のりものの広告

 昔の日本人なら、電車やバスに乗ったときに車内につったり貼ったりしてある広告を見て、電話番号が書いてあったら覚えただろう。
 今どきだと、携帯電話サイトのURLが書いてあるとその場で打ち込んでアクセスするだろう。でも電話番号が書いてあったら果たして覚えるだろうか。電話番号なんてみんな電話機のメモリーに入れてしまう時代。ポケベル世代より若い人(昭和50年代後半以降に生まれた人)だと、電話番号をその場で覚えたり紙に控えたりという作業自体が想像に及ばないのではないか。もちろん、電話機のメモリーに入れることはできるが、さすがにその場でかけようという人はいない。そのせいかはわからないが、あまり語呂合わせを考慮していない番号を見かけることがある。
 最近は、Webの検索エンジンに入れるキーワードが書かれていることがある。「入力欄に○○○と入力してください」とある。いい考えだなと思ったが、日本語キーワードは平仮名だったり片仮名だったり漢字だったり、時にローマ字だったりするので正確に入力できるかどうか不安である。数字の語呂合わせにはなかった問題だ。
 URLと電話番号を同じにする会社もある。URLは、数字だけのIDでは覚えきれないという発想で英数字が使えるように設計されたが、日本人は数字だけの方がいいという発想を持ち込んだから滑稽だ。

何を見せれば人を引きつけやすいのだろうか。