iDeco、遅過ぎる さらに続き

iDeCo、遅すぎる - 作文の練習
iDeco、遅過ぎる 続き - 作文の練習
7月下旬になりました。
前回はiDecoの口座にある商品の売却、購入を中心に書いたのですが、今回は企業年金基金からの移換についてのみとりあげます。
2つ目の投稿は、まもなく移換予定の資金が入金されるだろうと思って書いたのですがね。
1か月経ってもまだなんですよ。

確定拠出年金からの移換はここまでは長期化しないようですが、iDeco取扱いの証券会社に電話で問い合わせときに、企業年金基金の移管は遅いことを示唆することを窓口の方はおっしゃっていたんですね。つぶやくようにおっしゃっていたので、証券会社としての正式見解ではないようですが。

先日、元の企業年金基金から、

移換申出書を受理いたしました

という通知を受け取りました。
この「受理」って言葉が気になりました。
受理って、4か月かかるものなんでしょうか。

役所関係における「受理」とは、処分の前に行われる手続きです。
処分というのはごみを捨てるという意味ではなく「行政処分」とかの処分であり、機関が権限を行使することをさします。罰を与えるという意味で民間も含めてよく使われますが、罰かどうかは本来関係ありません。

受理は、対面窓口、郵送、オンラインの手続きで行われますが、今回は郵送手続きなので郵送の場合で考えると、
まず、ポストや私書箱に書類が来ているようだ、という状態は「到達」といって、「何かがここにある」という状態にすぎません。
届いた書類がポスティングちらしでもいたずらでもなく、機関で手続きが必要な申請、届出など(今回の場合は申出書)と認識して、処分に必要な情報が含まれるとわかった時点で「受理」されます。
届出の場合は、ここで効力が発生します。
開業届、転居届は、届を役所の窓口が受け取ったら、届けた側としてはもう手続きおしまいです。
出生届は市区町村長宛てに提出しますが、実際に市区町村長本人がそれを見たかどうかは関係ありません。というか、まず見ません。対面であれば*1、窓口の人が紙を受け取って「おめでとうございます」と言われたらそれでおしまいです*2

ただ、今回はまとまったお金の移動が発生します。本当に本人なのか、年金の残高が存在するのかといった審査が発生しているはずなんです。審査したら、機関で権限のある人が決裁をします。会社でいうところのハンコを押すってやつですね。
詐欺だったら困りますからね。
ちゃんとやっていると思うんですよ。

機関が権限行使するときに、ハンコを押す偉い人が何でも事務手続きをするわけではないので、実際は担当者の人が何かすることで処分が行われます。免許状が発行されるとか、処分決定通知が発行されるとかです。

ところがいただいた手紙には

お申出の通り移換します

とも書いてあるので決裁は済んでいるように読み取れます。入金はされていないので処分はこれからのようです。

お手紙通り理解すると「受理したよ→はいお金を移しますよ」ってとんとん拍子に進んだということになるんですが、
では、
ではではでは、
受理の前の4か月、何をしていたんでしょうか。

前回も書きましたが、2023年春に起こった空前の日本株暴騰を見事に逃したわけです。
バブル以来の高値を記録してから7月時点では少しは落ち着いていますが、昨年から比べたら2割3割を余裕で超えています。
移換を申し出た3月に投資信託の購入を終えていたら、少なくても年金資産は1割は増えていたでしょう。
人のお金を4か月も現金でどこにため込んでいたのでしょうか。

もちろん、たまたまわたしが暴騰のチャンスを逃しただけであって、逆の値動きをした可能性もありますから、運不運はその時次第ではあります。
ただ、運不運を決めるのは投資商品を選ぶ加入者であるべきです。年金基金が他人の年金を4か月も放置するのはどうなんでしょう。

この手続きは、ほとんどの人にとって一生に一度のことです。
他にも怒っている人はいるかもしれませんが、「次から気を付けてね」がないんですよね。次がありませんから。

でも他にも一生に一度のことっていっぱいありますよね。
学校の入学許可を4か月放置されたとか、運転免許の交付を4か月放置されたとか、そういうことはめったに起こらないし、起こったら報道されると思うんですよね。
「めったにやらないからどうでもいいや」ではなく、むしろ、一生に1回限りのことだから、ちゃんと手続きが回るようにしてくれます。

まとまった金額を預かったまま放置はよくないですよ。
今後の方々のために改善をお願いしたいものです。
なお、わたしの場合、たまたま4か月でしたが、4か月経つまで具体的な着金時期はわかりません。問い合わせても教えてくれません。
企業年金基金からの受理通知の前に、移管先から「まもなく」移換されるという手紙を受け取ったのは1か月前でした。年金の世界では1か月は「まもない」そうです。

移管先「いつになるわからないんですよ」
 ↓
 ↓
 ↓
移管先「あ、そういえば、もう移管元に書類送ってありますから。まもなくお金が来ますよ」
 ↓
まだかな
 ↓
まだかな
 ↓
まだかな
 ↓
まだかなまだかな
 ↓
移管元「あ、受理しました」

おかしいだろ。


結論:
この遅さが改善されないなら「企業年金基金からiDecoへの移換はお勧めしません」

脱退一時金として受け取るのが個人的にはお勧めです。
ほとんどの場合、確定申告が必要です。税務署は年金とは違って申告の受理は一瞬ですが、それなりに手続きが必要です。
長い人生のうちのたかだが4か月とお考えならば移換でもよろしいかと思います。

*1:郵送でもやろうとすればできるらしい

*2:実際は、マイナンバーほかさまざまな手続きがたくさんあって、むしろここから始まるようなものですけれどね