役所窓口の接客

 市役所に行ったら、金融機関の窓口みたいな番号発券機が置いてあった。個人情報保護のため、窓口で名前を呼ばなくてもよいようにするためだそうである。ただし、この機械は未だに多くの利用者にとって違和感があるようである。事実、書類の受理が終わるまで長らくソファに座っていたが、見ているとほとんどの人が自ら券を取ろうとしない。わたしの知っている郵便局のように、番号札を取りたがらない住民のために、窓口係員が券をとれるような場所に発券機を置くようにしているところもある*1。しかし、ここでは発券機が入り口から見て横を向いていた。職員は住民が直接窓口に向かってくる理由を理解していないようで、その行動を不思議に思いながら「番号札を取ってください」を連呼している。券を取ってほしいとの掲示もないし、自分たちの窓口の作り方に疑問を思った方がいいのではないかと思った。
 番号札を取るよう促したり、申請用紙を選ぶ手助けをしてくれる相談役の人が立っていた。たぶん民間の窓口のまねをしたのだろう。しかし、この人、住民との井戸端会議の輪に取り込まれてしまっている。要件を最後まで聞かずに用紙を取りに行ったり、住民の顔を見ないで話をしたりなど、どうも接客がなっていない。窓口を開く前に「おはようございます」「ありがとうございます」「本日はどのようなご用件でしょうか」と全員で練習しろとは言わないが、マナー研修の類は受けた方がいいのではないか。一部の銀行でも、一線をはずれたパート主婦店員や延長雇用らしき店員が立っていることがあるが、いない方が信用維持のためなのではないかという感じの人を時折見かける。その人のことを思い出したりもした。
 役所のWebサイトを見ると行政評価や行政監査がはやっているが、窓口対応も評価対象に入れるべきではないか。

*1:取ろうとしない客には、職員自ら券を引き出して渡している