オートチャージのお得度

 ビューカードにてSuicaオートチャージを行うと、1,000円で6ポイント。400ポイントで1,000円に還元できるというから、還元率は1.5%である。カードによって異なるが年会費があるカードだと還元効果もかなり減ってしまう。バス共通カード5,000円券の脅威の割引率に比べると、JR東日本はかなり控えめである。
 さて、ここにPASMOオートチャージが始まる。

  • 首都圏では、山手線主要駅に私鉄が乗り入れ、山手線の中はJRと地下鉄が中心という棲み分けができている。会社間の直通運転も盛んなため、複数会社路線を日常的に利用する人が少なくない。どの会社のカードを持つか迷う人が出てくる。
  • Suicaは、関西や新潟・仙台でも使えるアドバンテージがある。また、先発のサービスであり、モバイルSuicaによる携帯電話サービスを行っていることも有利である。
  • デフレ経済下で、大手鉄道各社は消費税率改定以来運賃改定を行っていない。

こういったことから、わたしは

  • 大幅な利用還元サービスによる過当競争が激化
  • ICカード乗車券の運賃を据え置いたままで、処理コストのかかる紙乗車券に特化して運賃を値上げ

というシナリオを読んでいた。
 しかし、実際はSuica程度の還元率の横並びということだった。たとえば東京地下鉄は1乗車2ポイントだから、190円の切符だったら1%ちょっとである。やはり鉄道会社は

  • 商売が本業ではない。あるいは、百貨店を持つような総合グループ会社でも鉄道との連携は悪い。
  • クレジットカード会社に業務を委託していることから、利益は少なめ。よって還元原資が少ない。*1
  • 還元率を高くすると、定期券・回数券の存在意義がなくなってしまう。乗車券は区間や期間を拘束するが、ICカードは期限は半永久的で、路線選びもその日の気分で自由である。だから定期券・回数券離れを起こすような還元率設定には消極的にならざるを得ない。
  • ビューカードの1.5%が基準となった。
  • 現金還元より、オートチャージプリペイドカード一元化*2をカード年会費無料で提供してあげているという発想である。

といえよう。
 ただし、新規導入キャンペーン、移行キャンペーンはカード会社が背後に控えているだけにかなり強力である。*3。申し込み特典で1,000ポイントといった類は、かなりお得である。地下鉄だったら1日1往復だと250日も乗ったに等しいわけで、平日だけなら約1年分である*4。これだけでもお得である。
 ところが、ポイントによるチャージは、機械のあるところまで行かなければならないという。自動改札によるオートチャージのときに自動で入れてくれればいいではないか。あるいはインターネットによる手続を認めてくれてもいい。

*1:ただし、クレジットカードの還元率は0.5%が普通だから、カード会社単体の会員サービスよりは若干まし

*2:SuicaPASMOバス共通カードをばらばらに持ち歩かなくてよい

*3:還元率と相対的に比べたら、の話ではあるが

*4:休暇分を入れれば1年で間に合わない