終点まで行くには快速の方が早いとしても通過待ちがないなら各駅停車でも乗りたい。 |
複数路線から最適な便を選びたい | 複数路線の混合表示をする | 例えば、深夜は山手線も運転間隔が広がるが有楽町から西日暮里に行きたいときに実は山手線でも京浜東北線でもいいので混合の時刻表が見たい*1。さらには千代田線でもいいのだがそれはさすがに無理か。 |
昼間の山手線のように、次来る電車に乗ればいいという場合は時刻表は不要である。よくあるソフトウェアは「次来る電車が何時何分」か、「その電車が来るまであと何分か」に主眼をおいている。しかし便指定で乗りたい人はただ乗れればいいのではなく、上記のように特定の条件を満たした便に乗りたいのである。
発車時刻ぎりぎりにホームに着きたいとか、発車時刻ぎりぎりなら急いで行って乗りたいという場合、座席は空いていなくてもかまわないということなので、駅のホームで立っていても電車内で立っていてもあまり変わらないと思う*2。
Android向けの以下のソフトウェアを試した。
- TrainTimer
- あと何分?
- 駅の切替がフリックでできない。
- Navitime
- 時刻表表示のためには会員登録が必要なので断念した。
- 任意の曜日表示はできるようだ。
ソフトウェア名 | TrainTimer | あと何分? |
任意の時刻表示 | ※ | ○ |
任意の曜日表示 | ○ | × |
行先フィルタリング | × | ○ |
種別フィルタリング | × | ○ |
始発電車表示 | ○ | × |
車両数表示 | × | × |
通過待ち駅名表示 | × | × |
混合表示 | × | × |
※高速スライドが可能。
駅名をユニーク名表示する必要はない
広い日本には同じ名前の駅名が複数あることがある。通常は会社名などを付けてJR難波とか京王多摩センターのようにするが、遠く離れている場合は同じ名前のままにしていることもある。
経路探索ソフトや運賃検索ソフトでは、「八丁堀(東京)」のように都道府県名をつけて区別することがある。これは必要な機能である。東京駅の次の駅を調べるつもりだったのが、広島市街の路面電車の停留所だったら困る。
しかし、時刻表ソフトではこの識別は不要である。地下鉄日比谷線を調べていて広島の停留所のことを気にする必要は全くない。
おもしろかったのは、あるソフトウェアで見つけた「成田空港(鉄道)」である。航空ダイヤは検索できないのに、成田エクスプレスもエアポート快特も「成田空港(鉄道)」。普通に成田空港って表示してほしいものだ。
2月9日に書いた、都営浅草線発直通電車の経路がわからない問題(http://d.hatena.ne.jp/o1y/20110209)は、時刻表ソフトも同じだった。こればかりは紙の本の時刻表や、えきから時刻表などに頼るしかないみたいだ。ちなみに、繰り返しになるが、駅では駅員に聞かないと調べられない。