国会論戦

 郵政国会を1日中テレビで見ていた。
 政府提案、すなわち官僚の法案を粛々と処理するよりはよほどいいと思う*1。しかし、質問者からも答弁者からも相手の理解が得られなくても採決には関係ないという雰囲気がにじみ出ていることが歯がゆい。
 質問に対する回答が、法案成立を左右するような仕組みができないものかと思う*2。また、事前の打ち合わせだけでなく、持ち帰った質問は必ず事後に回答が行われたかの確認を行い、採決の前提とすべきである。
 こうすると政府側ばかり負担を与えるから、例えば国会論戦の後に首相や主務大臣、野党党首ばかりが記者会見を行っているが、質問に立った委員も、質問をした経緯や質問後の回答をマスコミを通じて話すようにしたらいい*3。本会議の演説もテレビが発達しているのだから、議員に対してだけでなく、議員とテレビカメラの向こうの国民両方を意識してするようにしたらいい*4
 主役は政府でも政党でもなく、委員会を構成する委員であってほしいし個々の議員であってほしい。
 さて、実際のビデオ編集カットのない映像と、当夜のテレビ・ニュースを比較してみた。民主党の仙石委員が金融取引の抱き合わせ販売を取り上げたのが一番緊迫したところだったと思ったが、小沢委員のドン・キホーテの方が取り上げられる。ドン・キホーテと評したのは自民党議員だったと委員は言っていたが、その部分は削除されていた。
 郵便料金について、小泉首相は安くしたいと言っているのに、どの局の報道も竹中発言を取り上げて「高くなる可能性は否定できなかった、すなわち高くなるだろう」という認識を植え付ける論調だった。やはり、生放送を見聞きしないとわからないことがあるようだ。それとも「あれは値上げ示唆の発言なのだ」と裏で政府関係者から報道機関に闇通知が行われているのだろうか。実際の所は大口値下げ、小口は据え置きだが社会情勢によっては値上げということのなのだろうか。

*1:政治家主導の法案だとここまで完成度が低いのかという気もするが、わたしは一般論として「専門家はミクロはきっちり抑えるが、専門家ばかりに任せておくとマクロ的には問題がある」と思っているから、法律作成のプロにばかり任せる現状を避ける意味でも仕方がないのかと思う。本当は法律作成のプロは議員であってほしいのだが現実は官僚なので

*2:例えば、質問が終わるたびに質問者が満足度を暫定的な賛否を示す形で表明するのはどうか

*3:政治家はきちんと説明しているがマスコミが取り上げないというのであれば、よほどつまらない話をしているかもしれないし、あるいは意図的に取り上げないというのであれば国会をつまらなくしているのはマスコミだと言うことになる

*4:ただし直接投票制や直接民主主義はまだ無理だと思う